「緑川組~MOVE~」
『スピリッツ』vol.21
投稿日時:2010/10/11(月) 14:55
ついに始まった関西リーグ。3連覇を懸けて臨んだ関学は、去年からの大幅なサイズダウンや周囲からの期待などの逆境を打ち破り、見事立命大を21―15で下した。この勝利は単なる一勝ではない。今後の快進撃を予感させる値千金の大金星であった。
【出陣の時】
ついにこの時がやってきた。待ちに待ったリーグ戦、初戦の相手は関学と相性の悪い立命大。3連覇へ勢いを付けるためにも負けは許されない。奮起したのはナンバー8小原(人3)だった。
「走ってタックルしてトライしたい」。試合前、小原はそう意気込みを語った。試合開始早々、立命大に先制トライを奪われた関学。その後も自陣に攻め入られ、我慢の時間が続く。しかしリードを許したまま前半を終えられない。FWを中心に反撃を開始。モールで攻め込み関学に流れを引き戻す。そして前半31分、積極的にトライを狙っていきたいと話す小原が魅せた。ゴール前のスクラムから抜け出した小原が試合を振り出しに戻すトライ。コンバージョンキックも決まり、逆転に成功。7―5と勝ち越して前半を折り返す。
2点リードで迎えた後半。両者一歩も譲らず、一進一退の攻防が続く。敵の厳しいアタックにも屈しないディフェンスを見せる関学。そんな時、相手のミスからチャンスを手にする。そしてスピード感のあるパス回しで相手を翻弄(ほんろう)。徐々に流れが関学に傾き始める。リーグ戦初出場の選手が多い今年の関学FW。「自分が引っ張らなければ」。その思いが小原を奮起させた。後半27分、ゴール前のモールから抜け出した小原。相手をかわし2本目のトライを決める。その後もリードを保ち続け、試合終了。21―15で難敵立命大を撃破。初戦で見事白星を飾った。この日小原が決めたトライは二本。二本とも、春から力を入れて練習してきたモールとスクラムからの得点だった。
【FW勝負】
勝利を手にしたものの、ミスが目立ち、課題の残る試合となった。次に戦う相手は京産大。FW戦になる可能性が高い。FWが鍵をにぎる次戦では、鍛え抜かれたセットプレーで京産大に立ち向かう。関西3連覇を目指す、彼らの挑戦はまだ始まったばかりだ。(宮本直実)