「小原組~ALL OUT~」
『朱紺スポーツ』vol.22
投稿日時:2009/12/04(金) 04:17
名実ともに関西ナンバーワンへ―。無敗で連覇を達成した小原組が最終戦で〝関西の雄〟同大と戦う。もはやタイトル争いはそこになく、かけるのは互いの威信のみ。その関西リーグ最後の戦いで、小原組には「やり残したことがある」のだ。
▲使命を果たすべく、戦いに臨む
[関西の頂点へ]
関西2連覇は、まさに新時代の到来をつげたようであった。春から作り上げた『FWラグビー』は代名詞になりつつある。その武器で、ことごとく立ちはだかる関西の猛者を倒してきた。だが関西タイトルを取った天理大戦の試合後、指揮官たちは部員たちに話した。「やり残したことがある」と。
2連覇は通過点なのは言わずもがな、目標はかねてからの日本一だ。けれども最終戦を残して、まだそちらを見ることはならない。チームには課せられた使命がある。萩井HCは話す。
「チームとして、見ている人に『夢と感動を与えるプレー』を。それが関西ではやりきれていない」
これまでも副将・片岡(総4)が口にしてきた『夢と感動を与えるプレー』。それは関学ラグビー部の至上命題でもある。「見てくれる人、小中学生や高校生が将来入りたいと思えるようなチームに」(萩井HC)なるために、全力プレーを見せる。そのプレーが将来の関学ラグビー部へとつながるのだ。
むろん勝ち負けにこだわらないわけではない。全勝優勝は小原組の強さを示す何よりの結果になる。その最後を飾る相手が、同大ともなればなおさらだ。
大崎監督も「次の同志社戦があるので、もう一回」と締めたのち、打倒同大へ意欲を見せた。「『〝関西の雄〟は同志社』というイメージがあるので、それをくつがえしたい」。
『夢と感動を与えるプレー』を実現させ、同大を下し、名実ともに関西の頂点に君臨する。新時代への橋がけ、それこそが小原組にとって関西で果たすべき役目。シナリオは出来上がっている。
●【萩井HC 母校と対戦】
萩井HCにとって母校と戦うこととなる。けれども「全然複雑な気持ちないよ!よく聞かれるけど」と話す。
チームの成長を願っている。「関西であれば、同志社と関学が切磋琢磨するような環境に作ってあげれば」。関西の雄に匹敵するチームに作り上げることが目標。もちろん同大戦は特別な意識を持つ。
「自分の気持ちが変わるよりも、同志社に対しては選手に気持ちを変えてあげたいな、と。意識する気持ちを持つように選手には伝えている」。
今シーズン、朱紺が関西の頂点に輝き、紺グレは早々と優勝戦線から離脱した。来年からはどうなる―?。そうなったとき、萩井HCがライバルとしての同大の成長を願うときがくるかもしれない。
【『朱紺スポーツ』vol.22】