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「藤原組~Over~」

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4年生特集企画 第1回 石川彰吾×石川裕基×幸田雄浩

投稿日時:2012/07/17(火) 15:19

 春シーズンを7勝1敗で終えた藤原組。夏シーズン、そして秋の本番は着々と近づいてきている。ラストシーズンに挑む4年生にスポットを当て、その思いに迫る。

第1回のテーマは「最前線の仕事人」。体を張ったプレーチームを支えるフロントローの3人に思いを語ってもらった。



―ラグビーを始めたきっかけを教えて下さい
石川裕「ラグビーを始めたのは高校からです。中学高校と一貫校だったんですけど、ラグビー部の顧問の先生に誘いを受けて。あと友達がみんな入ったので入りました」
石川彰「僕は父親の影響で幼稚園の時から始めました」
幸田「僕が小学1年の時に父親が新しいラグビースクールを作って、それで始めました」
 
―それぞれPR、HOのポジションはいつからですか
石川裕「ラグビーを始めた頃からです」
石川彰「HOになったのは高校1年からですね」
幸田「いろいろやったりしたんですけど、基本はずっとPRでした」
 
―そのポジションの面白さはどのようなところですか
石川裕「相手を押し切ってってところが面白いです」
石川彰「セットプレーはラグビーの始まりの部分なんでプライドを持ってやっています。そういうところがいいかなって思います」
 
―PR、HOで頭を使うプレー、場面は
石川裕「スクラムは若干駆け引きやなー」
石川彰「セットプレーは試合で勝ち負けがあって、特に僕はHOなので駆け引きの中で両PRに話を聞いてコミュニケーションを取って、試合中に修正できたらと思ってやっています」
幸田「ラインアウトの時とかぼーっとしないようにしています」
石川裕・石川彰「(笑)」
石川裕「間違いないね(笑)」

―セットプレーで心掛けていることはありますか
石川裕「僕らが負けたらチーム全体もどうしてもいいプレーができなくなってしますと思うので負けないように、というか勝てるようにしたいと思っています」
石川彰「責任感がありますよね。プライドを持って、負けたら終わりやと思ってやっています」
幸田「チームの土台になるところです」
 
―PR、HOで求められるプレー、目指しているものは?
石川裕「最近はセットプレーが最低限で、走ったりラインに入ったりっていうところを求められているので、そういうところをできるようになりたいです」
石川彰「スクラムもなんですけどHOなんでラインアウトのスローインでの正確性を上げることとフィールドプレー、特に今年はディフェンスに力を入れているのでそこですかね」
幸田「アンガスさん(アンドリュー・マコーミック=HC)が来てスクラムは大前提で、走ってタックルしてっていうことが求められるようになったと思います」



―今年のFWが変わったところ
石川裕「とにかく走らないと。春も走りました」
 
―体重は減りましたか
石川彰「僕は減っています」
石川裕「僕はキープできています」
幸田「一時期減って、今は戻したみたいな感じです」
石川彰「体重は減ったんですけどその分タイムが上がっているのでどっちを取ろうかなって感じで…。理想は体重を増やしながらフィットネスを上げることです!」
 
―練習メニューも変わったとお聞きしました
石川裕「頭を使うメニューが増えたので楽しいです」
石川彰「これまでは僕らは走っておけばOKって感じだったんです(笑)。でも今は立ち位置だったり自分が動くことを意識するようになったし、シークエンスで考えられているので理解して試合に臨むことができています」
 
―春シーズンのFW陣を振り返っていただけますか
石川裕「セットプレーは練習をそこまで取れていたわけではなかったんですけどその割りにはよかったです。モールはまだ全然やっていなくて取られたところはありました。スクラムも安定していたんじゃないですかね」
 
―やってきたことの成果は出ていますか
石川彰「出ていると思いますね。ディフェンスでは特に」
石川裕「課題はモールですね。夏に追い込んでいくかと思います」
 
―では自分自身の出来についてはどうですか
石川裕「2年生の時リザーブで試合に出たことはあるんですけどその時はファーストじゃなくて。京産大戦で初めてファーストを着られて良かったです。最後までキープできなかったことは悔しいです。萩井さん(萩井好次=監督)から直々にフィットネスやディフェンスはまだまだということも言われてきたので満足はしていません」
石川彰「満足は全然していないですね。スクラムとか納得できるところもあったんですけどまだまだ伸びることができると思っていて。フィットネスも成果が出ていてタイムも上がったりしているんですけど、まだ下のチームにいるんで夏から秋にかけて強化してファーストジャージを着たいです」
幸田「点数で言うと45点くらいですね。フィットネスは確かに上がってはいるんですけどまだまだPRの中では高くないし、実際に試合でのスクラムの時は押したり押されたり安定感はなかったと思います。ディフェンスにおいても粗いところがあると思うので、夏の間に詰めていきたいです」
 


―夏に取り組みたいことは?
石川裕「モールですね。トライを取られるのがモールからっていうのが多かったので、やっていきたいと思っています」
幸田「スクラムはまだまだ不安要素が残っているので、U―20から帰ってくる子と合わせるっていう意味も込めて、もっとレベルアップしたいですね」
石川彰「2人とも上のチームで活躍していたんですけど僕は下のチームとか真ん中のチームだったので、もっと上のチームに絡んでいきたいです。売りがスクラムとかセットプレーなのでそこはどんどん伸ばしていって、課題のフィットネスやディフェンスはもっと強化していきたいです。夏以降上のチームに行けるよう頑張ります」
 
―幸田さんは常に試合に出ているイメージがあるんですが
幸田「2年生の時からですね」
石川裕「すごいっすね」
石川彰「ずっと試合に出続けているのはすごいことです。けがしないし。萩井さんからいろいろ言われてきたとは思うんですけど、今はすごく信頼されているんじゃないですかね」
 
―石川彰さんの売りはスクラム、セットプレーだと伺ったんですがお二人は?
石川裕「スクラムです」
幸田「僕もスクラムです。あとけがをしないことです(笑)」
石川彰・石川彰「(笑)」
石川彰「大事っすね!」
 
―体を張るポジションなのでけがも多くなってしまうと思うんですがけが対策はされていますか
石川彰「アイスバスとかですかね。グラウンドの裏にプールみたいなやつに水を張ってるのがあるんです」
石川裕「練習とか試合後に入るんです。5月か6月くらいからやり始めました」
石川彰「アイスバスとか補食とか、スタッフがどんどんやってくれて環境はすごく良くなっています。アンガスさんの影響もでかいですね」
 
―入学時の自分と今の自分を比べて
石川裕「まじめになったと思います。下の頃はちょっとサボったりもしちゃってたんで」
石川彰「自主性が身に付いたかなと。もともと自主性があっていい環境だということを聞いて関学に入ったので。高校ではやらされるのがほとんどだったんですけど、大学、特に今年は最高学年なんでどんな練習がしたいとかコミュニケーションを取って考えることができるので、『自分たちがチームを変える』くらいの気持ちで楽しいです」
幸田「スクラムの技術も上がったと思うし、やっぱり入学時は体重が全然なかったのが今は100㌔に乗ったってことですかね。あと走れるようにもなりました」
 
―石川彰さんは自主性に引かれて関学へということですが、お二人が関学を選んだのはなぜですか
石川裕「高校の監督が関学出身で大崎さん(大崎隆夫=前総監督)と仲が良くて紹介してもらいました。もともとラグビーで入るつもりはなかったんですけど…」
幸田「僕は関学の方から声を掛けていただいて。高校の監督からもいいチーム、これから伸びるチームだということを聞いていたんで関学に入りました」
 


―ご自分の性格を分析してください
石川彰「僕は周りからまじめってことを言われます。風紀委員をやっているんですけど、生活面で細かいこととかも注意したりしています。具体的な仕事としては部則を徹底させて、破ったら呼び出して罰走を科したりします。今年はちょっと変わってて。今までは破った人だけが走っていたんですけど、今年はミスした人と4年生全員で走るってなってて。下級生は結構嫌がっていますよね。もうやらんって言っています」
石川裕「でも6月は毎週くらい走ったな」
石川彰「うん。言う側がまだまだ甘いんかなと思っています」
 
―石川裕さんと幸田さんはいかがですか
石川裕「マイペースです」
石川彰「そうやな…。でもやる時はやるって感じじゃない?切り替えがうまいと思います」
幸田「うーん…(笑)」
石川裕・石川彰「(笑)」
幸田「僕は周りからまじめだと言われます」
石川彰「えっ!?(笑)」
幸田「いや…ラグビーではまじめです。私生活はずぼら…?」
 
―ちょっとお聞きしたいのですが1と3に違いはあるんですか
幸田「3の方がきついっす」
石川裕「(笑)。いやそう思うよ!1は反則すれすれのプレーもできるんで楽できます」
石川彰「3はどうしようもないよな。挟まれているし、手を抜いたらスクラムが崩れてしまうくらい大事やと思います」
 
―大学ラグビー部生活でうれしかったことと悔しかったことを教えて下さい
石川裕「悔しかったことは2年でAで試合に途中から出た時、ちょうどゴール前でスクラムやったんですけどそのままトライを取られてしまって。ST(スクラムトライ)やったんでよく覚えています。うれしかったことは春シーズン初めてAでスタートから出たこともなんですけど、昨年ジュニアリーグで優勝したことです!」
石川彰「悔しかったのは昨年5月に足首をけがして、2カ月後くらいに復帰したら菅平でまたけが。その後もリハビリ、復帰、けがって感じで1年間ずっとけがしていたことです。もうアカンのちゃうかなって思ったんですけど、この春シーズンはけがなくこれて良かったです」
幸田「僕はうれしかったのは2年の時に初めて出た立命大戦です。高校時代レギュラーで出られていなかったので、大学で初めてレギュラーになったこの試合はうれしかったです。悔しかったのは昨年の明大戦です。長い間時間を共にした新里さん(新里涼=社卒)の代の先輩たちと結果を出すことができずに負けてしまったことが悔しかったです」
 
―最高学年を迎えて気持ちに変化はありますか 
石川彰「風紀委員でもあるんでチームのモチベーションを上げるためにもしっかりした態度、背中を見せていきたいと思います」
石川裕「自分がサボってしまったら下にも示しがつかないのでしっかりしていきたいと思っています」
石川彰「自分たちの学年でもっと団結しないとダメですね。風紀委員をしていると下からいろんな意見も聞くので」
石川裕「仲の良い後輩も「この人のこういうとこはいいんですか?」ってことを言ってくるので。言ってくれるのはありがたいんですけど言われないようにしないと」
 
―では最後にラストイヤーにかける意気込みをお願いします
幸田「日本一のPRになる。以上です」
石川裕・石川彰「(笑)。かっこいいー」
石川彰「Aチームで日本一。風紀委員として風紀面でも日本一になりたいです」
石川裕「ファーストジャージーを着て日本一になることです」



(左から)
■幸田雄浩(こうだ・たけひろ)/東福岡高/経4/180㌢・102㌔/ゲーム
■石川彰吾(いしかわ・しょうご)/近畿大学附属高/文4/166㌢・98㌔/映画鑑賞
■石川裕基(いしかわ・ゆうき)/名古屋高/社4/163㌢・110㌔/ボーリング

『スピリッツ』vol.72

投稿日時:2012/07/04(水) 21:12

 春シーズン最終戦となった宿敵同大との一戦。関学はディフェンスから試合を作り、19―14で同大を下した。藤原組は白星で今季を終え、夏を迎える。まだまだ藤原組から目が離せない!



【宿敵】
 春シーズン最終戦の相手は同大。昨リーグ戦では後半ロスタイムでの追い上げも虚しく、1点差で敗北を喫していた。「その借りを返す。やってきたことを出し切るだけ」。春から徹底してきたディフェンスを信じ、同大に挑んだ。
 先制点を挙げたのは関学だった。開始早々、マイボールラインアウトからモールを形成。LO丸山(社3)がそのまま押し込みゴールラインを割った。その直後、同大に逆転を許し5―7に。なんとしてでも取り返したい関学は果敢に敵陣へ。前半終了間際、ラックから持ち出したLO藤原(商4)がトライをねじ込み、逆転に成功。12―7で前半を折り返した。
 後半、CTB吉原(人4)がトライを挙げ、19―7と点差を広げた関学。後半10分、同大にトライを許すも、粘り強いディフェンスで守り切り、19―14で試合終了。同大を下し、白星で春シーズンを終えた。

【夏へ】
 「勝って終われたことは大きいが、今日のようなきん差では関東の大学に勝っていけない」と主将・藤原。もっと走らないと、と今後の課題を語った。春シーズンの試合結果は7勝1敗。シーズンを通して強化してきたディフェンスの成果は表れている。夏合宿では関東の大学と試合が組まれており、夏にかけてさらに磨きをかける。徐々に形になりつつある藤原組のラグビー。この夏の成長が日本一への鍵となる。

『スピリッツ』vol.71

投稿日時:2012/06/26(火) 18:19

 両者トライなしと均衡状態で迎えた前半30分。試合を動かしたのはCTB水野俊輝(人2)だ。流れを引き寄せる先制トライを決め、その後も積極的なタックルで関学を勝利へと導いた。



【再出発】
  「自分たちは強くない」。先週の関関戦で今春チーム初黒星を喫した藤原組。挑戦者の気持ちを再燃させ、今試合に臨んだ。前半は自陣深くまで攻め込まれるも、粘り強いディフェンスで相手の攻撃を封じる。そして前半30分、試合が動いた。ディフェンスからターンオーバーに成功した関学。パスを受けた水野がゴール右隅に飛び込みトライ。待望の先制点を奪った。「ここでチームの流れが良くなったら、と思っていたので。起点になれて良かったです」と振り返った。
 5―0で前半を折り返した関学。後半も勢いに乗るかと思われたが、2トライを返され、5―10とリードを許す。だが敵陣ゴール前でFWが強さを発揮。モールを押し込み、HO南(人3)のトライで12―10と逆転に成功した。その直後、WTB松延(商4)が相手を引き離す決定弾を挙げ、17―10でノーサイド。リードを守り抜き、関東学院大を下した。
 
 【集大成】
 「個人のディフェンスは評価できる部分もあった。アタックのミスが目立ったので、そこからしっかり詰めたい」とナンバー8藤原(商4)。おごることなく、気持ちは次へと向いている。次戦の相手は、昨リーグ戦で惜敗を喫している同大。春シーズン最終戦となる。「やってきたことをしっかりやるだけ」。春の集大成を白星で飾りたいところだ。

『スピリッツ』vol.70

投稿日時:2012/06/20(水) 11:23

 まさかの敗北だった。昨年の関関戦では8年ぶりに黒星をつけた関学。雪辱を誓い挑んだが接戦の末に2点差を覆され19―20で逆転負けを喫した。



 昨年の関関戦での屈辱を晴らすことができず、関学ラグビー部は2年連続の黒星となった。
 前半、先手を取ったのは関大だった。関学は着実に陣地を奪いチャンスを作るも関大の攻撃を止めることができずトライを許してしまう。しかし前半終了間際、関学が意地のプレーを見せた。敵陣22㍍付近のラックからパスを回し、WTB金尚(総2)がトライ。コンバージョンキックを成功させ、同点に追いつき前半を折り返した。
 壮絶な点の取り合いを繰り広げた後半戦。開始直後に失点した関学だが果敢に攻め続け、モールで押し込みリードを奪う。その後、関大の反撃を受け5点のビハインドを背負う。だが後半33分、ゴール前でFWが圧力をかけ得点を奪い19―17と逆転に成功。このまま逃げ切りたかった関学だが、終了直前に関大にペナルティーゴールを決められ19―20で敗北。1点差での惜敗に部員たちは肩を落とした。「相手のテンポにのみ込まれ自分たちのラグビーができなかった」と主将・藤原(商4)は悔やんだ。昨年と同様、苦汁をなめることとなった。

『スピリッツ』vol.69

投稿日時:2012/06/15(金) 13:08

 SH湯浅航平(人3)、大健闘!関学は7点ビハインドから、湯浅の2本連続トライで逆転に成功。素早い球さばき、そして積極的な攻めの姿勢で、3年ぶりに天理大を破る立役者となった。
 
 

【好機逃さず2弾】
 昨リーグ戦では出場機会のなかった湯浅。1年ぶりに立った大勢の観客が見守る大舞台に気持ちは高まっていた。
開始早々、関学は天理大に先制点を許す。だが前半15分、湯浅が敵陣ゴール前スクラムからボールを持ち出し、右隅にトライ。5―7と2点差に詰め寄った。その直後、またしても湯浅が動く。ラックからボールを持ち出しインゴールへと駆け込み、2本目のトライをねじこんだ。湯浅の2トライで関学は10―7と逆転に成功した。「2本ともうまくスペースが空いていたので。久しぶりに決められてうれしいです」とコメント。その後も素早い配球でチームを勢いづけた。
  「スクラムハーフは安定感が命。安定したプレーで、チームに安心されるような存在になりたい」。背番号9を背負ってスタメン出場し、チームに貢献することが目標だという。し裂なSHのレギュラー争いに名乗りを上げた湯浅。得意のキックとことん攻め、スタメンの座をつかみにいく。

  期待の新戦力が試合を決めた。17―14ときん差で迎えた後半23分、関学は敵陣22㍍付近でラックを形成。ボールを拾ったSH湯浅がSO宇都宮慎矢(社1)へとパスをつなぐ。絶好の位置でボールを得た宇都宮。迫りくる天理大のディフェンスをかわし、試合を決めるトライを奪った。
 値千金のトライに「言葉にできないくらいうれしい」と喜びを語った宇都宮。公式戦デビュー戦となった試合で存在感を猛アピールした。「修正点はたくさんあるが、常に挑戦の気持ちでミスを恐れずにやっていきたいです」。即戦力ルーキーとして、今後の活躍に期待がかかる。 

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