「緑川組~MOVE~」 2010/10
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『スピリッツ』vol.22
投稿日時:2010/10/19(火) 17:27

<『スピリッツ』vol.22>
【大差で勝利】
初戦の立命大戦に勝ち、勢いに乗ったまま迎える京産大戦。優勝するには一戦一戦が重要となるリーグ戦。関学は勝利目指して臨んだ。
晴れ渡る空の下、関学のキックオフで試合が始まった。序盤、京産大のFWを中心とした攻撃に苦しめられる関学。ゴール前での危ない場面が続く。しかし関学も粘り強い守りを見せ、相手の思うようにはさせない。そして前半28分、ゴール前中央ラックからHO緑川(商4)が抜け出し先制トライ。その後もFWを中心とした攻撃で果敢にトライを狙っていく関学。PR幸田(経2)、NO8小原(人3)もトライを決め、前半を26―17で折り返す。
リードして迎えた後半。開始4分、敵陣22メートルラインからSH芦田(人3)、SO新里(社3)、CTB村本(文3)へパスをつなぐ。そしてそのまま村本が右中間にトライ。31―17とし、京産大を大きく引き離す。自陣でのプレーを強いられる場面もあったが、堅いディフェンスで京産大の攻撃をしのいでいく。後半21分には、ゴール前のラックからFL安田(人2)が抜け出しトライを決める。さらに相手のパスミスからWTB長野(社4)がボールを奪い、相手を全く寄せ付けずに独走トライ。試合を決定づけた。後半は相手に一つもトライを許さなかった関学。47―17で勝利し、初戦に続き白星を飾った。
【一戦必勝!】
次戦の相手は近大。今年昇格してきたチームではあるが、油断はできない。「現状に満足してはいけない」と試合後、緑川は部員達に呼びかけた。3連覇に向けた戦いは、まだ始まったばかりだ。(宮本直実)
『闘いはここから始まる。』
投稿日時:2010/10/13(水) 21:47
若いFW陣。今年のチームをひも解くなかで、それは外せないキーワードだ。10月10日の開幕戦でスタメンに選ばれたFW陣の面々を見れば、それは明確だった。今シーズン、朱紺の闘士に抜擢された若きLOが振り返るオープニングゲーム。

【緊張】
開幕の4日前、藤原慎介(商2)は困惑と期待が混じる複雑な表情を浮かべていた。
「まだ実感沸いてなくて。花園が初めてで、観客が多い大きい会場でやるのも初めて。のまれへんように…。
そんな緊張するタイプやないんで、まだ。前日に緊張がすごくなるかも」
いよいよ始まる関西大学リーグ。これから彼が幾度も立つであろう主戦場『聖地・花園』のピッチを、彼はまだ踏み入れたことがなかったのだ。加えて、藤原にとって2年生でむかえるリーグ開幕戦が、初の公式戦。着るのはもちろん朱紺のジャージ。本人の気持ちに覆いかぶさるようにプレッシャーの波は押し寄せてきていた。
それは藤原だけの話ではない。初の公式戦、初の花園のピッチ、それらを初めて経験する選手は今年のレギュラーには数えるほどいる。とにかく『若い』のだ。
そんなチーム状況を見た大崎監督は試合前日のミーティングでこう話した。
「『固くなるな』と言っても固くなる。FWは新しいメンバーで、緊張すると思う。緊張をほぐすには、しゃべるとか、ビーバー(山本有輝=文4=)のように叫ぶとか」
そして上級生、とりわけ公式戦経験者の役割は必然として大きくなる。WTB長野直樹(社4)は言う。
「リーグの雰囲気自体が無知な選手が多い。知っている人間がどれだけ導けるか」
むかえた緑川組の初陣。若き闘士はいかなる胸中でピッチに立ったのか。
【初陣】
10月10日、近鉄花園ラグビー場。関西大学Aリーグが幕を開けた。近づく試合開始にむけ、選ばれし朱紺の闘士たちが戦闘態勢を整える。その顔ぶれは『花園経験組』と『花園初体験組』に分かれる。試合前、主将・緑川昌樹(商4)は「がむしゃらに楽しんでやれ!」とフレッシャーズに言ったという。そして藤原は周囲からこう言われて心が安らいだ。「グラウンドに立ってしまえば一緒やろ」。
藤原の邂逅。「控え室が一番緊張した。入ったときに観客も多くてビックリして。試合前、緊張しました。でもグラウンド立ったら」。次第に落ち着きが顔をのぞかせてきた。だからこそ「はやくボール持って落ち着こうと。けっこう早めにボールもらえて、安心したんで。そのあとも何回かボール持って」
藤原自身は平常心を取り戻していた。一方でチームは細かなミスから流れをつかめない。風下もあいまって、キックも上手くはまらない。そんな苦しい状況にも、スタンドからの歓声は飛ぶ。そのとき藤原は確かに耳にした。
「走れッ!」
誰が言ったかは分からない。けれどもそのゲキが聞こえたとき、藤原のスイッチは入った。走らなあかん―。
ここ最近消極的なムードが続いた藤原だったが、先輩の「がんがんいけ」という喝に奮い立たされ、ゲーム中の声援に後押しされた。
「積極的にいけた。いつもよりは体はれたかな。このゲームがバネになって、次につながるんじゃないかと」
やがて勝利を収めた開幕戦を終え、プレッシャーをはねのける強さを手にした藤原がそこにはいた。
【抜擢】
経験値をはじきだせば藤原はレギュラーのなかでも低い部類に入るだろう。高校はラグビー有名校ではない。「(関学で)やっていけるんかな」という不安もあった。しかしガタイの良さを買われ、2年目で抜擢された。関学の『5番・LO』に。
緑川は期待もこめて(?)、藤原を茶化す。
「関学の『5番』や言うたら、〝人間〟じゃない人がするポジションやで」
ここ2年間で、そのポジションに座った面々を見れば言わずもがな。鵜川慎之介(経卒)、松川太郎(経卒)のビッグマンたち。そのラインナップに今シーズン、藤原慎介の名が新たに加わる。■
(記事=朱紺番 坂口功将)
『スピリッツ』vol.21
投稿日時:2010/10/11(月) 14:55
ついに始まった関西リーグ。3連覇を懸けて臨んだ関学は、去年からの大幅なサイズダウンや周囲からの期待などの逆境を打ち破り、見事立命大を21―15で下した。この勝利は単なる一勝ではない。今後の快進撃を予感させる値千金の大金星であった。

【出陣の時】
ついにこの時がやってきた。待ちに待ったリーグ戦、初戦の相手は関学と相性の悪い立命大。3連覇へ勢いを付けるためにも負けは許されない。奮起したのはナンバー8小原(人3)だった。
「走ってタックルしてトライしたい」。試合前、小原はそう意気込みを語った。試合開始早々、立命大に先制トライを奪われた関学。その後も自陣に攻め入られ、我慢の時間が続く。しかしリードを許したまま前半を終えられない。FWを中心に反撃を開始。モールで攻め込み関学に流れを引き戻す。そして前半31分、積極的にトライを狙っていきたいと話す小原が魅せた。ゴール前のスクラムから抜け出した小原が試合を振り出しに戻すトライ。コンバージョンキックも決まり、逆転に成功。7―5と勝ち越して前半を折り返す。
2点リードで迎えた後半。両者一歩も譲らず、一進一退の攻防が続く。敵の厳しいアタックにも屈しないディフェンスを見せる関学。そんな時、相手のミスからチャンスを手にする。そしてスピード感のあるパス回しで相手を翻弄(ほんろう)。徐々に流れが関学に傾き始める。リーグ戦初出場の選手が多い今年の関学FW。「自分が引っ張らなければ」。その思いが小原を奮起させた。後半27分、ゴール前のモールから抜け出した小原。相手をかわし2本目のトライを決める。その後もリードを保ち続け、試合終了。21―15で難敵立命大を撃破。初戦で見事白星を飾った。この日小原が決めたトライは二本。二本とも、春から力を入れて練習してきたモールとスクラムからの得点だった。
【FW勝負】
勝利を手にしたものの、ミスが目立ち、課題の残る試合となった。次に戦う相手は京産大。FW戦になる可能性が高い。FWが鍵をにぎる次戦では、鍛え抜かれたセットプレーで京産大に立ち向かう。関西3連覇を目指す、彼らの挑戦はまだ始まったばかりだ。(宮本直実)
『スピリッツ』vol.20
投稿日時:2010/10/09(土) 02:03

その『外国人部隊』には、そうそうたる顔ぶれが並んでいる。前述の春山は大舞台の経験を活かして、『4H(低く、速く、激しく、走り勝つ)』のプレーを実践。ゲームメイクを担う。村本(文3)は下級生次からレギュラー入りを果たしており、ハイレベルのプレーセンスを見せる。何よりも当たり負けしない強さは武器だ。田中(商4)は経験値の多さに加え、磨かれたアタックセンスが爆発する。一瞬のプレーで見せるスピードは他を寄せつけない。里深(教2)はチーム内でも珍しい左キッカー。レフティーが繰り出す精度高いキックが敵陣攻略の突破口を開くか。春から頭角を現してきた吉原(人2)も名乗りをあげている。アタック面ではWTBも兼任できるランで強さを見せる。掴んだ相手を離さないタックル同様に、レギュラーの座もひとたび掴めば手放すことはないだろう。
【勝ち獲るのは】
「誰が出てもおかしくない」。春山の台詞どおり、この顔ぶれは誰もがレギュラーを担いうる面々。開幕するリーグ戦では、この最もホットなポジションに注目だ。
(記事=朱紺番 坂口功将/写真提供=『関学スポーツ』)
緑川組『MOVE』特集
投稿日時:2010/10/08(金) 22:21
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