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「緑川組~MOVE~」

『スピリッツ』vol.22(裏面)

投稿日時:2010/10/20(水) 20:12

 「MOVE」をテーマに掲げている今年の関学。BKのスピードが勝利への鍵を握っている。チームを引っ張るべき存在であるはずBKが、京産大戦では不発。FWに肩を借りる結果となった。


<『スピリッツ』vol.22(裏面)>

【FWの活躍】
 FW合戦が予想されていた京産大戦。去年に比べサイズダウンした今年は、BKのスピードが鍵を握っていた。「京産大の強力FWに耐え、関学はBKの展開力で対抗し、どこまでやれるのか試したい」。大崎監督はそう話していた。しかし、実際に攻撃の主体となったのはFWだった。前半のトライはすべてFW陣によるもの。BKのキックで陣地を広げ、FWにつなぐ。FWとBKが一体となった攻撃ではあるが、FWに引っ張られる形となってしまった。しかし、後半にはWTB長野(社4)がこぼれ球から中央へ独走トライ。「トライとディフェンスが自分の役割。どんな形であってもトライを取る」と力強く語った。

【BKに期待】
 京産大から白星を奪ったものの、BKは不発に終わった。FW陣の活躍により、BK陣にもさらなる期待がかかる。スピードがウリの今年の関学。BKが攻撃の起点となれるのか。テーマである「MOVE」を象徴するのは、BKだ。スピードのあるパス回しと展開力で勝利へと導く。BKが爆発する時を待つばかりだ。(篠原沙耶)

◆硬式野球部の応援に行きました
 この日の試合後、ラグビー部の選手たちはある場所に向かった。それは、わかさスタジアム京都。野球場だ。そう、ラグビー部は試合後の疲れもなんのその、硬式野球部の関関戦の応援に行ったのだ。互いの主務の何気ない雑談から実現したこの企画。硬式野球部17年ぶりのリーグ優勝の懸かった大一番にスタジアムはおおいに盛り上がった。緑川も「体育会の横と横のつながりは大事にしたい」と語る。試合は9回二死満塁から四番・萩原(商2)の打順にまわり逆転のチャンスをつかむも、惜しくも敗れ4年生たちは引退となった。同志の無念を目の当たりにした関学ラグビー部。彼らはそういった人のためにも負けるわけにはいかないのだ。(山本大輔)

◆INTERVIEW―大崎監督
 出来る子たちだとは思っていたが、ここまで春、夏を通して自分たちに自信をつけることができないままリーグに突入して、不安はあったと思う。今日の相手は京産大、強いFWで来ることは分かっていた。だからこそ逃げるのではなく、「やられるやろうけど自分たちの実力を知る絶好の相手だと思ってやってこい」と萩井ヘッドコーチも試合前に言っていました。FWで我慢して、BKでトライを取っていく作戦だったのが、実際はFWだけでだいぶ通用したのは嬉しい誤算。選手たちの自信にもつながったと思う。 去年の『遺産』を自分たちの実力だと過信して始まった春から、だいぶまとまってきたと思う。初戦も今日も、BKが簡単に相手を抜かせてしまう場面があったのが、まだチームが若い証拠。今後はこういったプレーが命取りになるから、気を引き締めて近大戦に臨んでいきたい。