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「緑川組~MOVE~」

『スピリッツ』vol.3

投稿日時:2010/04/30(金) 16:39

 主将・緑川、部員たちに檄!神鋼灘浜グラウンドで行なわれた法政大との合同練習。実戦形式でミス連発のメンバーたちに緑川は「ひたむきさがなかった」と叱責。選手一人一人の意識改革が求められる合同練習となった。

 

 

【今年初の関東

 強い風が吹くなか、暖かな日差しが神鋼灘浜グラウンドの芝生を青々と照らしていた。昨年に引き続き行われた法政大との合同練習。今年は試合をすることは叶わなかったが、実際にレフェリーを呼び、実戦色の濃い本格的なマッチアップが実現。2010年度関学ラグビー部発足以来初となる関東の大学との交流に、緑川は「練習とはいえ絶対に負けられない。圧倒する」と意気込みを見せていた。

 

 そして一時間のアップののち、両者がぶつかり合う時が来た。気合いは十分。AチームとBチームが交互に入れ替わりスクラムからの攻防を重点的に行った。しかし関学にも法政大にもミスプレーが目立ち、「ホンマ(の実力)はどうなんかなって感じ」と緑川も本音を漏らした。その後FW、BK別のパート練習があり、合同練習は3時間ほどで終了した。

 

【気持ちの問題】

 練習後、FWリーダーの林(文4)は「まだ全然走れてない状態。意識も低かった。この合同練習にはAとBしか来れないということをもっと自覚して欲しかった」と語った。しかし、一昨年の選手権で敗北を喫したときよりも、両者の差は縮まったという。だが、「勝ってはいない」とも。また緑川も「自分らはAチームやのにミスばっかで、下のチームから『やる気あるんかな』って思われる。それはあかん」と意識面での指摘が目立った。チームのメンバー全員が、日本一へ向けて「勝ちたい」という強い意志を持って日々臨むことが勝利への重要な鍵を握る。それが今回で一番の収穫かもしれない。

 

またプレー面では、「ブレイクダウンが1年間の課題」と林。日本一を目指すうえで避けては通れぬ関東の壁。昨年同様に負けて涙をのむのか、勝って勝利の雄たけびを上げるのか―。今回は互いの力量を明確に測り知ることが出来なかったが、秋にあいまみえる頃には両校とも全く別のチームが出来上がっているはずだ。「打倒関東」。この至上命題を果たす日まで関学は日々成長の歩みを止めることはない。

 

(記事=山本大輔 写真提供=坂口功将)