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「小原組~ALL OUT~」

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『朱紺スポーツ』vol.19

投稿日時:2009/11/23(月) 03:53

【片岡 リベンジ果たす〝ショウ〟タイム!!】

 悲願のリベンジ果たした!相手は、現世代が入学してから公式戦では一度も白星を拝んでいない立命大。今回も苦しめられる展開となったが、大滝(社4)、片岡(総4)らリザーブたちが奮起し逆転勝利をおさめる。関西2連覇へ大きく前進した。


▲タックルをかます♯22片岡(後ろはLO松川、右はナンバー8西川)

[葛藤からの闘志

 誰よりも熱い男が因縁の相手を打ち崩した。相手リードを許す苦しい展開。リザーブ投入策で追い上げムード高まるなか、後半21分にWTB片岡が逆転トライを決める。「みんながつないでくれて、最後置くだけ。たまたま」とチームへの感謝の意をこめながら笑顔を見せた。


 リーグ戦開幕からリザーブとしてAチームに名を連ねる。けれども、そこはやはりスタメンへの思いがあせることはない。前日のジュニアリーグでゲームキャプテンを務めたが、逆に葛藤が生まれた。「Bでキャプテンしてるってことは、(Aの)スタメンが厳しいんかなって。眠られへんかった」と話す。その「もやもや」をぶつけることだけを考えて試合に臨んだ。


[リベンジの一撃

 出るからには自分の役割を果たす。「激しくやってやろう」。ハーフタイム終了時からベンチを離れたところで、ひとり体を動かしウォームアップ。戦闘態勢を整え、後半16分にピッチに足を踏み入れた。逆転トライを決めたが、それ以上に自分のなかで果たしたい使命があった。


 「あいつだけを見てた」。そう話す〝あいつ〟とは立命大22番の佐藤吉彦(大分舞鶴)。「相手は、最後の20分で流れ変えるほどの選手。2年前も、あいつにやられてて。絶対にやってやろう」。同じリザーブの立場として、いや関学ラガーマンとして負けるわけにはいかなかった。リベンジのイメージを固め、狙うはただひとり。そして試合終了間際には、こん身のタックルをぶちかました。やがて立命大からの公式戦勝利をあげ、個人でもチームでもリベンジを果たした。


[ストイックな男

 常に激しさ全開の片岡。「まだまだ。もっとやれる」とストイックな姿勢を見せる。自身のテーマである『勇気と感動を与えるプレー』を実現するまで、彼は楕円球を追い続ける。


【『朱紺スポーツ』vol.19】



【写真:関西学院大学体育会学生本部編集部『関学スポーツ』】

試合詳報:立命大戦

投稿日時:2009/11/23(月) 03:46

【立命大戦 試合詳報&観戦記】


▲大滝(中央)のトライに沸き上げるメンバーたち


 ついに因縁の相手を下した。雨中の天理親里で行なわれた立命大戦は、やはり一筋縄にはいかなかった。そうして勝利を掴んだ瞬間、みなが笑顔をはじけさせた。


 試合は開始早々から動いた。FL林(文3)のトライで関学が先制する。ペースを掴みたかったが、パスミスからインターセプトを許し不運な形で同点にされる。それでもFB小樋山(人2)やナンバー8西川(文4)のトライで追加点を重ねるも、またしてもインターセプトで失点を喫する。「自分たちがアドバンテージ得た状態で、ちょっと横ふっただけで(奪取された)」と主将・小原(社4)。どこか攻めあぐねる朱紺の闘士たちを尻目に、セットプレーで立命大は早いリスタートをしかけるなどで追撃を図る。前半は17-24と立命大リードで折り返した。


 「自分たちの展開に持ち込めてなかった。そこにこだわって。敵陣に入って、しっかりプレーしよう」。入学してから公式戦ではいまだ勝ち星のない相手。ましてや昨年のリーグ戦では唯一の敗北を喫した相手だけに、苦戦には嫌な気配が漂う。しかし副将・片岡が「悲観はなくて」と話すように、落ちることなく後半へむけ気持ちを入れなおした。


 後半開始すぐさま相手にPGを決められ、去年の構図が思い出されたが、今年はここからが違った。後半4分に大滝を投入。その大滝はグラウンドに入るやいなや躍動。13分にはトライを決め、追い上げムードにチームを乗せた。「すごいな(流れを)変えてくれたんかなって」と主将もうなる。ここから再度逆転されるも、続けざまに戦線に投じられた片岡が逆転トライ。交代策がプラン通りに進み、流れを一気に引き寄せた。


 そこから試合終了までの20分間は敵陣を支配。粘り強いディフェンスで相手のゲインを完璧に阻止した。


 結果、46—34。逆転につぐ逆転のシーソーゲームを制し「かなり嬉しかった」と主将をはじめ、チームは笑顔を見せる。是が非でも勝ちたかった相手からの勝利の味は格別。積み重なったリベンジの思いがそうさせる。


 これで5戦全勝同士で次節、天理大との決戦をむかえる。勝てば関西2連覇が決まる大一番に気合は十分。「ラグビーを楽しんで、そのうえで結果残せるように。それが一番のポイント」。もう関西の頂はすぐそこに見えている。

『朱紺スポーツ』vol.18

投稿日時:2009/11/15(日) 04:36

【FWで京産大を下す】

 FW合戦に勝利!京産大との一戦は読みどおり、FW同士がぶつかりあう展開に。そのなかでLO松川(経4)の3トライ、HO緑川(商3)の4戦連続トライで攻撃力を爆発させ、4連勝を飾った。課題はすぐさま修正し、栄光への階段を一気に駆け上がっていく。


▲4戦連続トライを決めたHO緑川

[松川 3トライ

 「今日は調子良くて」。その言葉どおり、松川が大暴れした。試合開始早々に失点を許すも「一本くらいくれてやるか」と切り替え、攻撃に撃ってでる。同点弾を決めると、次には相手DFに真正面から当たりにいき突破。インゴールを陥れた。35分にもトライを決め、前半だけで3トライの大活躍を見せた。


 いつも以上に気持ちの入ったプレーにはわけがある。この日スタンドには、家族の姿が。「祖父と祖母と父と母と。長崎から見にきてくれたんで、気合入った」。見つめる家族を前に、ハッスルプレー全開で勝利に貢献した。


 松川の象徴でもあった甲冑のようなヘッドギアが壊れたため、この日から泣く泣く白色のものを装着している。けれども、松川の闘志に変わりはない。副将・片岡(総4)から『和製イオンギ』と称される男が、FW陣の中心で大爆発する。


【緑川 反省も4戦連続トライ】

 

 試合後、開口一番出てきたのは「今日は全然」だった。スローインでは自らのミスも目立った一方で、相手に研究されている現状を打破できていないことに苦い顔。「(研究されていて)しんどいスね。もっと考えんと。挑戦者のラグビーを」。横綱相撲とはいかないセットプレー面での変革を訴えた。


 それでも自身はこの日もトライを決め、開幕から4戦連続をマーク。「みんなのおかげで。チームが勝てば、それはそれで」。得点記録を気にかけることなく、残り3連戦へむけ気合を入れた。「技術云々よりメンタル。弱音吐かんと、成功するイメージを持って」。反省した分は、これからのプレーに還元していく。


【『朱紺スポーツ』vol.18】



【写真:関西学院大学体育会学生本部編集部『関学スポーツ』】

試合詳報:京産大戦

投稿日時:2009/11/15(日) 04:31

【京産大戦 試合詳報&観戦記】


▲FW合戦に勝利する


 「第4戦、場所は宝が池」-。どうにも昨年の苦い思い出が思い出されるシチュエーション。「そういう状況でやれるのも、関学の使命」と主将。


 因縁漂う宝ヶ池で、試合開始早々、失点を喫してしまう。「相手が強いとかよりも、(関学の)入り方が悪くて」と話すはLO松川(経4)。昨シーズンを思い起こさせる雰囲気が生じたが、朱紺の闘士たちは意にも介してなかった。攻撃に転じるや、FW戦法で京産大の十八番に真正面からぶつかっていく。松川の2トライで逆転すると、26分にはモールで押し上げインゴールを割り、攻撃力の高さを存分に見せつけた。加えてスクラムの面では相手のお株を奪うほどの出来。春の対戦では、ほころびの部分だっただけに確かな成長をうかがわせた。


 そうして後半も攻撃の手を緩めることなく、次々とトライを重ねていく。FL西川(文4)、WTB長野(社3)らトライゲッターらが揃い踏み、大差をつけての勝利となった。


 終わってみれば失点は最初の1本のみ。しかしそれも、上位校との対戦ではあだになるだけに「改善点」として落とし込んでいく。ノーサイドの直後には、フィールドの真ん中で円陣を組み、反省点を確認するなど、まだまだ満足など出来ない。「(チームが)この1戦にかけてくれてて、勝てたことは良かった。あと3連戦、精度とか高めてやっていけたら」(小原)。宝ヶ池のジンクスを振り払い、次節の立命大戦では「公式戦初勝利」をもぎとりにいく。

インタビュー『“闘”率する者。』FW編

投稿日時:2009/11/14(土) 00:14

 FW、BKそれぞれに配されたプレーヤーたちを率いる者たちがいる。各パートーリーダーに聞く、胸にある思い。インタビュー『“闘”率する者』、後半はFKリーダー編として岡本隆太郎、西川征克に話を聞いた。



 


まずFWリーダーに就任した経緯を教えてください

岡本(以下、O)「みんなでミーティングして。部員増えてるから、リーダーの数を増やそうと。オレがフロントローでリーダー、征克がバックローで」

西川(以下、N)「萩井コーチから決められたなかにいて、学年で話し合ったのと自分でも貢献したい気持ちあって」


シーズン初め、リーダーとしてどのような構想が頭には

O「スクラム。一番負けたらあかんところだから強化して。体重増やしたりして。フロントローのサイズはだいぶアップして」

NFWが4回生がいっぱいおって、下がそこについていってくれたらいいかなって感じを」


難しかった点をあげるなら

O「春は、内容とか何をしていいのか難しくて。どうやったらまとまっていくかとか

N「ん別にないんやけど、バラオ(小原正=主将=)とかショウ(片岡将=副将=)への負担は大きかったのがあかんかったかなって」


フィットネスの向上を部全体として図った

O「春に比べたらだいぶ上がって。また、今はフィットネス強化期間(11月上旬)」

N「(現時点で)もうちょい走れなあかんとこあるけど、自分自身は春よりは走れるイメージあって。順調にきてる」


―FW陣の成長を感じるときは

O「スクラムも良くなっている。まだまだだけどね。モールも試合で通用してるし」

N「4回生が多いのもあるけど、FWがゲームで引っ張っていこうっていう。(リーグ戦では)今は下部としか試合やってないけど、FWで優位に立っているのは良いとこだと」


逆に課題をあげるとすれば

O「もっとスクラム取れるように。相手ボールでも押せるように。モールも格上の相手なったら、どうなるか分らんから」


スクラムはこれまでにどれくらいの量をこなした

O「春は3000本。それで土台作って、いまは本数じゃなくて集中して良いスクラムを組めるよう」


一方、今年の関学は〝FWラグビー〟という見方がある。得点をあげているアタック面に関して

NFWはモールが今年はうまいこと仕上がっている。BKにしろFWにしろミスが目立っているから、そこを直せば、自分たちのプランどおりのプレーが出来る」


今シーズンで〝FWラグビー〟色が濃くなったのには何か要因が

N「いや。ラグビーでFWが優位に立たなBKも活かせへんし、そういう部分で得点力も上がるんちゃうかなって思う」


メンバーをみるとFWは4年生が主体になっている。やりやすさなど感じたり

O「何よりやってて楽しいし、嬉しいし。試合とかしてても楽しい。バラオとかショウとかしっかりしてるから、支えられてる」

N「信頼してる部分あるし、試合では頼りになる」


4回生として、リーダーとして、自分のなかでこれまでより変わった点があるなら。プレー面でも精神面でも

O「なったからといって、やることが変わったというのは特に無くて。スクラムとモール、ブレイクダウンといった自分のやるべき仕事をきちんと。それが一番、チームに貢献することになるかな」

N「プレーではタックルいって、体はろうって感じになったと思う。意識はそんなに変わらないけど、最終的にやってきて良かったと思えたら」


リーグ戦のスケジュールが変則。大産大戦後も数週間空く

O「空いてる間を無駄にせず、この期間でもスクラムを成長していければ」


これまでの3連戦を振り返って

O「スクラムに関して言うと、摂南大はちょっとうまくいかなかったし大体大、大産大は修正できた。こっから相手強くなって、気を引き締めて」

N「得点としては取れてる。そのぶん、取られてる。ディフェンスで前出て、リズム乗っていけるように」


次の京産大戦はますますFW戦になる

O「スクラムで勝負したい」


では最後に意気込みを

O「まずは関西制覇して、バラオを日本一のキャプテンに!必死に挑戦者の気持ちで頑張っていきたい」

N「あと4戦、どこが勝ってもおかしくない混戦。そのなかで、チームに貢献して2連覇を達成できるように頑張っていきたいと思います!」

 


■岡本隆太郎(おかもと りゅうたろう)/社会学部4年生/國學院久我山高/PR/170㌢、112㌔/今年度、FWリーダー。チーム随一のボリュームを誇る肉体で関学スクラムを引っ張る

■西川征克(にしかわ まさかつ)/文学部4年生/東海大仰星高/FL、No.8/181㌢、99㌔/今年度、FWリーダー。抜群の攻撃力と突破力を活かし、インゴールを陥れる


◆それぞれの闘志を胸に、彼らリーダーたちがチームを闘率する◆

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