大きくする 標準 小さくする

「緑川組~MOVE~」

『スピリッツ』vol.33

投稿日時:2010/12/26(日) 03:00

 ジャイアントキリング起こせ!明日に迫った大学選手権2回戦で、関東対抗戦王者・早稲田大とベスト4をかけて対決する。これまで2年連続で敗退を喫している瑞穂の地で、今年こそは勝利を挙げるか。


<『スピリッツ』vol.33>

【リベンジ】

 各大学が実力どおりに2回戦に駒を進めた今年の選手権。初戦で福大に快勝した緑川組に次に立ちはだかるのは、関東大学対抗戦王者の早大だ。関学が関西2位に終わった翌日、こちらは劇的勝利で栄冠を手にしている。これまでのどの敵よりも強大であることは間違いない。「強いんちゃうかな!展開力あるし」と主将・緑川昌樹(商4)は印象を語る。


 チームにとっては夏の菅平合宿で大惨敗の屈辱を喫した相手。選手権の組み合わせが決まった当初から、リベンジをにらんでいた。あのときとは違う、リーグ戦を経て成長した自分たちのラグビーを存分に見せつけるのみだ。

 


【番狂わせ】

 関学第2フィールドで行なった前日の練習では、部員全員がメンバーを囲み鼓舞した。「がんばらなアカンな」と緑川が話すように、自然と闘志が湧き上がる。チーム一体となったムードで、瑞穂の地へ繰り出した。


 戦いの舞台となる瑞穂は朱紺にとって因縁の場所。これまでの2年間、そして今年同様に2回戦で、関東勢に敗れ夢果てている。〝3度目の正直〟となる今年、『関東の壁』を打ち破ってみせる。


 対抗戦王者と関西2位。下馬評は、アカクロ優位。それでも「やってみな分からんね!(大事なのは)絶対、気持ちやと思う。気持ちでどれだけやれるか」と主将は語気を強める。闘志をたぎらせ、狙うはジャイアントキリング(=大物食い)だ。


 練習が終わっても、大崎怜(商4)に付き合ってもらいスローインの練習をしていた緑川。その際ふと口にした台詞が一戦にむけての偽らざる本音。「楽しみやな」。その目は、強く輝いていた。


(記事/写真=朱紺番 坂口功将)