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「小原組~ALL OUT~」 2009/11

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『朱紺スポーツ』vol.18

投稿日時:2009/11/15(日) 04:36

【FWで京産大を下す】

 FW合戦に勝利!京産大との一戦は読みどおり、FW同士がぶつかりあう展開に。そのなかでLO松川(経4)の3トライ、HO緑川(商3)の4戦連続トライで攻撃力を爆発させ、4連勝を飾った。課題はすぐさま修正し、栄光への階段を一気に駆け上がっていく。


▲4戦連続トライを決めたHO緑川

[松川 3トライ

 「今日は調子良くて」。その言葉どおり、松川が大暴れした。試合開始早々に失点を許すも「一本くらいくれてやるか」と切り替え、攻撃に撃ってでる。同点弾を決めると、次には相手DFに真正面から当たりにいき突破。インゴールを陥れた。35分にもトライを決め、前半だけで3トライの大活躍を見せた。


 いつも以上に気持ちの入ったプレーにはわけがある。この日スタンドには、家族の姿が。「祖父と祖母と父と母と。長崎から見にきてくれたんで、気合入った」。見つめる家族を前に、ハッスルプレー全開で勝利に貢献した。


 松川の象徴でもあった甲冑のようなヘッドギアが壊れたため、この日から泣く泣く白色のものを装着している。けれども、松川の闘志に変わりはない。副将・片岡(総4)から『和製イオンギ』と称される男が、FW陣の中心で大爆発する。


【緑川 反省も4戦連続トライ】

 

 試合後、開口一番出てきたのは「今日は全然」だった。スローインでは自らのミスも目立った一方で、相手に研究されている現状を打破できていないことに苦い顔。「(研究されていて)しんどいスね。もっと考えんと。挑戦者のラグビーを」。横綱相撲とはいかないセットプレー面での変革を訴えた。


 それでも自身はこの日もトライを決め、開幕から4戦連続をマーク。「みんなのおかげで。チームが勝てば、それはそれで」。得点記録を気にかけることなく、残り3連戦へむけ気合を入れた。「技術云々よりメンタル。弱音吐かんと、成功するイメージを持って」。反省した分は、これからのプレーに還元していく。


【『朱紺スポーツ』vol.18】



【写真:関西学院大学体育会学生本部編集部『関学スポーツ』】

試合詳報:京産大戦

投稿日時:2009/11/15(日) 04:31

【京産大戦 試合詳報&観戦記】


▲FW合戦に勝利する


 「第4戦、場所は宝が池」-。どうにも昨年の苦い思い出が思い出されるシチュエーション。「そういう状況でやれるのも、関学の使命」と主将。


 因縁漂う宝ヶ池で、試合開始早々、失点を喫してしまう。「相手が強いとかよりも、(関学の)入り方が悪くて」と話すはLO松川(経4)。昨シーズンを思い起こさせる雰囲気が生じたが、朱紺の闘士たちは意にも介してなかった。攻撃に転じるや、FW戦法で京産大の十八番に真正面からぶつかっていく。松川の2トライで逆転すると、26分にはモールで押し上げインゴールを割り、攻撃力の高さを存分に見せつけた。加えてスクラムの面では相手のお株を奪うほどの出来。春の対戦では、ほころびの部分だっただけに確かな成長をうかがわせた。


 そうして後半も攻撃の手を緩めることなく、次々とトライを重ねていく。FL西川(文4)、WTB長野(社3)らトライゲッターらが揃い踏み、大差をつけての勝利となった。


 終わってみれば失点は最初の1本のみ。しかしそれも、上位校との対戦ではあだになるだけに「改善点」として落とし込んでいく。ノーサイドの直後には、フィールドの真ん中で円陣を組み、反省点を確認するなど、まだまだ満足など出来ない。「(チームが)この1戦にかけてくれてて、勝てたことは良かった。あと3連戦、精度とか高めてやっていけたら」(小原)。宝ヶ池のジンクスを振り払い、次節の立命大戦では「公式戦初勝利」をもぎとりにいく。

インタビュー『“闘”率する者。』FW編

投稿日時:2009/11/14(土) 00:14

 FW、BKそれぞれに配されたプレーヤーたちを率いる者たちがいる。各パートーリーダーに聞く、胸にある思い。インタビュー『“闘”率する者』、後半はFKリーダー編として岡本隆太郎、西川征克に話を聞いた。



 


まずFWリーダーに就任した経緯を教えてください

岡本(以下、O)「みんなでミーティングして。部員増えてるから、リーダーの数を増やそうと。オレがフロントローでリーダー、征克がバックローで」

西川(以下、N)「萩井コーチから決められたなかにいて、学年で話し合ったのと自分でも貢献したい気持ちあって」


シーズン初め、リーダーとしてどのような構想が頭には

O「スクラム。一番負けたらあかんところだから強化して。体重増やしたりして。フロントローのサイズはだいぶアップして」

NFWが4回生がいっぱいおって、下がそこについていってくれたらいいかなって感じを」


難しかった点をあげるなら

O「春は、内容とか何をしていいのか難しくて。どうやったらまとまっていくかとか

N「ん別にないんやけど、バラオ(小原正=主将=)とかショウ(片岡将=副将=)への負担は大きかったのがあかんかったかなって」


フィットネスの向上を部全体として図った

O「春に比べたらだいぶ上がって。また、今はフィットネス強化期間(11月上旬)」

N「(現時点で)もうちょい走れなあかんとこあるけど、自分自身は春よりは走れるイメージあって。順調にきてる」


―FW陣の成長を感じるときは

O「スクラムも良くなっている。まだまだだけどね。モールも試合で通用してるし」

N「4回生が多いのもあるけど、FWがゲームで引っ張っていこうっていう。(リーグ戦では)今は下部としか試合やってないけど、FWで優位に立っているのは良いとこだと」


逆に課題をあげるとすれば

O「もっとスクラム取れるように。相手ボールでも押せるように。モールも格上の相手なったら、どうなるか分らんから」


スクラムはこれまでにどれくらいの量をこなした

O「春は3000本。それで土台作って、いまは本数じゃなくて集中して良いスクラムを組めるよう」


一方、今年の関学は〝FWラグビー〟という見方がある。得点をあげているアタック面に関して

NFWはモールが今年はうまいこと仕上がっている。BKにしろFWにしろミスが目立っているから、そこを直せば、自分たちのプランどおりのプレーが出来る」


今シーズンで〝FWラグビー〟色が濃くなったのには何か要因が

N「いや。ラグビーでFWが優位に立たなBKも活かせへんし、そういう部分で得点力も上がるんちゃうかなって思う」


メンバーをみるとFWは4年生が主体になっている。やりやすさなど感じたり

O「何よりやってて楽しいし、嬉しいし。試合とかしてても楽しい。バラオとかショウとかしっかりしてるから、支えられてる」

N「信頼してる部分あるし、試合では頼りになる」


4回生として、リーダーとして、自分のなかでこれまでより変わった点があるなら。プレー面でも精神面でも

O「なったからといって、やることが変わったというのは特に無くて。スクラムとモール、ブレイクダウンといった自分のやるべき仕事をきちんと。それが一番、チームに貢献することになるかな」

N「プレーではタックルいって、体はろうって感じになったと思う。意識はそんなに変わらないけど、最終的にやってきて良かったと思えたら」


リーグ戦のスケジュールが変則。大産大戦後も数週間空く

O「空いてる間を無駄にせず、この期間でもスクラムを成長していければ」


これまでの3連戦を振り返って

O「スクラムに関して言うと、摂南大はちょっとうまくいかなかったし大体大、大産大は修正できた。こっから相手強くなって、気を引き締めて」

N「得点としては取れてる。そのぶん、取られてる。ディフェンスで前出て、リズム乗っていけるように」


次の京産大戦はますますFW戦になる

O「スクラムで勝負したい」


では最後に意気込みを

O「まずは関西制覇して、バラオを日本一のキャプテンに!必死に挑戦者の気持ちで頑張っていきたい」

N「あと4戦、どこが勝ってもおかしくない混戦。そのなかで、チームに貢献して2連覇を達成できるように頑張っていきたいと思います!」

 


■岡本隆太郎(おかもと りゅうたろう)/社会学部4年生/國學院久我山高/PR/170㌢、112㌔/今年度、FWリーダー。チーム随一のボリュームを誇る肉体で関学スクラムを引っ張る

■西川征克(にしかわ まさかつ)/文学部4年生/東海大仰星高/FL、No.8/181㌢、99㌔/今年度、FWリーダー。抜群の攻撃力と突破力を活かし、インゴールを陥れる


◆それぞれの闘志を胸に、彼らリーダーたちがチームを闘率する◆

インタビュー『“闘”率する者。』BK編

投稿日時:2009/11/09(月) 14:57

 FW、BKそれぞれに配されたプレーヤーたちを率いる者たちがいる。各パートーリーダーに聞く、胸にある思い。インタビュー『“闘”率する者』、前半はBKリーダー編として田中健太、畑中崇志に話を聞いた。




BKリーダーに就いた経緯を教えて下さい

田中(以下、T)「自分でもやってみたいという気持ちあって。あと後輩に言うこと聞かへん子が多かったので、それをちゃんとさせられるように。自分なら、と」

畑中(以下、H)「去年1軍とかじゃ出てないのが悔しくて試合後の自主練もけっこうやってて。そういうところをみんな見てて、まじめに取り組んでいるところを推してくれて選ばれた感じ」


BKリーダーとして1年をむかえるに当たって、どのような構想を

T「ディフェンスの強いチームにしたくて。オフェンス能力の良い子は多いから、ディフェンスも出来てオフェンスも出来るBKにしたいと」

H「ほとんど一緒やけど春はアタックするゾーンを自陣に下げてみたり、チャレンジしてきた感じで。体をでかくしたぶん、アタック面をチャレンジしていこうと」


体をでかく、と。フィットネス向上の効果は

T「慶應戦(5月10日)で走れず。けど接点では負けてなく。上手さとかの差はあったけど、コンタクトで不安はなかった」

H「体を大きくしてからは、しっかりセットプレーすることも出来て、プレーに幅が出来た」


BK陣で成長したと感じる点があれば

T「春と比べて、しぼれてきた。スピードついてきて、良いアタックが。ディフェンスもヒットの部分が強くなっている」

H「まだまだ未完成やけど、アタックで立ってプレーしてる。BKのなかでも、ゲインラインを越していく意識が」


逆に課題をあげるなら

T「大産大もつなぎのミス多くて。そこをBKはミスしないことを。タックルでも、仕留めるとこで終わってるから、フィニッシュまで」

H「FWが強くなってきてるなかで、ミスが多いのがBK。ディフェンスでも去年の方が良いと言われてるし。コミュニケーションとか積み上げていく課題はまだまだある」


4回生になって、リーダーになって。自分たちのなかで変わったと思う点があれば。プレーでも精神面でも

T「毎年4回生は体はってる。4回生は本当に頑張っていると後輩にも見せなあかん。自分も頑張らなあかんなって」

H「練習でも試合でも。空気作っていくのが4回生。甘さが出ないように。4回生になって、しんどさ、凄さを初めて分かった」


リーダーとして難しかった点は

T「後輩たちのモチベだったり、コーチ陣との食い違いを解消するのが難しかったかな」

H「去年結果出しただけあって、求められるハードル高くて。BKに関しても、やりたいことが伝わらなくて、いろいろと問題出てきたり」


どう解決した?

T「4回生で話し合ったり、先輩に相談したりで。話し合いを良くしたらいいと」

H「BKの子らに、メニューとか案を出してもらったり。少ない人数やけど、話し合いながら解決を」


FWに比べて4回生の数がBKは少ない

T「心細い(笑)。4回生がいれば安心感になるから、やっぱり必要な存在だと」

H「ぼく自身は(試合に)出れてないんスけど、BKに4回生がいる方が、FWも信頼できるから。もっと頑張らないとって」


今年の関学は〝FWラグビー〟という見方がある。BKリーダーとして、BK陣の奮起は

T「BKで展開して、どんどんボール触って両WTBにトライ取らせてやりたい」

H「CTBも強いプレーヤーおって、WTBも展開力ある選手がいる。関学はBKのチーム、そういうのを取り戻したい」


練習ではポジションに関係なくキックの練習をしている

T「そうですね。キックが出来れば、Aチームに上がれる」

H「ディフェンスとゲームマネージメントはキックを使っていくのが中心。どのポジションにも必要だなと」


キックといえばOBの高橋さんがコーチとして指導している。どんなアドバイスをもらって

T「空気がふわふわしてたら、茂太さんから喝をもらったり。年が近いぶん、こうした方がいいよ、とか。(プレー面も)茂太さんは出来たから、影響ある」

H「練習中の空気ゆるんでたら、締めてくれる。試合前に『命はる』のがあの人だから、もっともっと4回生は体はらないとな」


リーグ戦も半分を消化。大産大戦ではBK陣が解禁された。第3戦を振り返って

T「ちょっとはBKも出来るようになったかな。けど、上にはまだ攻撃は通用しないかな」

H「前半は変に振ったりしてミス。後半はしっかり出来て、序々にうまくいくかなって」


試合のとき、お互いプレーする側と見る側でいる。どのような気持ちで試合に

T「4回生が一人しかいないから4回生の気持ちに応えようと。『前に出るディフェンス』をやり遂げよう。代表として頑張ろうと」

H「アップとかは、タックルバック持ちを。リーダーとしてみんなを100パーセントで試合に出す。出たい気持ちあるし葛藤あるけど。

 後輩が若い学年多いからしっかり気持ち作っていけるように。ウォーター係とかでグラウンドにいて、声をかけるように」


では最後に。関学ラグビー部を応援する人たちに一言お願いします

T「まずは関西制覇して。とりあえず負けないように一戦一戦勝ち進むので、よろしくお願いします!」

H「目標は日本一。妥協せずに取り組んでいきたい。応援よろしくお願いします!」



■田中健太(たなか けんた)/商学部4年生/大阪工大高/CTB/175㌢、95㌔/今年度、BKリーダー。心身ともに「まっすぐに」突き進むプレーで牽引する

■畑中崇志(はたなか たかし)/社会学部4年生/兵庫県立御影高/SO/172㌢、80㌔/タックルとキックを持ち味にフィールドで躍動する


◆パートリーダー・インタビュー『“闘”率する者』後半、FWリーダー編、後日公開◆


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