「新里組~Challenge~」
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ラストインタビュー 新里涼
投稿日時:2012/03/17(土) 12:00
―引退してからどうされていますか
小学校からラグビーばっかりの生活をしてきたんで、何したらいいんやろって(笑)。こんなにも自由な時間っていうのは一生で最後やと思うから今までの分も遊んだりしてます。4月から警察学校に行くのでそれに向けて走ったり筋トレをして、なまり切らないようにしています。
―練習の方に顔を出したりは
グラウンドには一回も行ってないです。気にはなっているんですけどね…。
―現役時代のことを思い出したりすることは
もっと頑張れたんじゃないかって後悔はあります。ラストは肉体的にも精神的にもきつい一年やったんですけど、同期が支えてくれてみんながいたから頑張れました。仲間の大切さを実感しました。
―最後の明大戦のビデオは見られましたか
まだ見てないですね。見たいなと思ってから見ようと思ってます。
―選手権大会の決勝戦は見られましたか
見ました。すごく悔しかったです。自分たちもあそこで戦うことを目標にしてたんで、うらやましくもあり悔しかったです。
―新チーム始動時はどのようなことを考えていましたか
とりあえずチームを強くしようと思いました。ラグビーだけじゃなくいろんな面ですばらしいチームを目指しました。同期の助けもありましたけど、今考えたらよくやってこれたなと思います。立候補で主将になったんですけど、自分がチームを引っ張るのかと思うと不安もありましたね。
―今年は昨年のスタイルから大きくチェンジしました
4年生数人と萩井コーチと話し合いをして、何か変えないとあかんってなって展開のラグビーを目指すということになりました。結果に対する不安よりも、「こんなラグビーがしたい」って気持ちで楽しみでしたね。中学・高校時代はラグビーや戦術についてそれほど深く考えてこなかったんですが、最後の一年はラグビーについて考える時間が本当に多くて、大変でしたが楽しかったです。

―成長を感じ始めたのはいつごろですか
夏合宿あたりからかな。自分たちはそれほど分からなかったけど、コーチ陣とか外から見ていた人から「春にパスやっててよかったな」ってことを言われました。特に筑波大戦は良かったと思いますね。内容的には東海大戦以外は良かったんじゃないかな。最後の早稲田戦は全チーム勝って終われましたし。意思統一を図ることができました。
―ジュニアチームの活躍について
昨年からBチームはずっと強くて。Aチームにとって、毎日強いBチームとできるのは良いことだと思うし、両チームがお互い切磋琢磨していい相乗効果ができてるんじゃないかな。
―チームを統一するために行ってきたことはありますか
下の学年の中心選手を4年生ミーティングに参加させたり、少しでも不満が解消されるようにして、練習の意図や方向性を伝えて学年を越えての意思統一をしました。4年生だけが団結していてもダメやと思ってて、できるだけ下との温度差をなくせるように心がけました。そういった点でも、春は戸惑いもあって最後の方に少し崩れてしまったけど、夏合宿で意思統一できて持ち直しましたね。
―リーグ戦を振り返っていただけますか
去年と違うラグビーをってことで結果はあまり気にしていませんでした。でもやっぱり心の中で勝たなあかんって思ってしまって、それが変なプレッシャーになって立命大戦では出てしまいました。立命大戦後に話し合って、今年やってきたことを出し切ろうっていうことを再確認しました。毎試合ごとに修正点を話し合って練習で克服していって、成長している感覚はありましたね。大体大戦では大雨でボール動かせずにミスしたり、FWのプレッシャーに負けたり、体大のイメージ通りに進んでしまいました。毎試合課題を克服して臨んでいたんですけど、同大戦にしても大体大戦にしても、敗因はいつも似ててミスが多くて。それでも勝ちきれなかったのはやっぱり力の差があったんだと思います。
―リーグ戦5位という結果について
今年スタイルを変えたっていうことは絶対に言い訳にしたくなくて。結果が出せなかったことに関して先輩方には申し訳ない気持ちはあって、期待に応えられなかったことは残念なんですけど、今年やってきたことには後悔していないです。
―結果を気にせずに新しいスタイルにこだわり続けた理由は
入学してからずっとFW中心のチームで。ここ2年は特に、FWでゴールまでいってトライとるっていうスタイルでした。関西の中ではこれで勝負できても、全国にいくとFWもBKも強くて。FWでつぶされたら、BKでは太刀打ちできないって思ったんです。FW中心のチームではベスト8の壁に阻まれてしまうので、FWも強化するのと同時にBKも強化しないとって。キックだけに頼らず、どこからでもつないでアタックできるように、継続と展開力をテーマに切り替えましたね。
―正直、軸がぶれそうになったことは
…ちょっとありました。立命大戦では自分たちのラグビーができず、同大、体大にも負けたときに、いろんな周りの声も聞こえてきて。「本当にこのままいくんか」っていう声もあって迷いがなかったって言ったら嘘になるけど、今年決めたことやし。勝ちたいっていう気持ちはもちろんあったけど、自分たちのラグビーを試したいし、今年のラグビーで勝ちたいっていう気持ちの方がありました。負けたらそれは自分らの力不足なので。力出さずに負けたら、後悔しか残らないですしね。

―選手権初戦の相手は明大でした
2年前、小原さんたちの代で負けたんですけど、今年は今年だからって。気負いはしませんでしたし、自分たちが決めたラグビーを思いっきりやって楽しもうっていう気持ちが強かったですね。
―終わった瞬間のことは
実は、試合終了5分前くらいからチラチラ時計が気になってて。「このメンバーでできるのも後これだけか」って。終わった瞬間は何も考えられなかったです
―ラストイヤーのプレーは
思うようにプレーできなくて自分に腹立つこともありました。もっとキャプテンとして体はったプレーができたら、っていうのは引退してから思いましたね。Aチームで出て誰よりも体を張ったプレーでチームを引っ張らないといけなかったのに、できなかったのも自分の実力で。Aで出れない分、渉(前副将=小原)がチームを引っ張ってくれました。プレーでも毎試合毎試合引っ張ってくれて、心強かったです。申し訳ない気持ち半分、感謝の気持ちでいっぱいですね。
―主務の松村さんもパートナーとして
本当に大変そうでしたけど、スタッフ陣がいなかったらチームは成り立たないし、運営もうまくいかない。スタッフには本当に感謝しています。毎日練習後にミーティングしている姿を見て、選手もがんばらないとなって思いましたね。
―思い描いていたリーダー像は
特になかったですね。キャプテンの先輩たちはリーダーシップがある人ばっかりだったけど、それをマネするんじゃなくって、自分らしくやろうって。1人1人それぞれカラーがあると思うし、自分らしくやっていこうって思っていましたね。
―では新里さんのカラーは
・・・まじめさですね。
―新里組のチームのカラーは
上下関係がなくて、学年の壁を越えたつながりがあることですかね。4年生が優しすぎるっていうのもあるんですけど、その分下から意見を言ってくれることも多かった。それを参考にしながら進めたり、やりやすかったです。
―やりがいを感じたときはどんな時ですか
自分が出ている、出ていないにかかわらず、勝ったときはうれしかったですね。
―大変だったことは
たくさんあるけど・・・僕、考えすぎる癖があって…。そこまで深く考えなくてもいいことでも、ほぼ毎日あたまにひっかかることがあったり、考えすぎてしまうこともありましたね。試合に出られなかった時期もあって、「自分が本当に主将なのか」って考え込んでしまうこともありました。でも出てなくてもチームが勝てればそれでいいなって思いました。
―関学ラグビー部で得たものは
仲間の大切さですね。小学校の頃からずっとラグビーをしてきたけど、周りとのつながりが大事ってよく言われてきたけど、今まではそんなに感じることはなくて。特に今年1年は、仲間に支えられて頑張れたってすごく感じましたね。本当に仲間の大切さを学びました。

―横断幕に「協心」という言葉を書いていましたが
高校生の部活の時の合言葉のひとつで。心をひとつにして戦っていくっていう意味で。今年、チームが始まるときに、チーム全員心ひとつにして戦っていきたいって思いました。
―Challengeというスローガンについては
Changeっていう言葉も含んでいたんですけど・・・まだまだですね。チームの規律、風紀をもっと大事にしていきたいと思っていたんですけど・・・まだまだ甘い部分があると思います。
―後輩への期待は
去年からスタイルを変えたんですけど、それをこれからの関学のスタイルにしていって欲しいですね。なおかつ、今年は結果も残して欲しいです。去年から良いメンバーも残っているし、今年は期待しています。
―4年間を振り返って
長かったですね。高校の時と比べると、毎日授業して部活して帰って寝て、の繰り返しで。大学に入って自由な時間も増えて、その分長いって感じました。
―関学ラグビー部での生活はいかがでしたか
学校生活のほとんどラグビーでしたね。毎日ずっとラグビー部の友達といました。本当に関西の中でも一番良いチームだと思います。
―同期に伝えたいことは
とりあえずみんなに「ありがとう」と言いたいですね。頼りないキャプテンやったと思うけど、支えてくれて頑張れたのはみんなのおかげ。本当にありがとうって伝えたいです。これから一生大切にしていきた仲間です。
■新里涼(しんさと・りょう)/2011年度ラグビー部主将/大工大高/173㌢・82㌔/旅
ラストインタビュー 松村宜明
投稿日時:2012/03/13(火) 16:27

―引退してから3ヶ月が経ちました。今のお気持ちは
4月から就職するので、同期と旅行をしたりしています。今思うと、大学生活はラグビーしかしてなかったなって思うくらい。朝昼晩ラグビーでした。
―練習を見に行ったりはされていますか
僕はそんなに行ってないですね。同期のみんなは良く誘い合ってウエイトとか行っていますね。またトップリーグへ進む選手はウエイトやトレーニングを続けていますね。今は気持ちが楽になってみんなラグビーを楽しんでいます。本当に今思うのは、ラグビーを通しての友達やつながりがとても多い。先輩やOBの方、同期、後輩もだけど他大学の主務とも飲んだりしています。ラグビーでのつながりの仲間は本当に多いです。
―この一年を振り返ってどうですか
悔やまれる試合、取りこぼした試合が多くて、悔しい部分は思い出すけど、ただすべての試合でひとつのことをやり続けることは自分らの誇りですね。結果は求められるから、怖さもありました。リーグ戦で3試合落としてしまったことなど悔やまれることも多いけど、Challengeし続けられました。ボールを回して展開するっていうことは貫けたし、新里組の良いところだと思う。でも…やっぱり結果が出せなかったことが悔しかったです。
―ラグビーを始めたのは
小1の時です。父親に連れられて。ほんとは少年野球がしたかったんです。はじめは嫌で仕方なかったんですが、高学年になるにつれ楽しくなってきて、中学に入り好きになりました。
―なぜ関学を選んだのですか
指定校推薦です。法学部に入りたいという気持ちが強くて、先輩である寺前さんとラグビーがしたくて関学に決めました。寺前さんの存在が大きかったですし、試合に出たいという思いもありました。1年生の時に優勝して、翌年に連覇、昨年も関西2位で。強い時の関学しか知らない僕らが関西5位という結果に終わってしまった。自分らの代で結果が出せなかったことは悔しいですし、これからは「強い関学」を当たり前にしないといけない。今よりもっと高めていって欲しいですね。
―副務になったきっかけは
2年間は選手としてプレーしました。B、Cチーム中心に出ていて、時々Aチームの試合にリザーブで出させてもらったこともありました。Bでもほんとに強い人とラグビーができましたし、レベルの高い中でレギュラーを目指したいっていう気持ちはありました。でもこいつらと日本一になりたい、もっと強くなりたいと思った時、副務という役割を意識しました。手術や脱臼癖もあって気持ちに体が付いてきてなかったんです。気持ちは前に向かっても、体が動かない。はがゆい気持ちがありましたね。そのとき「チームのためになれているのか」を考えたときに、全力でやれる副務になると決めました。性格的にはそういう感じではないんですけどね(笑)。ずっと続けてきたラグビーがなくなることを思うと怖さはありましたが、同期の思いや言葉を聞いて、最後は自分で決めて、やらせてほしいとみんなに頼みました。やらされてるんじゃなくて自分で決めてやることだから、絶対に逃げ道はありませんでしたね。もちろんプレーしたいという気持ちもあったけど、チームにはそれぞれひとりひとりの役割があって。自分の役割をまっとうしよう、それがチームのためになるんじゃないか、と思ったんです。
―副務の経験をして、主務になったときはどうでしたか
チームを作れるってことで、楽しみでしたね。関学ラグビー部は人数が多いし、全員のモチベーションを大事にしたかったし、切らしたくなかった。主務になって取り組んだのは全員が毎週試合をできるようにしたことですね。これは副務をしてるときからやりたいと思っていました。試合数が増える分、上のチームに上がるチャンスが増えるし、全員をちゃんと評価したかった。何よりも選手のモチベーションアップにもつながると思ったんで。対戦相手も実力に見合った相手と試合をできるように心がけました。練習ジャージを作ったのも、大変やったけどジャージでチーム分けをできるようになったし、統一感が出て良かったかなと。

―松村さんが軸としていた言葉のようなものはありますか
軸としていたって言えるかどうか分からないですが、「ありがとう」、「ごめんなさい」を言えるようにしようっていうのはスタッフのミーティングで話しました。対人関係においてもチームにおいてもそれは大事なことやと思ってて。大崎前監督や萩井現監督がそこをしっかりしていて見習おうと思いました。あとは「逃げるな」かな。自分で副務をやろうって決めたことなんで、同期のためにも自分のためにも逃げるなって言い聞かせていました。
―理想としていた主務像があれば教えてください
小島祥平(文=09卒)さんを尊敬しているんですが、自分は小島さんのようなマネージャータイプでもなくスマートでもなくて。どちらかといえば選手と積極的に話したり、試合をたくさん組んだりしたりするアグレッシブなタイプでした。一緒にやって体感しないと選手の気持ちは分からないって思っていたので、選手との関わりっていうのを大切にしていましたね。理想はスマートさとアグレッシブさを兼ね備えている主務でした。
―自分たちの代が始まった時のお気持ちは
副務のときは下積みで正直自分たちの代のためにっていう思いがあったんですが、最後の年はとにかく涼(=前主将・新里)のために、涼を日本一にしたいっていう気持ちでした。
―主務として、スタッフの一番上にも立ったわけですが
同学年のトレーナースタッフが3人ともが我が強くて(笑)。ぶつかり合ったり一歩引いてみたり話し合いをしたり。マネージャーのみっきー(=MG荒木)は性格も分かりあえてたし、お互いに不足しているところを補てんできるようなパートナーでしたね。事務作業でも助けてくれたし、みっきーがいたから頑張れたっていうのはありますね。
―春シーズンは成績が奮いませんでした
正直落ちました。でも逆にこれがリーグ戦前やったら…と思って。見直すチャンスができたと思うようにしました。シーズンに向けてのいい薬になったと思うし、早めに気付けて良かったです。
―夏合宿ではいかがでしたか
AチームからFチームまでの試合を組むのは大変やったけどできて良かった。Aチームで頑張るのは当たり前のことやけど、この合宿では全チームが頑張っていたし成長してくれたと思いましたね。4年間で一番成長を感じました。今回の夏合宿では萩井さんとよく相談して、スケジュール調整をして試合尽くしにならないようにしたりもしました。
―リーグ戦は奮わず5位という結果に終わりましたが
選手権の抽選会になんで行けへんのやろって思いましたね(笑)。リーグ戦前、自分たちは強い関学しか知らなかったので、「強い」って自信持っていって、何やってるんやろうって思いました。初戦の立命大戦では小さくなってしまったり、結果は5位やけど自分たちの目指したラグビーをしっかりやり続けてくれました。こいつらならやってくれるって信じてたし、実力はあったと思うけど、発揮できなかった。やっぱり結果は大事やし、結果が出ればモチベーションにもなるし、相手との心理戦でも変わってくる。でもチームのスタイルをやり続けてくれて、感謝しています。自分たちのラグビーには間違いなく自信はありました。
―朝日大戦では4年生の活躍が多く見られました
やっぱり同期の活躍を見られるのはうれしいことです。特にはったん(=WTB畑中康)が試合に出て活躍してくれたのは本当にうれしかったな。1年の時からずっとジュニアチームで頑張ってて、最後につかみ取って。怪我しても折れずにやってきているのを見てきたから、活躍がうれしかったし誇りに思いました。
―明大戦について
2年前に負けた相手だったので負かしたいって思いでした。今年のスローガンであるチャレンジの中にはチェンジって意味も含まれていたので、最高のチャレンジをして歴史を変えて欲しいなと。気負いした感じではなく、楽しみな気持ちの方が強かったですね。試合が終わった瞬間は実感がなくて、「また来週もラグビーしてるのかなあ」とか考えてたけど、涼が泣いてるのを見て終わったんやなーって。悔やまれるところはあるけど、自分たちのラグビーをぶれずにやり続けることはできました。悔しい思いの積み重ねがあるからまた次頑張れると思うし、下の代の子たちは、この思いを覚えててやってくれると思うから、すごく期待しています。

―ラグビー中心の生活だったと思いますが
本当に出会いの多いスポーツだなって。ラグビーを通して尊敬できる人に出会えたし、一生の仲間に出会えました。小学校からずっとやってきて、ラグビーを通してできた仲間は本当に多いです。関学に来てからもたくさんの仲間に出会いました。先輩、後輩、同期の仲間とか、頑張っている人に出会えたなって思います。主務になってからもコーチ陣とかOBさんに関わることができました。ラグビーを16年やってきたけど、この4年間は特に濃かったです。出会いの連続で大きくなれたなって思いますね。
―主務をしていて大変だったことはありますか
いっぱいあるんですけどね…。一番は2次合宿でグラウンドのトイレ掃除をしたときです(笑)
―では、やりがいを感じたときは
みんなが普通にグラウンドでラグビーを楽しんでいて、試合に勝って喜んでいる姿かな。よく「ありがとう」を言われたときって言うけど、僕は違ってて。主務っていうのは自分が決めたことだし、やりたくてやっていることやから、見返りは求めませんでしたね。「ありがとう」って言葉よりも、練習でも試合でもみんなが楽しんでくれているところ見たら、十分でしたね。
―仕事のモチベーションになったのは
ひとつは、自分が決めたことは最後までやらないといけないっていう責任感。もうひとつは、楽しそうにプレーしている仲間ですね。あとは、後輩の成長を見れた時かな。試合を組んだり、本当に荷は重かったけど、自分が考えて思いを持って動けましたね。良い意味でラグビーを客観的に見れるようになりました。
―主務の仕事を通して成長したなと思う部分は
冷静に物事を見れるようになりました。あとは、言葉に気をつけるようになったし、言葉を選ぶようになった。本当に人間的に成長できたなって感じます。
―今年1年間、松村さんがチャレンジしたことは
「選手に良くなることは全部やろう」って考えていましたね。ちょっと難しいことでも、選手の為になることなら、できるようにする工夫をして全部やろうって。食事に関してもそうだし、試合数を増やしたり、練習時間の調整をしたり。毎日チームに良いことをして頑張りました。新しいことをするっていうよりも、今まで積み上げてきたボトムを強化することが僕の挑戦だったかなって思います。トレーナーやコーチの意向や、話し合いに参加してみたり。当たり前のことを当たり前にできる人っていうのは目指していたかな。
―後輩達に残せたものは
最後まで貫くこと、やり続けることの大切さは、同期のプレーとか涼から伝わったんじゃないかなって思います。「涼だから頑張れた」って思いはあるし、ひたむきに頑張り続ける人で、尊敬していますね。
―後輩への思いは
強い代も、思うような結果を出せなかった代も、いろんな代を見ている学年だと思います。信じてるし、まちがいなくやってくれると思っています。心配もしてないし、頼もしい。OBとして応援しています。
―同期へ伝えたいことは
「主務やらせてもらってありがとう」ですね。みんなの頑張りを見て、僕自身頑張れたと思っています。これから社会に出て、慣れないことも多いけど、常にみんなチャレンジしていきたいって思います。
■松村宜明(まつむら・よしあき)/2011年度ラグビー部主務/172㌢・76㌔/名古屋高/お茶をすること
『スピリッツ』vol.59
投稿日時:2011/12/22(木) 21:48
新里組、終幕。国立出場を目標にチャレンジし続けた1年に終止符が打たれた。大学選手権1回戦で明大と対戦した関学。終始、ペースを奪われるも、終盤には関学は粘り強さを見せる。だがトライを奪うことはできず、3―38で敗北。今年も関東の壁を破ることはできず、新里組の挑戦は幕を閉じた。

【勝利への改革】
新里組のスローガンであった「チャレンジ」。これまでのFW主体の攻撃からスタイルを変え、FWとBKとが一体となった展開のラグビーを掲げた。それは関東の大学を倒し、国立出場を果たすため。すべてがチャレンジだった。だが春から徹底したラグビーもリーグでは奮わず、関西5位。関西第5代表決定戦で朝日大を完封で下し、選手権への出場権を得た。関学は全国の舞台へと駒を進め、スタートラインに立ったのだ。
初戦の相手は明大。2年前、関学は選手権2回戦で明大に敗北を喫している。当時のFWで押すラグビーとは異なる、現在の関学のスタイル。その進化を見せるには絶好の相手だった。
序盤は明大のプレッシャーにおされ、ペースを握られるも、選手たちの胸に宿るチャレンジャーの精神。前半の終盤からは粘り強さを見せ、懸命なタックルで相手をしのいだ。積極的にパスを回し敵陣へと攻め入るも、トライを挙げることはできないままノーサイド。3―38で明大に敗北し、初戦敗退。今年も関学は関東の壁に阻まれ、新里組の挑戦は幕を閉じることとなった。
【託された挑戦】
まだ見ぬ地を目指し、改革を試みたこの1年。「残念な結果に終わってしまったが、今年やってきたラグビーは間違っていなかったし、貫くことはできた。後輩達には今年完成できなかった新しい関学ラグビーの続きを作り上げて欲しい」と主将・新里(社4)。今年のラグビーが正しかったことを証明するのは、今後のチーム。打倒関東の挑戦は、次世代へと託された。

【勝利への改革】
新里組のスローガンであった「チャレンジ」。これまでのFW主体の攻撃からスタイルを変え、FWとBKとが一体となった展開のラグビーを掲げた。それは関東の大学を倒し、国立出場を果たすため。すべてがチャレンジだった。だが春から徹底したラグビーもリーグでは奮わず、関西5位。関西第5代表決定戦で朝日大を完封で下し、選手権への出場権を得た。関学は全国の舞台へと駒を進め、スタートラインに立ったのだ。
初戦の相手は明大。2年前、関学は選手権2回戦で明大に敗北を喫している。当時のFWで押すラグビーとは異なる、現在の関学のスタイル。その進化を見せるには絶好の相手だった。
序盤は明大のプレッシャーにおされ、ペースを握られるも、選手たちの胸に宿るチャレンジャーの精神。前半の終盤からは粘り強さを見せ、懸命なタックルで相手をしのいだ。積極的にパスを回し敵陣へと攻め入るも、トライを挙げることはできないままノーサイド。3―38で明大に敗北し、初戦敗退。今年も関学は関東の壁に阻まれ、新里組の挑戦は幕を閉じることとなった。
【託された挑戦】
まだ見ぬ地を目指し、改革を試みたこの1年。「残念な結果に終わってしまったが、今年やってきたラグビーは間違っていなかったし、貫くことはできた。後輩達には今年完成できなかった新しい関学ラグビーの続きを作り上げて欲しい」と主将・新里(社4)。今年のラグビーが正しかったことを証明するのは、今後のチーム。打倒関東の挑戦は、次世代へと託された。
マネージャーインタビュー「影の功労賞」大切な仲間
投稿日時:2011/12/17(土) 16:10
選手権を目前に控える関学ラグビー部。彼らの挑戦をすぐそばで支えているマネージャーがいる。選手たちが最高のパフォーマンスができるように、と努力を惜しまない。選手たち、そしてチームへの熱い思いに迫った。

―ラグビー部に入部されたきっかけは
入学時からマネージャーはしたいと思っていました。グラウンドに降りて、選手の近くで自分も動いて仕事がしたくて。あとは、高校時代、友達がラグビー部のマネージャーをしていて、選手との信頼関係がすごくうらやましいと思ったこともありました。入学してラグビー部の見学に行ってみると雰囲気がすごく良くて、関学ラグビー部にしかない信頼関係を築きたいと思って入部を決めました。
―マネージャーの仕事内容は
練習試合や合宿、試合など、選手がラグビーできる環境を整えることです。マネージャーがちゃんとしていたら選手に支障は出ないし、マネージャーがちゃんとしないとチームは回らなくなる。当たり前に練習できる環境を作りたいですね。
―マネージャーとして心がけていることは
スピードは意識しています。仕事が遅くなるだけでチームが動かなくなることもあると思うし、マネージャーは先に先に考えて動かないといけないと思います。あとは役割に責任を持ってやることですね。4年生として動いているから、後輩のミスは自分のミス。後輩たちを指導しているのは自分だから、先に見てやらないとって思っています。今は下を成長させるために、先のチームのことまで考えて仕事ふったりしています。
―マネージャーになって得たことは
私は支えるよりプレーヤー向きだと思ってて、高校時代もチアやってたし、考えやすい面もありました。マネージャーでもいろいろな方法ややり方があって、一番いいと思ったことも正解とは限らないし。プレーヤーのときは「ひとりひとりが頑張れば」って思って頼ったりしたことはあったけど、今思えば1人ができてもいいわけじゃないなって感じます。チアってチームスポーツだけどライバルで、思いやりとか支え合いの気持ちは必要だし、それはマネージャーにもすっごい大事なことだと思ってて。やった分だけ成果は出ると思うけど、ちゃんとできてるか不安なときもあるけど、ちゃんとしてたら下には伝わると思います。マネージャーになって、人のこと、周りのこと考えるようにはなってきたけど、まだまだチャレンジしていく気持ちはあります。

―やりがいを感じるときは
試合で勝ったときはもちろん嬉しい。でも、マネージャーの後輩の成長を感じられたときもすごく嬉しいです。後輩が頑張っているのはすごく嬉しいし、自分が言ったこととか関わったことで良くなったな、って感じるときはやりがいを感じますね。
あとは朝練や雨の練習はとても大変だけど、そんな中でも一生懸命頑張っている選手の姿を見ていると、やってて良かったなって思います。自分が落ち込んでいる時にも声をかけてくれたり、支えてくれる仲間ができました。でもそれが周りがわかるように出ているのは、私もまだまだだなって思う。私はプレーヤーじゃないからずっと一緒にいるわけじゃないけど、良い人間関係が築けています。仲間に熱いラグビー部じゃないと無理だったかなって。自分の悪いところも見えて不安になることもあるけど、ラグビー部に入らないとそのような経験もできなかったと思うと、入部して良かったです。
―モチベーションの維持が難しかったことは
・・・そんなにないです。同期に熱い子が多くて、自分が上を目指してても、みんな見てたらまだまだって思うし。周りに影響力がある子が多いから、悩んだりへこんだりしても時間が経ったら前向きになれますね。主務の松村くん(法4)も気持ち入れてやっているのがわかるし、一番近くにそういう存在がいて嬉しいです。相方が松村くんで本当に良かったって思います。私も「これやったらチーム良くなる」って思ったらやる気になるし。一つずつ全部やっていこうって思いますね。
―関学ラグビー部のマネージャーならではの部分は
学生主体な分、大変なところもあるし、私たちが入った代から強くなりだして。私は「一生懸命になりたい」って思って体育会に入ったし、しんどくないとやっている意味はないと思う。学生主体っていう部分で、マネージャーも他大学よりやることも多いし大変だと思うけど、その分成長できるし、だからこそやっている意味があるって思います。雰囲気もいいし、このチームでよかったなって思います。関学ラグビー部に自分がいれて良かったと思います。
―理想のマネージャー像は
私がいたら元気になってもらえる存在ですかね。軽くモチベーションあげられるような存在。トレーナーは直接支えられるけど、マネージャーは元気を与えるのが存在している意味かなって。チームの中で、人に元気を与えられる存在になりたいです。
仕事の面では、信頼されるマネージャーになりたいですね。私はマネージャーは仕事ができないと意味がないと思うし、選手からもマネージャーからも信頼されないとって思っています。不安与えてたらダメだと思うし、信頼が一番必要だと思います。
―試合中はどんな気持ちで見ていますか
自主練習とかも含め、いっぱい練習してきているの知っているから、「トライしてほしい」じゃなくって「トライする」って思って見てるかな。「○○して欲しい」じゃなくて「○○できる」って思ってますね。4年目の今年、同期頑張っているの知ってるし、がんばってやってきたからわくわくしながら見ています。勝てる勝てるって思って。みんなの頑張りを見てるから、試合中に迷いとか不安はないですね。
―リーグ戦を振り返って
勝ちたかったけど結果は変えられないし、まだ目標達成の可能性はある。次を見てやるしかないですよね。結果はこうやけど、強い相手にこそ良い試合してるし、選手権ではいけるかなって思います。選手権で勝てればいいんで。
―荒木さんが求めて入部した信頼関係は築けていますか
みんな大切な仲間で、本当に大好きです!それはしんどいことも一緒に乗り越えているからだと思います。みんな優しくて、熱くて、思いやりがあって・・・。どのスポーツよりもラグビーを選らんで絶対良かったって思うし、ラグビー部がいい。ラグビー部だから築けた信頼関係だと思います。
―最後の大会の選手権を目前にひかえていますが
実感はないですね。・・・終わりたくないです。ここまできたら日本一にならないともったいない。みんなそのためにやってきたから、ただ勝ちたい。それだけですね。
―最後に選手たちにメッセージを
今までやってきたことを信じてやったら勝てる。私は勝てると思って見ています。試合に出るのは15人やけど、チーム全員で戦うって気持ちでプレーしてくれたら、と思います。
■荒木美妃(あらき・みき)/MG/人4/九州学院/173㌢

―ラグビー部に入部されたきっかけは
入学時からマネージャーはしたいと思っていました。グラウンドに降りて、選手の近くで自分も動いて仕事がしたくて。あとは、高校時代、友達がラグビー部のマネージャーをしていて、選手との信頼関係がすごくうらやましいと思ったこともありました。入学してラグビー部の見学に行ってみると雰囲気がすごく良くて、関学ラグビー部にしかない信頼関係を築きたいと思って入部を決めました。
―マネージャーの仕事内容は
練習試合や合宿、試合など、選手がラグビーできる環境を整えることです。マネージャーがちゃんとしていたら選手に支障は出ないし、マネージャーがちゃんとしないとチームは回らなくなる。当たり前に練習できる環境を作りたいですね。
―マネージャーとして心がけていることは
スピードは意識しています。仕事が遅くなるだけでチームが動かなくなることもあると思うし、マネージャーは先に先に考えて動かないといけないと思います。あとは役割に責任を持ってやることですね。4年生として動いているから、後輩のミスは自分のミス。後輩たちを指導しているのは自分だから、先に見てやらないとって思っています。今は下を成長させるために、先のチームのことまで考えて仕事ふったりしています。
―マネージャーになって得たことは
私は支えるよりプレーヤー向きだと思ってて、高校時代もチアやってたし、考えやすい面もありました。マネージャーでもいろいろな方法ややり方があって、一番いいと思ったことも正解とは限らないし。プレーヤーのときは「ひとりひとりが頑張れば」って思って頼ったりしたことはあったけど、今思えば1人ができてもいいわけじゃないなって感じます。チアってチームスポーツだけどライバルで、思いやりとか支え合いの気持ちは必要だし、それはマネージャーにもすっごい大事なことだと思ってて。やった分だけ成果は出ると思うけど、ちゃんとできてるか不安なときもあるけど、ちゃんとしてたら下には伝わると思います。マネージャーになって、人のこと、周りのこと考えるようにはなってきたけど、まだまだチャレンジしていく気持ちはあります。

―やりがいを感じるときは
試合で勝ったときはもちろん嬉しい。でも、マネージャーの後輩の成長を感じられたときもすごく嬉しいです。後輩が頑張っているのはすごく嬉しいし、自分が言ったこととか関わったことで良くなったな、って感じるときはやりがいを感じますね。
あとは朝練や雨の練習はとても大変だけど、そんな中でも一生懸命頑張っている選手の姿を見ていると、やってて良かったなって思います。自分が落ち込んでいる時にも声をかけてくれたり、支えてくれる仲間ができました。でもそれが周りがわかるように出ているのは、私もまだまだだなって思う。私はプレーヤーじゃないからずっと一緒にいるわけじゃないけど、良い人間関係が築けています。仲間に熱いラグビー部じゃないと無理だったかなって。自分の悪いところも見えて不安になることもあるけど、ラグビー部に入らないとそのような経験もできなかったと思うと、入部して良かったです。
―モチベーションの維持が難しかったことは
・・・そんなにないです。同期に熱い子が多くて、自分が上を目指してても、みんな見てたらまだまだって思うし。周りに影響力がある子が多いから、悩んだりへこんだりしても時間が経ったら前向きになれますね。主務の松村くん(法4)も気持ち入れてやっているのがわかるし、一番近くにそういう存在がいて嬉しいです。相方が松村くんで本当に良かったって思います。私も「これやったらチーム良くなる」って思ったらやる気になるし。一つずつ全部やっていこうって思いますね。
―関学ラグビー部のマネージャーならではの部分は
学生主体な分、大変なところもあるし、私たちが入った代から強くなりだして。私は「一生懸命になりたい」って思って体育会に入ったし、しんどくないとやっている意味はないと思う。学生主体っていう部分で、マネージャーも他大学よりやることも多いし大変だと思うけど、その分成長できるし、だからこそやっている意味があるって思います。雰囲気もいいし、このチームでよかったなって思います。関学ラグビー部に自分がいれて良かったと思います。
―理想のマネージャー像は
私がいたら元気になってもらえる存在ですかね。軽くモチベーションあげられるような存在。トレーナーは直接支えられるけど、マネージャーは元気を与えるのが存在している意味かなって。チームの中で、人に元気を与えられる存在になりたいです。
仕事の面では、信頼されるマネージャーになりたいですね。私はマネージャーは仕事ができないと意味がないと思うし、選手からもマネージャーからも信頼されないとって思っています。不安与えてたらダメだと思うし、信頼が一番必要だと思います。
―試合中はどんな気持ちで見ていますか
自主練習とかも含め、いっぱい練習してきているの知っているから、「トライしてほしい」じゃなくって「トライする」って思って見てるかな。「○○して欲しい」じゃなくて「○○できる」って思ってますね。4年目の今年、同期頑張っているの知ってるし、がんばってやってきたからわくわくしながら見ています。勝てる勝てるって思って。みんなの頑張りを見てるから、試合中に迷いとか不安はないですね。

―リーグ戦を振り返って
勝ちたかったけど結果は変えられないし、まだ目標達成の可能性はある。次を見てやるしかないですよね。結果はこうやけど、強い相手にこそ良い試合してるし、選手権ではいけるかなって思います。選手権で勝てればいいんで。
―荒木さんが求めて入部した信頼関係は築けていますか
みんな大切な仲間で、本当に大好きです!それはしんどいことも一緒に乗り越えているからだと思います。みんな優しくて、熱くて、思いやりがあって・・・。どのスポーツよりもラグビーを選らんで絶対良かったって思うし、ラグビー部がいい。ラグビー部だから築けた信頼関係だと思います。
―最後の大会の選手権を目前にひかえていますが
実感はないですね。・・・終わりたくないです。ここまできたら日本一にならないともったいない。みんなそのためにやってきたから、ただ勝ちたい。それだけですね。
―最後に選手たちにメッセージを
今までやってきたことを信じてやったら勝てる。私は勝てると思って見ています。試合に出るのは15人やけど、チーム全員で戦うって気持ちでプレーしてくれたら、と思います。
■荒木美妃(あらき・みき)/MG/人4/九州学院/173㌢
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