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「藤原組~Over~」

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『スピリッツ』vol.68

投稿日時:2012/06/15(金) 13:02

 会場に歓喜の叫びがこだました。春シーズンここまで無敗の関学が挑んだ春大一番。昨年の関西リーグ覇者であり選手権準Vの天理大を相手に接戦を繰り広げ、勝利をつかんだ。
 
 
 
【勝った!】
 「やるだけのことはやった。自信を持って試合に臨んだ」。春は走りに走り抜いた。今年のチームのテーマであるディフェンスにも重点的に取り組んだ。昨年のアタック重視のラグビーから一転し、新たなスタイルを切り開いた春。つらい練習に耐えた成果が実を結んだ。
 立ち上がり天理大に先制点を許したものの、前半14分にSH湯浅(人3)がゴール前スクラムから抜け出しトライ。さらに20分には密集から抜け出した湯浅が連続トライを奪い、10―7と逆転に成功する。さらに主将・藤原(商4)も湯浅に続き得点し、天理大を引き離す。終了間際にトライを許し、17―14で前半を終えた。
 3点リードで迎えた後半戦。立ち上がり天理大に自陣深くまで持ち込まれてしまう。自陣でのプレーが余儀なくされるなか、我慢のタックルで相手のトライチャンスを防いでいく。チャンスが訪れたのは23分。敵陣22㍍ラックから湯浅がSO宇都宮(社1)へパスをつなぐと、宇都宮が値千金のトライをたたき込む。この一発が天理大を引き離し、そのまま試合終了。2009年のリーグ戦ぶりに天理大を打ち破った。
「春にやってきたことが出せた。小さいミスはあったがそれを補うディフェンスができた」。そう試合を振り返った藤原。また徳永(商2)や井之上(社2)金(人2)といった、主力として活躍しうる選手がU―20日本代表に選出され欠けるなかでの勝利に「層の厚さを感じている。多くの選手がAで経験を積むことができているので、いい感じで秋につなげていけるのでは」と満足げだった。
 春シーズンの残り試合もあとわずか。次戦は昨年8年ぶりに敗北を喫した関大との関関戦だ。「もっと上を目指さなければならない。ここまで負けなしできているし、昨年の屈辱も晴らすべく必ず勝つ」と藤原は力強く意気込んだ。全勝で春シーズンを終えることを目指す関学。この勢いはもう誰にも止められない。
 
 

『スピリッツ』vol.67

投稿日時:2012/06/11(月) 21:06

 大量得点を挙げ勝利したこの日。4年生中心のメンバー構成で臨み、各選手が活躍を見せた。そのなかでもWTBの秋重(社4)、 公文(社4)は合わせて7トライを決め、チームの大勝に貢献した。



【秋重真人】
 京大との伝統の定期戦で右WTBを務めた秋重(社4)。「流れを生み出せたらと思った」。開始2分、味方のパスから先制トライを奪った。持ち味であるランニングを生かし、この日4トライを挙げた秋重。「WTBはトライをとるポジション。トライは常に意識してやっている」。その言葉通りの活躍で秋重はチームを盛り立てた。
 関学の14番は昨年からレギュラーに君臨する松延。「少しでも上で出られるように頑張りたい」。ラストイヤーに熱い思いをぶつける。

【公文千浩】
 今試合、初めてファーストジャージに袖を通した、WTB公文(社4)。試合前は緊張を感じながらも、3トライをあげる活躍を見せチームに貢献した。だが「前半は試合の入りを含め、悪かった部分も。もっと堅実なプレーができていたらもっと決めるチャンスがあった」と辛口なコメント。公文はさらなる高みを目指す。「Aチーム入りを目指して頑張りたい。まずはジュニアに出ること」と今後への抱負を語った。自身の強みであるサポートプレーで、レギュラーの座を狙う。

『スピリッツ』vol.66

投稿日時:2012/06/11(月) 21:00

京大との伝統の定期戦が今年も開催された。創部90周年の節目を迎え、勝利を目指した京大。そんな京大を4年生主体のチームが一蹴し勝利を手にした。



【安部都兼】
 5月に肘に靱帯損傷のけがを負って以来、実戦から遠のいていた安部。けがから復帰し今春初スタメンを飾った。
 「キックはまだ良かったけど、まだまだなところもある」。この日キッカーを務めた安部。13本中12本のゴールキックを成功させた。また、安部の絶妙なキックは80分間相手ディフェンスを脅かし続けた。
 吉住(経3)や宇都宮(社1)などの台頭で激化するSOのポジション争い。「大変ですけどラストイヤーなんでプライド、覚悟を持って取り組みたい」。そう決意を語る安部に関学の未来を託したい。

【芳村直忠】
 4年生主体で挑んだ今試合。ゲームキャプテンとしてチームを率いたのはナンバー8芳村(経4)だ。持ち前の明るさでチームを鼓舞し、体を張ったプレーで後半には一気に流れを引き寄せた。また自身も2トライをあげる大活躍。「自分の中でも気合いが入っていた。同期からパスをもらって決めたときはとても嬉しかった」と振り返った。「関学は本当に層が厚い。またファーストを着て試合に出られた時は、自分が成長した時。部内で刺激し合って全体でレベルアップしていきたい」と意気込んだ。芳村の今後の躍進に期待が高まる。

『スピリッツ』vol.65

投稿日時:2012/05/17(木) 18:01

  これが今年の関学だ!昨年はなすすべなく完敗だった青学大を相手に、終始攻守にわたって圧倒。62―5での勝利をつかんだ。

 

【青学大撃破!】
 借りは返した!昨年の青学大との定期戦大敗から1年。試合開始1分にトライを取ると、勢いそのままにトライを量産。62‐5と大差で勝利し、雪辱を果たした。
 昨年は青学大のアタッキングラグビーに翻弄(ほんろう)され、手も足も出ず10―69で敗北を喫した。胸を借りる立場で挑んだが、強さを見せつけたのは関学だった。開始早々にWTB松延(商4)が得点すると、立て続けに4連続でトライを奪取。前半終了間際に得点を許すも、27―5と相手を引き離して前半を終えた。
 後半戦、序盤は相手に流れを持っていかれたが、前に出るディフェンスで攻撃の芽を摘んでいく。FWも攻守にわたって圧力をかけ続け、青学大の反則を誘った。逆に関学はセットプレーをものにしトライにつなぐ。「春からやってきたディフェンスができた。ボールをとめずに攻めるという意思統一ができたことが勝因」と主将・藤原(商4)。後半は1本のトライも許さず、5トライ5ゴールを奪い62―5で勝利した。
 「前半最後に点を取られたことと、後半最初にペースを持って行かれたことは反省点。軽いプレーをせずに基本に忠実にやっていきたい」と今後への意欲を語った藤原。日本一を狙う藤原組に余念はない。
 

『スピリッツ』vol.64

投稿日時:2012/05/15(火) 18:10

 
 毎年行われる1年生試合。今年は大体大の1年生との一戦が繰り広げられた。前後半でけが人を除くすべての1年生が出場し62―10で大勝した。



【大勝発進】
 関学Aチームの試合後、大勢のギャラリーが見守るなか関学キックオフで1年生の大学デビュー戦が始まった。
 まずペースをつかんだのは関学。体を張ったプレーで敵陣へ果敢に攻め入る。ゴール前でのモールを起点にSO鳥飼(人1)がさばき、CTB小林(経1)が先制トライを挙げる。続けざまにラインアウトからモールを形成し、そのまま押し込んで追加点。その後も関学のペースで試合は進むが、なかなか得点に結びつけることができず12―0で前半を終えた。
 選手を入れ替え臨んだ後半戦。開始早々トライを奪うと、そのトライを皮切りに次々にトライを重ねていく。終了間際にはCTB村田(経1)がダメ押しの2連続トライを決め、試合を決定づけた。「相手の足が止まっていてトライすることができた」。そう村田は自らの得点を振り返りながらも、「この内容では上のチームで通用しない。満足はしていない」と意欲を示した。
 
 【羽ばたけ】
 「初めての試合で楽しくプレーし勝つことができて良かった」と前半キャプテンを務めたSH徳田(商1)は語った。この試合をもって今後は上級生と練習を行い、試合にも出場することになる。「1年だからって隠れるんじゃなくて目立っていい影響を与えることができれば」。日本一を目指すチームに加わった新戦力。主将・藤原(商4)も「一緒に頑張っていきたい。まずは体を大きくしてほしいね」とエールを送った。


【1年生担当 大下真須美】
 「大変なこともあったが楽しい1カ月半だった」。そう振り返ったのは今年1年生の担当をした大下(経3)。スケジュール組みから練習内容を決めるまで、大きな仕事を任された。「選手たちから不安要素も聞いていた分、試合前は緊張した。(62―10という結果に対し)とても感動した。1000万点をあげたい」と試合後喜びを語った。間近で1年生の成長を感じながら、「今のままじゃダメだということを痛感した。やりたいこと、しなければいけないことが見えた」。大下にとってもこの経験は大きな財産となったようだ。


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