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『WEB MAGAZINE 朱紺番』

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観戦記『藤原組のファイナルアンサー ~近大戦~』

投稿日時:2012/11/30(金) 01:30

 リーグ最終戦にて、たどり着いた境地。つまりは『カンガク・ウェイ』。いま、藤原組は一つの答えを導き出した。

 

■観戦記『藤原組のファイナルアンサー ~近大戦~』

 

 試合後のチームの全体集合。部員150人が集う輪に向かってマコーミックHCが前に出る。開口一番、「イエス!!」。その顔は、普段から見せる笑顔よりもさらに高陽している様子。そのわけは、やはりこの日のゲーム内容にあるだろう。11月25日、リーグ最終戦で藤原組が見せたラグビーとは。


 消沈ムードに突入しようとしていた。前半開始から許した連続トライ。相手ペースになっていたわけではない。ただ、歯車に微々たる狂いが生じていた。グラウンドコンディションとのミスマッチもあったという。しかし主将・藤原慎介(商4)が要因に挙げたのは「意思疎通」だった。ディフェンス面、とりわけ組織的な守備に関してはシーズンを通して培ってきた部分。ディフェンスにあたり「誰がどこを見るか」、そこで生じた歪みを近大に突かれた形だった。


 だが、序々に組織面での本来の動きを取り戻す。それにつれて、ボールを持つ時間帯も増えていく。チャンスをものに出来ない場面が続くが、逆襲の時はいままさに訪れようとしていた。そうして前半33分、今季大活躍のWTB畑中啓吾(商3)が、持ち味のスピードとパワーをミックスさせたプレーでインゴールを割る。トライゲッターが決めた一撃が持つ効力か。直後、攻撃に転じてBK陣がボールを前へ運ぶなか、CTB松延泰樹(商4)があわやノックオンのぽろりと思いきや、〝幸運の左足〟でチップキックの形に。インゴールへ転々とする楕円球を松延が押さえ、あっという間に同点となったのである。前半を終え、14-14の同点。反撃ムードで充たされた前半最後の10分間の好転は、残り40分間で繰り広げられる協奏曲のプロローグに過ぎなかった。



 この試合、初めてSOとして先発出場を果たした春山悠太(文4)は話した。「近大も良いディフェンスするチームで。前半はこっちが攻めて攻めて」、それでも取り切れずに、ああいう内容になったのだと。後半に臨むにあたって「やっとスイッチ入ったな、と」。前半40分のスコア上の拮抗なぞ、どこへやら。後半、怒濤のトライラッシュが幕を開けた。


 その攻撃は、相手の気力を奪い、足を止めてしまうまでのものだった。リーグ戦を通して幾多のトライを上げてきた面々が、この日も攻撃のフィニッシュを飾る。もはや得点シーンは、リプレイを見ているかのごとく、一つのパターンとして繰り出されたものだった。


 言うならば。春山は端的に述べる。「フィットネス。それが自分たちのやりたいラグビー」。グラウンドに立つ全員が攻守両方の場面で走ること。ボールキャリアーが前に出る。相手のディフェンスにより止まる。そこに走り込んでくるFW陣。ボールを確保し、態勢を整える。広がるBK陣へボールが渡る。ボールの動きとともに、展開しゴールラインまで走り切る。


 その動きが、途切れることが無いのだ。フェイズを重ねること、いやそれもあるが、40分間一時もこちらの足が止まることが、無かった。それが相手の心を折った一因だろう。


 予兆はあった。前半最後の10分間、反撃の狼煙となったプレーもまさに同じような展開だった。後半の40分間、その展開をやり続けた結果が、実に7トライという数字だったのである。このアタック面について主将はこう語る。


 「とにかく順目順目に。FWも一生懸命走って、ポイントを作って、空いたスペースにBKが働いてくれる。FWが頑張って走れば、BKがトライを取ってくれるという信頼感があります」


 FWとBKが織り成す剛柔多彩の波状攻撃。それはまるで、協奏曲の如し。FW陣も身体を張り、ときにボールを運ぶこともいとわない。最たる例は一列目の男・PR幸田雄浩(経4)だ。前節の京産大戦でも見せたように、ボールを持ち自ら突き進むシーンがこの日もあった。相手ディフェンダーとの衝突ありきのそれを〝剛〟と呼ぶならば、〝柔〟はやはりBK陣なかでもバックスリーだろう。スピード、テクニックそして強さも相まって決定力はもはや言うまでもあるまい。松延、畑中を筆頭にフィニッシャーとしての役目を存分に果たしている。



 今シーズン、新しくチームにやってきたマコーミックHCは藤原組に、彼らに見合ったスタイルを落とし込んだ。今年のチームに備える機軸。現在のラグビー日本代表を率いるエディー・ジョーンズ監督が提唱した『ジャパン・ウェイ』に倣った、『カンガク・ウェイ』なるもの。この夏の時点で、HCは言い放った。


 「1にフィットネス、2にディフェンス。3にアタックで4にコンタクト、そして5番目にセットプレー。これが『カンガク・ウェイ』になります。フィットネスは厳しく見ていて、走れないとトップチームに上がれないほどに。いまフィットネスを軽視する人は少ないです」


 とにかく、走れることをチームに求めたのである。技術や戦術よりも、動けること。メンバー選考でも、このフィットネスが重視されたという。そして、そこからチームのスタンスとして、守れることを第一に据えたのである。


 以前、主将は口にした。「走って、走って、ディフェンスして、勝つ」。春シーズンは、それらに終始した。対外試合はロースコアに持ち込むゲームプランを徹底して実践。練習時間はディフェンスの構築に費やしてきた。もとより、昨年の新里組のスタイルだったアタッキングラグビーの財産を引き継いだ点もあったが。それゆえに、攻撃面は度外視し上半期を乗り越えた。


 半年間を終えて、手応えはあったのだろう。それとも、チームの強化の工程表に組み込まれていたのか。夏からアタック面の増強に取り組んだ。秋、『カンガク・ウェイ』は、陽の目を見るところまで迫っていた。


 こうして藤原組はリーグ戦へと臨んだのである。一つの完成形を持ってして、大一番でもあった開幕戦に挑む、そのつもりだった。だが、強敵・天理大が相手だっただけに、チームはここで勝利至上主義のもと方針を変更する。主体としたのは、キックで陣地を獲得するもの。それが黒星という結果に直結したわけでは決してないが、自分たちのラグビーはなりを潜めていた。


 相手への対策を講じるばかりに、いつしか相手の土俵のなかでラグビーをしてしまうことになっていたのだ。リーグ戦の最中、チームは再度確認する。自分たちのラグビーとは、と。


 ようやく『カンガク・ウェイ』の実現がなされた。2勝2敗で迎えた11月3日の摂南大戦。順目に人とボールを動かすことを意識づけした。片鱗が見えてきた。


 続く京産大戦。ディフェンス面では課題が残る内容で相手との打ち合いになったが、80分間の最後の最後までメンバー全員が走り切った結果、大逆転勝利を収めた。


 そして、リーグ最終戦となった近大戦。後半40分間、相手に1つのトライも許すことなく、ねじ伏せた。



 何度も言おう、走れることは前提だ。ディフェンス力、それは負けない為の絶対条件だ。そしてアタック力、勝つ為の必要条件である。


 上半期を経て、藤原組はディフェンスラグビーが機軸となると思われた。試合を見てきた者は、誰もそのことを疑わなかっただろう。しかし、どうだろう。封印してきた攻撃力が加味された今のラグビーは。そう、これが進化の証、藤原組が導き出した答え、『カンガク・ウェイ』なのだ。


 面白いことに、春シーズンでは幾度とパワーあふれるトライを見せてきた主将・藤原だが、このリーグ戦で奪ったトライ数は0。それだけ、いまはBK陣を中心に攻撃的な要素がチーム全体へ万遍に行き渡っていることを意味しているのではないだろうか。


 近大戦、チームの司令塔としてボールを配球した春山は振り返った。「チームがやろうとしたことが出せたのが、嬉しかったです」。


 リーグ戦が終わり、結果として関西3位。主将は「正直、悔しいですね」と漏らした。けれども、もう間もなく全国の舞台が藤原組を待ち構えている。


 「関学のスタイルを徹底すること。今から新しいことをしても仕方がないので。精度を上げていくことで。

 どの試合も勝たなければならないのは決まっている。自分たちのラグビーが関東に通用するか、それを試せるに十分な相手。楽しみ、だと」(藤原)


 『カンガク・ウェイ』を、今こそ見せつけてくれ。(記事=朱紺番 坂口功将)

観戦記『勝利を生んだ意識統一 ~京産大戦~』

投稿日時:2012/11/16(金) 12:06

 応援するものにとっては、心休まらぬゲーム展開だった。ノーサイドへ刻々と時間が進み、黒星の影がちらついても、フィールドに立つ朱紺の闘士たちは一心に走り続けた。試合後に語った主力選手たちの言葉で解く、京産大戦の逆転勝利。

 

■観戦記『勝利を生んだ意識統一 ~京産大戦~』
 

 

 いつものことだ。ゲーム開始から、自分たちの強みを前面に押し出しての真っ向勝負でくる。その相手とは、京都産業大学。伝統的なスタイル、それすなわち強力FWの主張。これに対し、FWリーダーを務めるPR幸田雄浩(経4)は意気込んでいた。


 「(京産大は)絶対的にセットプレー、モールと自信持っていると思う。ウチが圧倒できたらと」


 開始の笛が鳴ってからのファーストプレー。敵陣に入るや、FW陣で猛進する。相手のお株を奪うかのような、意地のようにも写った縦へ縦へのボール運び。リーダーは振り返る、「FWでいくと決めてました」と。そうして開始3分、PR石川裕基(社4)がゴールポスト横にボールを叩きこみ先制点を奪った。


 その直後、FWのぶつかり合い、マイボールスクラムの場面。スタンドからの応援が響き渡る。


 『オヤジ、ガンテ、コーダたけひろさん!!』


 それは転じて相手のスクラムになっても変わらない。コマーシャルソングを模したコール。


 『押したって関学、押したって関学、関学スクラム押したって


 FWが一丸となって、対する8人と組み合う。この日の敵は、そこにいつも以上の熱が生じる相手。応援するスタンドもコール合戦を展開し、グラウンドで戦う選手たちのプレーを後押しした。そうして序盤から2トライを奪い、優位に試合は運ばれると思われた。主将・藤原慎介(商4)は振り返る。


 「入りも得点できて、良い流れで。ただ得点したことで、今日はいけるんではないか、と少し出てたのかも」

 前半20分まではFW戦でも手応えを掴み、流れをものにしていた。だが、ほんの少しの綻びが事態を変えることになる。



 

 試合の入りは確かに、FW同士が互いの力量を存分に打ち出した形だった。けれども実のところは、この試合にむけて関学が意図していたところは異なる。これまでのリーグ戦を顧みていくなかで、チームとして目指す『自分たちのラグビー』を再確認した。それは攻撃面での認識。「全員が走って順目にアタックを仕掛けていく」もの。HO金寛泰(人福2)はこう話す。


 「これまで相手の対策をし過ぎて、自分たちの形を失っていた。京産大戦は、順目にアタックするというテーマを持って。スクラムもブレイクダウンも負けたらダメなところなんで、FWとしてプライドを。相手の土俵に付き合い過ぎずに」


 FW戦を制することは、すなわちゲームを制する為の前提条件だったのだ。そうして土俵に乗るのではなく、こちらの土俵に引き込ませる展開。それを目論んでいた。だが、ささいなミスとペナルティを積み重ねた結果、自滅という名の隙を相手に与えてしまったことで、自分たちの土俵に引き込むつもりが、思いもしなかった勢いで踏み込まれることになったのである。受身になったうえ、自陣でのプレーを許すことに。京産大FBの自在な動きに翻弄され、あれよと2本のトライを奪われる。極めつけは前半のラストプレー。関学は敵ゴールライン寸前まで迫りマイボールスクラムを獲得する。しかしペナルティでみすみす相手にボールを明け渡すと、一気に外へ展開される。不意をつかれたか、油断したのか。ディフェンスの整備もままならず、3本目のトライを決められた。


 相手につけいる隙を与えてしまったこと。加えて敵の土俵とは異なる部分で勝負を持っていかれた事実。嫌なムードは存在した。この状況でチームはハーフタイムをいかに過ごしたのか。CTB春山悠太(文4)は明かす。


 「前半リードされて折り返して。『焦らないこと』そして『落ちない』ことを徹底してやろう、と。どの時間帯であっても、ミスがあったとしても。焦らず前を向いていく。シンプルなことを、チームのなかで意識統一させました」


 ゲームが破綻しかねない状況において、成された意識の統一。たとえ、どんなに追い込まれても、戦い抜く姿勢は出来上がった。こうして激動の後半が始まった。



 仕掛けたのは関学。後半7分、WTB畑中啓吾(商3)がPGで点差を詰め寄ると、続けざまに同じくWTB金尚浩(総政2)がトライを決め逆転に成功する。攻撃ではパスワークでミスを犯しても、相手スクラムでスクラムホイールを決めるなど、流れを取り戻そうとした。だが、それでも京産大は前半からのモメンタムを手放そうとはしない。一進一退の攻防が続くなか、後半20分に再度逆転を許すと26分にもトライを決められる。点差は11点、試合は残すところ10分と少しとなっていた。


 この場面、さすがにグラウンドもスタンドも焦燥感が蔓延していた。無理もない、2トライ以上の差がそこにある。ただ、フィールドの選手たちは焦りもあったが、それだけに支配されていたわけではなかったようだ。

 「焦ったけど僕よりも周りの下級生の部員たちの表情があまりにも焦り過ぎてて。どんな焦ってんねんや!と(笑)。すごい不安そうにしてました。そこは4回生で声かけて、立て直したいと」


 そのときのチームトークの様子を主将は笑い飛ばす。焦ってない、と言えば嘘になる。けれども、焦らずに前を向こう。ハーフタイムで留めたその気持ちがあったからこそ、たとえ2トライ差をつけられたこの状況でもチームに影が落ちることはなかった。「チーム全体が前向きやった」。春山はそう語った。


 残る時間はわずか。関学はリザーブを全員投入し、再度突き進む。疲労の少ないフレッシュな風が運ばれてくる。フィールドに立つメンバーが変わっても、チームとして意識することは変わらなかった。ずばり、『自分たちのラグビー』を貫くということは。


 試合は残り10分を切った。足を止めず走りに走り、順目に展開、かつ丁寧にボールをつなぐ。まずは一本、最後はナンバー8中村圭佑(社2)がトライを決める。この時間帯、BKFWも、いやそうして表現を分けるのもはばかれるほどに選手たちはフィールドを駆け回った。その姿は、まさに『自分たちのラグビー』そのもの。春から磨いてきてもの、リーグ戦では潜ませていたスタイル。


 となるとフィニッシャーは、やはりこの男だ。CTB松延泰樹(商4)が弾丸のような走りで相手ゴールを陥れる。「相手のディフェンスが俊輝(水野=人福2=)に詰めてたのが見えて。あとは覚えてないけど、がむしゃらにトライ取りにいきました」。残り4分、逆転に成功した。「まだ、ほっとはしてなかった。とりあえず、といったところで焦りはありましたし。京産大の流れはあったんで」と松延。この時点で点差はまだ安全圏にない。かの同志社大を下した京産大の持つ、乗せてしまった際の勢いは最後まで警戒せねばならない。「キープではなく、ボール動かそう」と。チームトークで、攻めの姿勢を崩さないという意識統一を図った。



 それからは圧巻だった。試合終了までの数分間。ほんの10分ほど前まで漂っていた、ひっ迫感など微塵も感じさせない活き活きとした姿を見せる。春山が追加点を上げ、引き離すと終了間際でもトライを奪い、2トライ差をつけてノーサイドの瞬間を迎えた。


 試合後、選手たちは口を揃えてゲーム内容について供述した。『自分たちのラグビー』を意識統一して、と。主将の弁。


 「テンポの早い、とにかく走ってボールを動かす。順目にしっかり走ってトライを取りきる。全員が意識統一されているときの関学って凄いなと。途中も、何したらいいんやろうって不安に思うメンバーが一人や二人ほどいてた。けど、そこでチームとして一つになって」


 だから、勝利を手繰り寄せることが出来た。思えば、試合に臨む姿勢そのものがそうだった。つまりは初志貫徹の果ての白星。


 それに加えて、特筆すべきことがある。80分間のゲームのなかで、選手たちが自分たちの力で施したもの。適応と修正である。藤原が話すに「ゲームの途中もワンパスつながればトライの場面もあった。そこで単純なパスミスも見られて。シンプルなアタックをしょう」とチームに説いたという。


 金寛泰も敵の最大の武器と対峙した点をこう振り返る。「最初はクセのあるスクラムにやっかいだなと。陣地によって1番が横から、とか、3番が内に寄せてきたり、とか組み方を変えてきた。幸田さん、オヤジさんと話あって、『低さとセットスピードを意識しよう』と。対応して、自分たちの形にできた」。


 いくら自分たちのプレーを心がけようとしても、ときに想定外の局面は訪れる。これまで苦い思いをしてきた場面は、そういったものだった。自分たちのミスで自滅した天理大戦、焦りを振り払うことが出来ずにずるずると負けた立命大戦。それらの経験を踏まえたうえで、身につけた修正能力が発揮されたのがこの日の京産大戦だった。


 リーグ戦もほとんどを消化し、シーズンは佳境に突入しようとしている。この1勝は、そのなかで挑んだ最後のゲームだったのではないだろうか。それは、自分たちへの戦い。これまでとは違うスタイルもとい原点への回帰、どれだけ苦しい場面でも前を向く不撓不屈の精神。それらを身につけ自分たちの殻を破った、そんな一戦だったと。


 最後まで戦い抜くという選手たち。最後まで声援を送り続けるというスタンド。目指す先への、チーム全体の意識統一が、これからの過酷な戦いには必須だ。そして、それはもう藤原組には備わっている。(記事=朱紺番 坂口功将)

 

安部都兼『掴むはレギュラー。目指し続けたもの』

投稿日時:2012/11/06(火) 02:30

 いま自分はグラウンドに立っている。朱紺のジャージを身にまとって。それは目指し続けてきたもの。SO安部都兼(経4)のレギュラー獲り絵巻、続編。

 

■安部都兼『掴むはレギュラー。目指し続けたもの』
 


 秋には10番を? 「着たいです」。控えめながらも、ニヤリと見せた笑顔に、意欲と自信がにじみ出ていた。
 

 そう綴ったのは6月の中頃だったか。あれから4ヶ月ほどが経った。始まった最後のリーグ戦。いま彼は朱紺色の、『10』番のユニフォームを着ている。


 「最高に嬉しかったですね! 今年のターゲットでもあったんで。誇りに思っています」


 リーグ戦開幕時をそう振り返る。狙ってきたその座。選手層の厚さ、パフォーマンス、戦術、幾多の要因が壁となって、これまで掴めずにいた。それでも、チームの代表そして朱紺のジャージをただひたすら目指し歩んできた。最高学年として目標にたどり着いたいま、思いはひとしおだ。それは、春先ではトップチーム入りを果たしながらも、リーグ戦では選出されなかったという過去の経験があったから。


 安部といえば、その器用さとプレーの精度の高さから、BK陣のなかでもFBに始まり、WTBそしてSOと、幅広いポジションを担えるユーティリティーさが最大の特徴。「FBが好きですけど」と前置きしたうえで、彼は述べる。


 「ポジションに対するこだわりは無くて、レギュラーへのこだわりしか。与えられたとこで、やるだけ。求められているならば、SOをやるだけです」


 いま安部が就くSOは、自身が話すに高校時代に少し経験があるだけのものだった。大学2年生次の秋にチームから乞われ、他のポジションと兼任するように。そうしてラストイヤーは、春先から「10」番を背負った。大所帯のチーム事情とあって、どのポジションも一概にはいえないものの、やはりSOも多数のプレーヤーがひしめく。春シーズン、アピール期間の最中で彼は選手層をこう語っていた。


 「SOはいっぱいいてて急に増えたんじゃないかと。それぞれに良いとこがある。自分はランとキックで負けないように思っているし、一番になれるとも。まだSOは横並びと思っている。秋どうなるか分からないです」


 レギュラー争いの激しさを受け止め、にらんでいた。大学生活最後の一年、今度こそ。「ライバルがいっぱい。毎週が勝負って感じです」。



 果たして掴んだレギュラー。その日々は、これまで知りえなかった境地であった。

 「下には上手い子がいっぱいなので、危機感持って」。トップチームが公式戦を戦う一方で、チーム内の競争は終わっていない。リーグ戦すなわち今シーズンの本番の舞台ではあるが、それは水面下において現在進行形で繰り広げられている。そこに打ち克つべく、安部は己と向き合い、その日々を過ごす。


 「毎週試合ありますし、身体のケアはしっかりと。

 難しいですね。安定した力を毎試合発揮しないと。ムラがあってはダメで」


 常に求められるパフォーマンスを最大限に発揮すること。それがレギュラーたるに必要なもの。安部自身にも、その自覚は芽生えた。目標を見据えていたからこそだ。


 「(安定したパフォーマンスを出せるように?) やっとそうなれた。最初は軽いプレーもしてたけど、安定したプレーを出来るように少しはなっているかと。意識の問題ですね。レギュラーなりたい、という思いでやってきたので」


 どれも、彼にとって初めて味わう感覚だろう。これが、その境地に踏み入れた者だけが知るものだ。「4回生でのリーグ戦もやっぱり違いますし、それにリーグ戦のレギュラーも初めてなんで。毎試合、新鮮な気持ちでいてます」。まずは目標にたどり着いた喜びもあり、いま身を置く新しい世界の居心地に浸ってか、安部は口元を緩ませた。


 リーグ戦が開幕し、全試合で「10」番・スタメンを果たしている。得意のキックが見せ場となるプレースキックは後輩WTB畑中啓吾(商3)に譲っているが、「そこは信頼しているので大丈夫です」ときっぱり。ならば、SO=司令塔としてチームを牽引するのが役目だ。


 「ゲームのコントロールが求められている。勝っても負けても、自分に責任がある」。SOの持つ使命を安部はそう話す。



 2勝2敗で迎えたリーグ第5節、摂南大戦。チームを動かすという点では反省を口にした。


 「テンポ上げたかったんスけど。僕がラインを押し上げても、前が詰まってたり、相手のディフェンスがノブ(松延)、ユウタ(春山)に詰めてきていたりで。抜きにいくとこは抜きにいかないとダメですね。ちょっと中途半端なプレーもありました」


 この試合では、それまでのリーグ戦で見せていた戦い方とは異なるそれを見せた。キックで陣地獲得を狙う戦術から一転して、ボールを回し順目のアタックを徹底していくもの。ただ、それ自体はチームにとって目新しいものではなく、春シーズンは実践してきたスタイルだ。つまりは〝原点回帰〟。


 となると、選手間のコミュニケーションそしてボールキャリアーの判断が大切になってくる。結果としてチームは快勝を収め(40-7)、勝ち越しに成功した(3勝2敗)。「今日の試合では上手くいった」と話す一方で、安部は修正点を自分自身に落としこんでいく。チームを引っ張っていく立場として、さらなる成長をにらむ。


 それでも、ゲームのなかでは実に安部らしい場面が見られたのも事実だ。前半32分、相手がこぼしたボールが目の前に転がるや、前方へ蹴り出す。転々とインゴールに転がる楕円球に追いつくと、ダウンボールが認められトライをゲットした。


 泥臭くトライを奪ったプレーもあれば、反面スマートなプレーも。後半30分、敵陣を攻め込み、順目にボールをつたわせるうちで、安部は視線を大外へやった。視界に写ったのは、相手の防御網の外側を駆け上がる朱紺のジャージ。そこではパスを振らずに、右足を振り上げ、キックパスを放った。そのボールはすっぽりとナンバー8中村圭佑(社2)の腕のなかに。お見事としか言い様のないアシストで、追加点を演出した。


 得点につながった右足の塩梅。どちらも「感覚で。こんなもんだろう、と(笑)。」一瞬の判断で繰り出される、精度も伴った足技。安部の持つ器用さを物語っている。


 ようやく手にした、レギュラーの座。スポーツ界には格言がある。『なることは容易、そこにい続けることが難しい』。安部にとって、次の目標は、レギュラーであり続けることだ。


 だが、それも彼が口にした思いがある限り、叶うことだろう。「チームの勝利に少しでも貢献できるように、頑張っていくだけです」。この意気込みが、己のパフォーマンスを最高に発揮する、何よりの原動力になる。(記事=朱紺番 坂口功将)

里深優太『コンバート・トゥ・コンバット ~復帰~』

投稿日時:2012/10/28(日) 01:44

 稀少な存在だからこそ。彼の存在が望まれていた。下級生次からトップチームを経験してきたレフティーの現在地。それはポジションも代わったことで

 

■里深優太『コンバート・トゥ・コンバット ~復帰~』
 

 

 


 あまりの不遇に、失意は頂点にまで達しようとしていた。告白する。「ラグビー辞めたいと思った」


 里深優太(教4)は苦境に立たされ続けた。降りかかった災難。始まりは去年のことだ。3年生次の5月、大怪我に見舞われた。それは1シーズンを棒に振るほどのもの。やっとのことで戻ってこれたのは年末、それも出場したのは練習試合1試合のみだった。


 「リーグ戦が始まってから同い年の3回生たちが試合に出始めたりしてて。嬉しい思いあったけど、そこに自分がいない悔しさもあった」


 プレーが出来なかったあいだ、フラストレーションは溜まっていた。思いは募ったプレーがしたい。


 「で、自分らの代になってやっとプレーが出来る!と」


 目に見えて分かる同期たちの成長への羨望に加え、楕円球への熱情。通常ならばプラスに働くそれらは、抱えていた分だけ大きかったのか、オーバーフローに至った。


 「最後の1年、早くAチームに上がってプレーがしたい思いが。気負いしてました」


 むかえたラストイヤー。シーズンが始まってまもない4月の部内マッチ。里深はボールを持った際に、後ろからタックルを受ける。倒れこんだ際に怪我を負った。負傷した箇所は前年度と同じ場所、しかしその痛みは前よりもひどく、そして外見でも容易に判断できるほどのものだった。すぐに手術へ移ったが、里深の胸中は絶望に支配された。「今年も無理か」と。そう思うのも無理はないだろう。苦難から解き放たれた矢先の〝再〟難。それでも絶望の淵から彼を前に向かせたものは何だったのか。


 「めっちゃ泣いたんですよ。怪我した日に電話とかメールとかいただいて。それ見て、みんなと試合出たいし、医者からも思ったより早い時期に復帰できると言われて。やっぱり頑張ろう、と」


 そこからまたしてもプレーから遠ざかる日が続いた。春シーズンは戦列に加わることがなかった。やはりフラストレーションの日々だったのでは


 「焦りとかあったんですけど、自分に出来るのはリハビリだけですし、復帰だけを楽しみにして。復帰したときは、どうしても気負いしてしまうのは自分でも分かってて。次は絶対楽しんでラグビーしよう!と。Aチームに上がりたいけど、たとえ下のチームでもラグビーを楽しみたい。そんな思いがありました」



 今夏、グラウンドには帰ってきた里深の姿が。ラグビーが出来ることの幸せをかみ締めていた。「一日一日、無駄にしたくないと。いまラグビー出来てることに感謝できる、その気持ちがあるんで、自分の身体を大事にしようと強く思ったし、ウエイトも身体のケアも今まで以上にするようになった」。ようやく里深のラストシーズンが始まった。


 彼のプレースタイルは、普段の温和な素振りからは想像できないほどのパワープレーと、珍しくもある左の効き足から繰り出される精度高いキックに代表される。ボールを少しでも前に運ぼうとする気迫に加え、稀少なレフティーとして、大学入学当初から層厚きCTB陣のなかでもトップチームに選出されてきた。身体が張れてキックが蹴れるCTBを少なからず自負していた。


 だが今年の夏、コンバートを命じられる。それは突然の通達だった。


 菅平合宿における最後の対外試合となっていた帝京大C戦。後半40分での出場が決まっていた里深はその前日に、予想もしてなかったSOでの出場を言い渡されたのである。「めっちゃ緊張しました。高1のときにちょっとやっただけだったんで」。


 実は関学ラグビー部に入部した折に、彼が就いたポジションはSOだった。それは司令塔として、チーム全体を動かす役割を持つ場所。「指示を出さないといけないポジションで、最初は自分の判断が正しいか分からへんし、自信持って言えないというか嫌で嫌で」。そうして6月にはCTBへ移ったという経緯がある。


 菅平で後半40分を経たのち、関西に戻ってきてから試合でハーフタイム40分。合わせて80分間ほどだがSOでプレーし続け、リーグ戦にはAチーム入りを果たした。SOとして。「(試合勘は)まだ不安なとこある。CTBなら全然いけるんですけど不安なとこ多いです」。リーグ戦を前に里深はそう口にした。けれども、こうも続けた。


 「最後なんで。Aチームにいさせてもらってるんで、そんなことも言えないですし、プライド持って。思い切りやりたいです!」


 ルーキー時代は持ちえてなかった自信。思い切って出来るようになった理由とは。


 「大学4年間やってきて多少なりとは自信持てるようになってますかね(笑)。同じ仲間とやってきたのもあるんで。分かりあえる仲間なんで、そのぶん思いっきりやれる、というのもあります」


 仲間の存在という後押しも受け、里深はSOの道を歩んでいる。CTBで培った己の武器は、ポジションを違えども変わらない。


 「自分はパス放って周りを動かしてゲームを作っていくタイプではないし、そういう面では上手い子は下にいっぱいいる。みんなとは違った形のSOを。自分から仕掛けて、チームに勢い乗せられると。この子が上手いからマネしよう、ではなくて自分の持っているものを形にしていきたい」



 リーグ戦を前に、ダメージは里深の身に、深く刻まれていた。それでも辰見康剛コンディショニングコーチにメニューを組んでもらい、時間さえあれば取り組んだ。筋トレに加え、左右のバランスを整えることに終始した。


 不幸にも重ねて痛めた左足にはテーピングがしばらく施されていたが、リーグ戦も3試合を消化し、すでに外せる状態にある。「最近蹴れるように。徐々に良い感じには」。


 里深の特徴である左足。右利きが大半ななかで、特異な左足キックというものは、相手にとっては対戦経験が
得られないぶん蹴られる方向の判断がつきにくい。逆に、攻める側としてはオプションも増え、陣地獲得に優位に働く。だから重用されるのである。


 いまSOとして、リザーブで投入されているのが現状。前まではスタメンの方がゲームに入りやすかったと話すが、これまでの苦難を経て心持ちは変化した。


 「4回生なってからは1試合1試合を、いつ怪我するか分からないんで、楽しみたいと。何の気負いもなく、途中からでも試合に入っていけてる。

 ポジション柄、蹴れないとダメ。試合後に言われてます、『あとはキックやな』と。最初から試合出るためにはキックが安定してないといけないので。時間あるときには自分で調整して、キックの調子も上げていきたい」


 絶望に暮れた日々からの脱却。残すは、失われた最後の1ピースを埋めること。帰ってきたレフティーは、新たなポジションのもとで、伝家の宝刀を静かに研いでいる。(記事=朱紺番 坂口功将)

松延泰樹『コンバート・トゥ・コンバット ~回帰~』

投稿日時:2012/10/21(日) 04:39

 それは必勝を期するための手段である。チームの戦術や思惑によって、プレーヤーたちは求められる役割やポジションが変動する。それでも、彼らが戦うことに変わりはない。

 

■松延泰樹『コンバート・トゥ・コンバット ~回帰~』
 

 

 ボールが渡れば、観客の視線が一気に集中する。少しでもギアを上げ、ゲインすれば歓声が沸きあがる。それが、エースといわれる者の証。松延泰樹(商4)は間違いなくその域にいる。昨シーズンに見せたWTBとして活躍する姿を、人は重ねて眺める。ライン際でも密集でも突破していき、やがて奪い取るトライを彼のプレーに見る。その彼がいま、最後のシーズンで『13』番をつけている。WTBではなく、CTB。リーグ戦を前に、当の本人に胸中を聞いてみた。


 「嫌やったですよ!」


 浮かべる苦笑い。確かに、ラストイヤーとなる今季も、春シーズン開幕から常にWTBを担ってきた。もはや定位置、同じくWTB金尚浩(総経2)とFB高陽日(経2)で形成される彼らは大型バックスリーとして確固たるものとなっていた。CTB松延、違和感はあった。自身はどう受け止めていたのか。


 「2年生以来。CTBやってて、無理やったからWTBになったのに。最後の大事なシーズンでWTBとして出たい気持ちもあって。CTBやることに不安もプレッシャーも」


 そうだ、もともと彼のポジションはCTB。曰く、「太朗(吉原=人福4=)みたいに突っ込むタイプ」。ガタイの良さから、当たり負けしない強みがあった。それに加えて備わっていたスピードを買われ、WTBに転向した。それを機にブレイクを果たし、エースと呼ばれるまでになった。むろんラストイヤーも、と思われていたが今年の夏、再度CTBへと戻ることになったのである。


 「1次合宿のちょっと前からですね。メンバー選考も兼ねてその時期CTBに怪我人が多くて、熊野さん(BKコーチ)からも『ひとまずやってみて』と言われて。アンガスさんも『いいじゃん!』と。そっから抜けれず(笑)」


 一見すればその場しのぎの応急措置。だが、事実はどうやらそうではない。松延のCTB起用を目論んでいたのは、マコーミックHCかもしれないのだ。HCが語った松延評。


 「ノブのCTB、面白いね。速いし、身体大きい。ディフェンスもカバー広い範囲で出来る」


 マコーミックHCは、CTBとしての松延泰樹をかねてより思い描いていたのである。
 


 「アンガスさんからは『足も速いから、勝負していいよ』と」


 勝負せよそれがHCがエース〝元〟WTBに下した指令だった。だがコンバート当初、松延はCTBとして求められているものと自身のなかでのイメージにギャップを覚えていた。


 「CTBとしてトライのイメージがそこまで無くてちょっとでもゲインして、つなげる。そのイメージがあって、それでやっていたんです。そしたら、アンガスさんから『もっと勝負しろ』と」


 彼自身が抱いていたCTBへの不安点。アタック面に関してスキルは無いのだと自認する。それでも転向するにあたっては器用さも必要と踏んでいた。しかし実情は違った。マコーミックHCもといコーチ陣、チームが彼に求めていたのは、あくまでもウインガーとしての要素。ずばり『強さ×スピード=突破力』の方程式。それに気づかされたとき、彼のなかで不安も和らいだという。


 「みんな分かってくれてる。『突っ込んでくれたらいい』って言われているので、気持ちも楽です。

 WTBに比べたら不安しかない。けど消極的なってミスするくらいなら、と。CTBでもWTBと同じことできるんや、ってね。CTBやから、って気持ちに捕らわれることなく、やっていくんやと」


 ふっ切れた、いや腹をくくっていた。「4回生、わがまま言えないです。チームのためにやるしかない」。その言葉に偽りはないだろう。


 ただ、WTBからCTBへの転向に際して、フィールドで感じる違いはあるようだ。


 「WTBのときは、とにかくボールが欲しい、はよ回してこいって思ってたんスけど。いまCTBやってて、ここではどうしようもないから放ってくんな、って(笑)。自分でも勝負しつつ、冷静な判断してプレーすることが課題です」


 課題に挙げた判断力。CTBは役割が多いぶん、瞬時の判断とそれに足るスキルが要求される。松延が「技術ない」と話す一方で、それを手助けする心強い存在がチームにはいる。CTBの相方、春山悠太(文4)だ。「悠太に動かしてもらいつつね」と松延は話す。その相方は、新生アウトサイドセンターをどう見ているのか。


 「始めは太朗とずっと組んでたんで不安もあったんスけど。太朗が密集での強さを持っているのに対して、ノブは足が速くて横を大きく使えるプレーヤーで。最初は活かし方のギャップにとまどった。

 いまはノブと話して、特徴掴んで。ぼく自身も助けてもらっているし、すごいやりやすい。ノブをしっかり、どの場面でも活かしてあげたい、と。

 アンガスさんが選んだ理由が分かった。ずば抜けたスピードあるし、サイズもあって、ディフェンスも上手いしすごいっス」


 この頼もしき活かす側の存在を持ってして、CTB松延は研ぎ澄ましている。ポジションが違えども、インゴールへの嗅覚を。


 「いかに悠太に活かしてもらいながら取るか。トライへのイメージがないと抜けないんでね、イメージありますよ!」



 始まった最後のリーグ戦。開幕して2戦、トライこそ無いもののボールを持てば、歓声が沸きあがる。リーグ戦初白星を得た同志社大戦が終わり、松延は語った。


 「WTBのポジションでボールもらったりもしたので、自由に。アタック面では、もっとボール持つべきだなと。

 (歓声を聞き)みんな期待してくれてんからと分かってるんスけどミスしたことを考えたら。けど消極的になるのはアカンので。思い切ったプレーは、ダブルスコアくらいになったら、のびのびと出来るかな(笑)」


 まだ若干の不安要素はある様子だが、チームそして周囲は、待ち望んでいる。密集などお構いなしに突っ込んでいく姿、豪脚を披露して相手ゴールを陥れる姿、を。どのポジションについているのかではない。松延泰樹という一人のラガーマンに、期待と興奮を抱いているのだ。(記事=朱紺番 坂口功将)

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