「小原組~ALL OUT~」 2009/12
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『朱紺スポーツ』vol.24
投稿日時:2009/12/10(木) 02:40
初戦は同志社大!7日に行われた抽選会で、今年の大学選手権の組み合わせが決まった。関学の初戦はなんと、リーグ最終戦で勝利したばかりの同大。波乱うずまく選手権で、関西王者の強さを見せつけられるか。

▲抽選会場にて。主将・小原。[写真提供:スポーツ法政]
[紺グレと再戦]
まさか、の展開だ。その発表に驚きにつつまれた。関西1位でシード権を確保し、準決勝で早稲田大と当たるブロックに入ったのち。小原組の初戦の相手が決まった。『紺グレ』だ。
抽選会のつい2日前、リーグ最終戦であいまみえたばかり。しかも一回戦の会場は同じく花園。対戦相手も場所もまったく一緒の〝再戦〟が行なわれることとなった。
それでも前回とは互いの気持ちの面が異なる。リーグ戦とは違い、負けたら終わりのトーナメント。自分たちはもちろん、相手も必死になってぶつかってくる。向こうにとっては2回戦進出もついてくる、大きなリベンジマッチ。お互い手の内は見せ合っているライバル同士だけに「意地と意地のぶつかりあいやね」と主将・小原(社4)は話す。
たとえ一度は下した相手でも、あなどることはない。むしろ警戒心を強めている。先日の試合を振り返って、分析スタッフたちも相手の出方に「何をしてくるか分からん!」と悩む。最終戦はキックパスに翻弄され、ピンチに陥った場面もあった。再戦も楽観視はなく、同大と真正面から激突するつもりだ。
そのために「強化できるとこは強くして。DFを強化したら、もっと良くなる」。2週間でさらなるレベルアップをはかる。週末には同大対策を兼ねた合宿を行い、『自分たちのやりたいラグビー』を再確認する。
「春から大学選手権のためにやってきた」と話すように、一時も忘れることのなかったバトルフィールド。組み合わせを見る限り、他のブロックと比べても激戦区と呼べるとこではない。けれどもKGラグビーの真髄でもある「がむしゃらにやる」ことを忘れずに、日本一への階段を上っていく。まずは初戦、紺グレを迎え撃つ!
【『朱紺スポーツ』vol.24】

『朱紺スポーツ』vol.23
投稿日時:2009/12/05(土) 01:57
完全優勝だ!小原組が最終戦で同大を下し、無敗での優勝を果たした。その後行なわれた祝勝会では、関学ラグビー部に携わる者すべてが喜びに浸り、勝利の美酒をかわした(※)。
[歓喜の2連覇]
宿敵を倒し、無敗で勝ち取った勝利の味は格別だった。試合後、大阪市内のホテルで行われた関西制覇の祝勝会。体育会関係者やラグビー部OBが多数、足を運び小原組の栄誉を称えた。
始まりは予想外の展開からだった。式開始直後の大崎監督からの挨拶の際、「今日、朱紺のジャージを着ることのなかった4回生は前に」とサプライズ。出場した22人を支えた、それ以外のメンバーへの感謝の意をこめたサプライズだった。そうして壇上にあがった4回生たちに監督からひとり一人メッセージが述べられた。
監督の粋な演出から始まった祝勝会は、関係者各位が祝いの言葉を述べ、進行する。体育会会長・根岸教授から「幸せです!」の声が上がれば、KGAA会長(体育会OB会)の渡辺氏からは「誇りに思っている」の言葉が。万歳三唱も交えながら、喜びのムードにみなが酔いしれた。
やがて学年ごとの紹介があり、その後Aチーム22人全員が壇上にあがりインタビュアーの質問に答え、思いを告白。主将・小原(社4)も挨拶をした。
小原「OBや保護者の方々の応援があって優勝できた。ありがとうございます。自分たちの代は、入ってきたときに周りのメンバーみんな体重軽くて。4年生になって、努力してここまできた。努力は決して裏切らないんだなと、関学のチームですごく感じている。日本一にむかって、やれることはまだまだある。関東のチームに勝って日本一になりたい」(略)
主将が感謝の気持ちと目標にむけての思いを口にし、最後に部歌『出陣の歌』を歌い、式は幕を閉じた。
その後、部員たちは「V2」コールを大阪の夜に響かせ、「今日は思う存分」と言われたとおりに、歓喜に浸った。翌日からはまた日本一への挑戦が始まることも、今宵限りは忘れて―。
【『朱紺スポーツ』vol.23】

『朱紺スポーツ』vol.22
投稿日時:2009/12/04(金) 04:17
名実ともに関西ナンバーワンへ―。無敗で連覇を達成した小原組が最終戦で〝関西の雄〟同大と戦う。もはやタイトル争いはそこになく、かけるのは互いの威信のみ。その関西リーグ最後の戦いで、小原組には「やり残したことがある」のだ。
▲使命を果たすべく、戦いに臨む
[関西の頂点へ]
関西2連覇は、まさに新時代の到来をつげたようであった。春から作り上げた『FWラグビー』は代名詞になりつつある。その武器で、ことごとく立ちはだかる関西の猛者を倒してきた。だが関西タイトルを取った天理大戦の試合後、指揮官たちは部員たちに話した。「やり残したことがある」と。
2連覇は通過点なのは言わずもがな、目標はかねてからの日本一だ。けれども最終戦を残して、まだそちらを見ることはならない。チームには課せられた使命がある。萩井HCは話す。
「チームとして、見ている人に『夢と感動を与えるプレー』を。それが関西ではやりきれていない」
これまでも副将・片岡(総4)が口にしてきた『夢と感動を与えるプレー』。それは関学ラグビー部の至上命題でもある。「見てくれる人、小中学生や高校生が将来入りたいと思えるようなチームに」(萩井HC)なるために、全力プレーを見せる。そのプレーが将来の関学ラグビー部へとつながるのだ。
むろん勝ち負けにこだわらないわけではない。全勝優勝は小原組の強さを示す何よりの結果になる。その最後を飾る相手が、同大ともなればなおさらだ。
大崎監督も「次の同志社戦があるので、もう一回」と締めたのち、打倒同大へ意欲を見せた。「『〝関西の雄〟は同志社』というイメージがあるので、それをくつがえしたい」。
『夢と感動を与えるプレー』を実現させ、同大を下し、名実ともに関西の頂点に君臨する。新時代への橋がけ、それこそが小原組にとって関西で果たすべき役目。シナリオは出来上がっている。
●【萩井HC 母校と対戦】
萩井HCにとって母校と戦うこととなる。けれども「全然複雑な気持ちないよ!よく聞かれるけど」と話す。
チームの成長を願っている。「関西であれば、同志社と関学が切磋琢磨するような環境に作ってあげれば」。関西の雄に匹敵するチームに作り上げることが目標。もちろん同大戦は特別な意識を持つ。
「自分の気持ちが変わるよりも、同志社に対しては選手に気持ちを変えてあげたいな、と。意識する気持ちを持つように選手には伝えている」。
今シーズン、朱紺が関西の頂点に輝き、紺グレは早々と優勝戦線から離脱した。来年からはどうなる―?。そうなったとき、萩井HCがライバルとしての同大の成長を願うときがくるかもしれない。
【『朱紺スポーツ』vol.22】

インタビュー『私の務め。』
投稿日時:2009/12/02(水) 19:32
ときに外部との関わりに真っ先に出て行き、ときに内部を円滑に進めるために奔走する。関学ラグビー部の中枢ともいえる、主務・小島祥平(文4)、副務・小田村智子(文4)が語る〝自分たちの務め〟―

―初めにお互いの主務、副務に就任した経緯は
小島(以下、K)「(主務に)なる半年前に副務として勉強してたんで、そこから主務にそのまま」
小田村(以下、O)「『MG代表』でも良かったけど、去年は『主務2、副務1』で今年は副務を2人って形にしようと」
―それぞれの仕事とは
K「スタッフのキャプテン。スタッフをまとめたり、調整したり。あと、チーム全体をまとめるのも仕事。部の運営全般。部の環境整備も」
O「学校関係と、MGの仕事の管理かな」
―勉強していた頃と比べて、実際に主務になってみてイメージしてたものとの違いとかは出たり?
K「した。部の4回生としての責任の重さを感じて。先輩の横で仕事してきてたけど、分かってるつもりで分かってなかった。言葉、行動に責任があるなって感じ。
(状況にあわせて)決断すること、我慢すること、様子を見ることの使い分けが必要かなって」
―いつも仕事に奔走している。仕事量はどんなものか
K「部が注目されてて、学校だったりマスコミだったりの対応することが増えてる。仕事たくさんあるなと思って。とんちゃん(小田村の愛称)と協力して。忙しいけど、なんとかやっている」
―『MG代表』と『副務』で違いなどは
O「気持ちの持ちようかな。副務なったんやし、MGばっかり見んと。主務がMGに仕事ふるときとかにアドバイスを。
内容は変わってないけど、プラスアルファで変わった面が」
K「正式な場に出やすくなったとも」
O「これまでよりは、主務と一緒に行動できてるかなって」
―小島自身は元プレーヤーだった。スタッフに転身する際の心境は
K「辞めるってのは、すごい決断はしたけどラグビー部に入った動機が『ラグビーが好きかどうか』を確かめたくて。その目的を達成するのは、どのポジションでも一緒。オレの代わりに体はってくれる人はおるかもしれんし。主務やれるやつおるかなって話あったときにオレしかいなかったりで。ラグビーは15人が適材適所に戦う競技。プレーはしてないけど、主務はポジションの一つ。後悔はないし、ベストな選択やと思っている」
―やってて良かったと思える瞬間は
K「まだきてへんな!日本一を達成するまではないと思う。目標は達成できてへんから、、満足できへんし満足することは一回もないな」
―元プレーヤーという立場で、選手たちの気持ち、考えは理解しやすい主務になりえる
K「それがオレの役割。プレーヤーの気持ちは上乗せして、それとオレの考えをうまいこと合わせて、一個一個仕事をやってる感じ」
―小田村は高校時代もMGで、大学でもMG業。学生生活の集大成をどんな気持ちで
O「高校も今までも、効率良くとかスタッフの立場としてやらなあかんこととかは分かってて。けど、それが選手に当てはまるかは分からんくて…。今年の1年はコジ(小島の愛称)も橋本(憲典=商3=)もおるし、選手の意見、気持ち聞けるかな。ほんまに自分が良いと思ってる仕事は今年は出来てるかなと思う」
―今シーズンは昨年の優勝もあって注目される。そう実感したり
K「あるな。去年の成果で表彰されることもあるし。去年の先輩が残してくれたことを忘れんように、ありがたく感じとかなあかんとは思ってる」
O「何かするとき、受付とかしてたら人の反応が。関学の関係者じゃないけど『関学の応援です』とか。直接声をかけてもらうことも増えたし。
去年があったから、来年以降の続くように、今年も勝ってもっと確実なものにしたいなぁと」
―今年は上半期に慶応大との交流試合というビックイベントもあった
K「ラグビーでああいう、会場を貸し切ってイベントするのが自分が入学してからは一回も無くて。主務なって時間経ってなかったし、必死やった。無事に終わることをずっと考えてた。そんな大きなトラブルなく終わったから、やってきたことは間違ってなかったって自信になった」
O「自分の代で大きなイベントの1回目できたのは誇り。自分的にも、スタッフも協力して頑張って。終わってみれば盛り上がったし、良い出来事だった」
―それも含めて春は対外試合13連戦という例年以上の仕事もあった
K「人数増えたから、ちゃんと試合組むのが難しくて。ひとりの出れる時間短いから、たくさん試合組めたらいいなって。スタッフとして大変やったけど、計画通りに毎週組めたのは良かった」
O「たしかに色々変えたし…」
―特に変えた、変わった点をあげるなら
O「去年は体育会員同士のつながりがすごくて…(自分たちの代が)希薄なのが悔しくて。優勝したときに盛り上がったのは周りのおかげ。どう恩返しできるかを考えるようになったのが変化」
K「スタッフも増えて、いろんなことで仕事を分散するようにも。まとめてチェックする役をせなあかんようになった」
O「体育会の行事にも積極的に参加するようにも。注目してもらってるから」
K「仕事やりながら、試行錯誤」
―そしてリーグ戦をむかえた
K「一日一日適当な日を過ごしたこと無かったし。毎日色々とやってたから、関西の他のチームにはスタッフも選手も負けてる部分はないと思ってたし。やってきたことには自信を持ってリーグ戦に臨めた」
O「MGとしてもスタッフとしても、はるなさん(ひとつ前のMG代表)の代には負けたくないって思いがあって。観客動員数とかイベントで、ひとつでも出来ることを、と。結果残すのはリーグ戦だから、ここでは負けたくないと」
―シーズンも残すは2ヶ月。どういう風に過ごしたい?
O「こっからはリーグ戦を盛り上げるしかないやろ!出来ること限られてるし、いままでやってきたことが勝手に出てくる。勝ってくれると思うから、選手に任せて。自分たちの出来ること少ないけど、できることはしようと」
K「一日一日『ALL-OUT』してってやつ。やりきるだけ。毎日、一所懸命やってたら後悔なんてありえない。
関学ラグビー部に期待されることは大きい。関東相手にやれるかとか…。関学のメジャー競技どころが負けてもうてるし、体育会からも、親とかからも。それを感じつつ、感謝しつつ、『ALL-OUT』で。たぶん結果はついてくる」
―では最後に一言
K「この1年、必死に頑張ってきたし、いろんな評価あると思うけど、必ず結果出ると信じている。ぜひ会場に足を運んで、応援よろしくお願いします」
O「応援してくれるだけで、ほんとありがとうございますやし…感謝してます。みんなのためにも勝つんで、試合観にきてください!」
■小島祥平(こじま しょうへい)/文学部4年生/関西学院高等部/主務/171㌢、80㌔/今年度、主務。選手、スタッフ総勢120人をまとめあげる。
■小田村智子(おだむら ともこ)/文学部4年生/御影高/副務/156㌢/今年度、副務。持ち前の明るさで仕事をこなす。
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