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「緑川組~MOVE~」

『スピリッツ』vol.29

投稿日時:2010/12/03(金) 16:50

 決戦のとき、迫る―。翌日に天理大との優勝決定戦を控えた緑川組は今日、Aチームだけで朝練を行った。すべての準備は整った。あとは試合に勝つだけだ!



【いつも通り】
 まだ太陽すらその顔を出さない中、関学第2フィールドに22人の朱紺闘士が集った。それに加えて、試合に出場しない4年生、マネージャー・トレーナー、コーチ陣も顔を揃える。前日にジャージ渡しを済ませ、今日は調整あるのみ。選手たちは終始なごやかな雰囲気でありながらも、試合前独特の緊張感を持ってボールを回していた。そしてその後のパート練習、FWはセットプレーの確認に余念がない。またBKはタックルの精度を磨いていた。試合前だからといって変わったことはしない。〝いつも通りを〟貫くだけだ。

 「タイトなゲームになる」。誰もがそう口にする通り、今年の天理大は強い。しかし、「試合の勝敗とこれまでのリーグの試合内容はなんの因果関係もない」と萩井HCは選手を鼓舞する。自身がかつて学生だった頃、下馬評を覆して京産大を下し関西制覇に輝いたことがあるからだ。また、大崎監督もエールを送る。「このメンバーの方が(天理大より)リーグ中、しんどいことや辛いことに耐えてきた。あと80分耐えたら楽しい笑顔が待ってる」。

【最後の関西】
 主将・緑川(商4)は語る。「どうせやるんやったら、笑ってやりたい」。その顔はまさに、明日の試合を心待ちにしている一人のラガーマン。最後の関西リーグということで、人一倍思い入れは強い。

 この一年間、V3の重圧や主将としてのプレッシャーを微塵も感じさせずにやってきた。明日の試合後のインタビューでもこの男は、ただ次の勝利のみを求めるだろう。なぜなら「関西制覇」は、関学にとって「日本一」への通過点に過ぎないのだから。(山本大輔)