「小原組~ALL OUT~」 2009/11
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『朱紺スポーツ』vol.21
投稿日時:2009/11/30(月) 03:40
朱紺、関西の頂点で轟く!全勝同士の直接対決となった天理大戦。小原組は代名詞である『FW』を中心にゲームを展開し、相手を圧倒する。45-21で勝利を収め、2連覇を達成した。
▲試合終了後、グラウンドにて
[FW力、全開]
刻々と近づく、歓喜の瞬間。SO渕本(社3)がコンバージョンキックを成功すると同時にノーサイドの笛が親里の地に鳴り響く。万雷の拍手が降り注ぐなか、朱紺の闘士たちが喜びを爆発させる。関学ラグビー部が連覇を達成した。
優勝のかかった大一番で、これまで以上に自分たちの持ち味を発揮させた。「ウチのFWがどれだけ前に出きれるか」。そう大崎監督が話すように、FW陣が攻守双方で躍動。春先から作り上げてきた『縦に』押し上げる形で、天理大に迫る。得意のモールでゴールラインを割ることはかなわなかったが、ナンバー8大滝(社4)が3トライを決めるなど攻撃力で圧倒した。
そこには「必死に」戦う男たちの姿があった。関西タイトルを目前に、自分たちに足りなかったものに気づかされた。「天理戦の前までは必死さが足りんかった。ひたむきにやったら勝てるから。圧倒しようや」。そうチーム内で闘志のスイッチを入れ、試合に臨んだ。くわえて試合前のアップでは出場機会のない4回生がタックルバックを持ち、出場メンバーに気合を注入。涙を浮かべる部員もいた。そうしてチーム一丸となって、栄光を掴みにいった。
[全員ラグビー]
自分たちのラグビーを最後まで貫いたフィフティーン。試合中も声援の手を緩めなかった関学応援スタンド。天理親里という完全アウェーの状況をくつがえし、栄光の瞬間を朱紺一色に染め上げた。「学生やOB、いろんな方に連れてきてもらった。感謝の気持ちでいっぱい」と指揮官が話せば、主将・小原(社4)も「いろんな人に支えられてこれた。ありがとう」と感謝の気持ちを述べる。関学を取り囲むすべての者が願い、そして全員で掴んだ関西連覇のタイトルだった。
●【大滝 3トライ】
[活躍3トライ]
まさに『GO FIGHT!』。ナンバー8大滝(社4)が3トライの活躍をあげた。
無我夢中だった。先制するもすぐさま追いつかれた試合序盤。膠着状態のまま進んだ前半24分、敵ゴール前のスクラムから抜け出すと追加点となるトライを決めた。「むっちゃ嬉しかった」と握り締めた拳を振り上げ、喜びを表現した。
「あそこが勝負わけるところ」と振り返る大滝。それを自らの手でものにし、そこから彼のオンステージが始まった。31分に相手DFに真正面から立ち向かいインゴールを陥れると、前半終了間際にもトライ。相手の戦意を喪失させるような計3トライの活躍で前半リードに導いた。
大一番にプレーで結果を出したが、それまでに気持ちの面を前に出していた。天理戦をひかえたこの1週間、体調不良で離脱した小原の代わりに練習時はチームを牽引。「負けられへんな」と主将の穴を埋める姿勢を見せた。
[仲間とともに]
大滝の胸にある思い。それは「4回生、全員で試合に出る」というもの。FL山本真(経4)とは10年来ともに楕円球をつなぎ、そして4回生が多いFW陣のなかでプレーすることに喜びを感じている。「やってて楽しいし」。同志への思いがあるからこそ、試合でも練習でも気持ちが表れる。「ライバル同志社倒して、全勝で新しい歴史作って」と最終戦の意気込みを語る大滝。仲間とともに、歴史にその名を刻む。
●【村本 選手権に間に合わせる】
CTB村本(文2)がアクシデントに襲われた。後半にゴール前の密集のなかで膝を故障。「最後まで出たかった」と悔しさをにじませながら、担架でベンチに運ばれた。
試合では相手の同ポジションのアイセア・ハベア(日本航空二)と対峙。「あいつさえ止めれば勝てる」と試合のキープレーヤーを倒すことを考えていた。奮起するFW陣に負けないほどの、前に打ってでるプレーを見せた。
ノーサイドの瞬間は大滝におぶってもらい、歓喜の輪に参加。歩くこともままならぬ体だったが、絶望するほどのものではなく。「選手権には間に合わせて」と戦列復帰を誓った。
【『朱紺スポーツ』vol.21 ~V2ver.~】
【『朱紺スポーツ』vol.21 ~大滝ver.~】
【写真:関西学院大学体育会学生本部編集部『関学スポーツ』】
試合詳報:天理大戦
投稿日時:2009/11/30(月) 03:36
【天理大戦 試合詳報&観戦記】
▲喜びを爆発させる
この日も代名詞である『攻撃力』を爆発させた。序盤からFW陣を中心にゲームを組み立てていく関学。試合を重ねるごとにテンポが上がっていくパス回しと、ラインを超えていこうとする動き。FL西川(文4)が先制点をあげると、ナンバー8大滝(社4)がそこから3トライ。一気に天理大を突き放す。
後半に入ってからも攻撃の手が緩まることはない。スクラムや一対一で相手を圧倒し、追加点を重ねる。天理大のディフェンスを打ち砕いた。「モールで取りきれなかったことが残念。それ以外で競ったことが勝利につながった」と大崎監督は話す。
一方でディフェンス面でも奮闘。ゲームもほとんどは敵陣深くで展開され、「3本トライ取られたけど…あの位置で戦っている限りは負けることはない」と萩井HCもうなずく。攻守ともに天理大との実力差を見せつけた試合だった。
全勝対決を制し、残り1試合を残して関西制覇を決めた小原組。最終戦では同大を倒しにかかる。「次の同志社戦をしっかり勝って。関西の雄は同大というイメージあるので、それを。昨日のジュニアのリベンジも果たして」と指揮官。新たな歴史を刻んだ朱紺の闘士たちは、名実ともにナンバーワンを証明すべく、関西圏完全制圧を目指す。
『朱紺スポーツ』vol.20
投稿日時:2009/11/28(土) 22:19
決戦のとき来たる!リーグ戦第6節・天理大戦が明日に迫った。この日はAチームだけが朝からグラウンドで調整。心身ともに万全の状態で臨めるようにチーム全員で気合を入れた。視界は良好、まずは関西一の称号を掴みにいく。
[平常心で]
ジュニアチームが昼から試合を控え(対同大)、そちらの応援にいくため関学第2フィールドで朝から練習を開始したAチーム。練習メニューは試合当日のアップと同じもの。汗を流すメンバーたちの表情も、いつもと変わらない。「実感がないっていうか…いつもと同じ感じ」と小原(社4)。平常心がグラウンドに流れる。
優勝がかかった大一番にも、とりたてて意識はなく。「相手は関西一を意識してるチーム。それを圧倒するぐらいに。オレらは日本一やし」。一点の曇りなく見つめる目標がある。だからこそ、ここでつまずくわけにはいかないのだ。
主将自身は接戦になると踏んでいる。「うまいし、速いし」。それでも「相手が強ければ強くなるほど、本領発揮する。あとはベストパフォーマンスできるように気持ちいれて。(そうすれば)勝てると思う」と勝利のイメージは出来上がっている。
[意思疎通]
その白星のために、準備には余念がない。練習時のチームトークでは『コミュニケーション』の必要性を再確認した。それは小原組が永遠の課題としているもの。「アッシー(SH芦田=人2=)とフッチー(SO渕本=社3=)だけじゃなく。オレらもしゃべって話しかけて」。ミスを減らすためには、プレー中の意思疎通が何よりも大切。より正確なプレーを生み出すために、声だしを徹底していく。 朱紺の闘士たちは明日も立ちはだかる敵を粉砕し、まずは関西の頂にその名をかざす。
●【原点回帰】
あせったときは原点に返れ!接戦が予想される天理大戦。アドバイザー・横井氏の進言を小原は胸にとめた。相手の猛攻やピンチの場面になったときこそ、『強み』に返ることが大事。今年の関学のそれは『FW』だ。
「敵陣でモールとか。FWで崩す。プレッシャーかけたら絶対勝てる」。自分たちの自信ある武器が、ここ一番の頼りになる。もちろん「あせったら」というピンチの場面での話ではあるが。「あせらんで自分らのラグビーやったら」と主将は意気込んだ。
●【学内から応援の声】
練習をきりあげ、部室にもどる最中。横切った学内清掃員から「頑張ってください!期待してんで!」の声。主将も頬をゆるませた。
学内の期待もラグビー部に集まっている。「(周りも)けっこう言ってくれるし。1年のときのゼミの子とかも」と小原自身は実感している。
去り際に「良い顔してる!」とエールを送られた主将。その期待に応えてみせる。
【『朱紺スポーツ』vol.20】
※御礼 いつも小原組ブログをご覧いただきありがとうございます。部内広報紙『朱紺スポーツ』はこのたび連載20回を数えることになりました。これからも小原組の活躍をより熱く伝えていきますので、よろしくお願いします。朱紺番:坂口功将
『朱紺スポーツ』vol.19
投稿日時:2009/11/23(月) 03:53
悲願のリベンジ果たした!相手は、現世代が入学してから公式戦では一度も白星を拝んでいない立命大。今回も苦しめられる展開となったが、大滝(社4)、片岡(総4)らリザーブたちが奮起し逆転勝利をおさめる。関西2連覇へ大きく前進した。
[葛藤からの闘志]
誰よりも熱い男が因縁の相手を打ち崩した。相手リードを許す苦しい展開。リザーブ投入策で追い上げムード高まるなか、後半21分にWTB片岡が逆転トライを決める。「みんながつないでくれて、最後置くだけ。たまたま」とチームへの感謝の意をこめながら笑顔を見せた。
リーグ戦開幕からリザーブとしてAチームに名を連ねる。けれども、そこはやはりスタメンへの思いがあせることはない。前日のジュニアリーグでゲームキャプテンを務めたが、逆に葛藤が生まれた。「Bでキャプテンしてるってことは、(Aの)スタメンが厳しいんかなって。眠られへんかった」と話す。その「もやもや」をぶつけることだけを考えて試合に臨んだ。
[リベンジの一撃] 出るからには自分の役割を果たす。「激しくやってやろう」。ハーフタイム終了時からベンチを離れたところで、ひとり体を動かしウォームアップ。戦闘態勢を整え、後半16分にピッチに足を踏み入れた。逆転トライを決めたが、それ以上に自分のなかで果たしたい使命があった。 「あいつだけを見てた」。そう話す〝あいつ〟とは立命大22番の佐藤吉彦(大分舞鶴)。「相手は、最後の20分で流れ変えるほどの選手。2年前も、あいつにやられてて。絶対にやってやろう」。同じリザーブの立場として、いや関学ラガーマンとして負けるわけにはいかなかった。リベンジのイメージを固め、狙うはただひとり。そして試合終了間際には、こん身のタックルをぶちかました。やがて立命大からの公式戦勝利をあげ、個人でもチームでもリベンジを果たした。
[ストイックな男]
常に激しさ全開の片岡。「まだまだ。もっとやれる」とストイックな姿勢を見せる。自身のテーマである『勇気と感動を与えるプレー』を実現するまで、彼は楕円球を追い続ける。
【『朱紺スポーツ』vol.19】
【写真:関西学院大学体育会学生本部編集部『関学スポーツ』】
試合詳報:立命大戦
投稿日時:2009/11/23(月) 03:46
【立命大戦 試合詳報&観戦記】
▲大滝(中央)のトライに沸き上げるメンバーたち
ついに因縁の相手を下した。雨中の天理親里で行なわれた立命大戦は、やはり一筋縄にはいかなかった。そうして勝利を掴んだ瞬間、みなが笑顔をはじけさせた。
試合は開始早々から動いた。FL林(文3)のトライで関学が先制する。ペースを掴みたかったが、パスミスからインターセプトを許し不運な形で同点にされる。それでもFB小樋山(人2)やナンバー8西川(文4)のトライで追加点を重ねるも、またしてもインターセプトで失点を喫する。「自分たちがアドバンテージ得た状態で、ちょっと横ふっただけで(奪取された)」と主将・小原(社4)。どこか攻めあぐねる朱紺の闘士たちを尻目に、セットプレーで立命大は早いリスタートをしかけるなどで追撃を図る。前半は17-24と立命大リードで折り返した。
「自分たちの展開に持ち込めてなかった。そこにこだわって。敵陣に入って、しっかりプレーしよう」。入学してから公式戦ではいまだ勝ち星のない相手。ましてや昨年のリーグ戦では唯一の敗北を喫した相手だけに、苦戦には嫌な気配が漂う。しかし副将・片岡が「悲観はなくて」と話すように、落ちることなく後半へむけ気持ちを入れなおした。
後半開始すぐさま相手にPGを決められ、去年の構図が思い出されたが、今年はここからが違った。後半4分に大滝を投入。その大滝はグラウンドに入るやいなや躍動。13分にはトライを決め、追い上げムードにチームを乗せた。「すごいな…(流れを)変えてくれたんかなって」と主将もうなる。ここから再度逆転されるも、続けざまに戦線に投じられた片岡が逆転トライ。交代策がプラン通りに進み、流れを一気に引き寄せた。
そこから試合終了までの20分間は敵陣を支配。粘り強いディフェンスで相手のゲインを完璧に阻止した。
結果、46—34。逆転につぐ逆転のシーソーゲームを制し「かなり嬉しかった」と主将をはじめ、チームは笑顔を見せる。是が非でも勝ちたかった相手からの勝利の味は格別。積み重なったリベンジの思いがそうさせる。
これで5戦全勝同士で次節、天理大との決戦をむかえる。勝てば関西2連覇が決まる大一番に気合は十分。「ラグビーを楽しんで、そのうえで結果残せるように。それが一番のポイント」。もう関西の頂はすぐそこに見えている。
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