大きくする 標準 小さくする

「小原組~ALL OUT~」

試合詳報:選手権一回戦

投稿日時:2009/12/21(月) 07:07

【選手権一回戦 試合詳報&観戦記】


▲ハーフタイムの円陣


 

 紺グレからのリベンジマッチ。そこにいたのは別人のライバル。開始早々に許したワントライで、関学の応援スタンドの空気はさぞかしヒヤリとなったか。「あせったかもしれんけど、勝利を信じて戦った」と主将・小原。ただ勝利だけを目指し、小原組は自分たちのラグビーを貫く。そうして「縦に」出る形をつくりあげ、前半13分にHO緑川がトライ。同点にすると、同26分にはインターセプトから自らボールを運んだFL西川が勝ち越しトライを決めた。前半にはSH芦田が負傷したが、やがて戦列に復帰しFWをコントロールした。


 さらに追加点に成功するが、前半終了間際にトライを許しライバルの意地を見せられる。けれどもハーフタイムに小原組に浮かんでいたのは笑顔だった。


 「ラグビーは楽しいもんやから。笑顔が必要。運もこっちくるし、笑おうぜ!」


 主将を中心に円陣ではじけた笑顔は、それこそが勝利への意欲そのもの。ムードを高め、後半に臨んだ。


 そのかいあってか、後半開始からLO松川が2トライで追加点を重ねる。相手の「勝ちたい」気持ちが反撃のトライとなって表れたが、こちらの「勝ちたい」気持ちがリードをしっかりと守りきる。


 38-24で勝利し、2年連続の選手権初戦突破をはたした。


 かたや失点シーンが浮かぶ試合内容も、大崎監督は「どこを守れるか、どこを抜かれれるかを徹底してやっている。抜かれる以前のとこで、抜かれていたのが問題」と今年の関学ラグビーのスタイルからこそ割り切っている部分と課題を口にした。主将・小原も「点を取られたのは反省。何が足りんかったか。意識で変えられるとこは変えていきたい」とディフェンス面の課題に面と向き合うつもりだ。


 攻撃力は文句なし。そう言ってやまないFW陣が、次は『FWラグビー』の伝統校・明大とぶつかりあう。「BKで勝負してもいけるけど、最初はFWでまっこう勝負」と芦田は意気込んだ。小原組はいよいよ、念願の関東勢と手を合わせることになる。