大きくする 標準 小さくする

「藤原組~Over~」

4年生特集企画 第6回 重田翔大×古川昌伸

投稿日時:2012/08/03(金) 17:08

第6回のテーマは「同郷の仲間」。学校は違えど地元大阪でともに中学時代から切磋琢磨しあってきた仲間。集大成を迎えた彼らの心境とは。



―同じLOのポジションのお二人ですがいつからされていますか
古川「僕は中学からです。小学校の時はLOというポジションがなかったので」
重田「大学3年になると同時に。それまではずっとナンバー8でした」
 
―LOの面白さは
重田「FWの中では一番しんどいポジションだと思っていて、ディフェンスでもフィールドプレーを頑張ればいつでも主役になれるところだと思います」
古川「目立たないポジションだとは思うんですが、一番大きなポジションなので、体の大きな相手選手を倒したら勝てるぞって思っています」
 
―LOの見せ場はどんなところですか
古川「試合開始の一番大事なキックオフです。そこでちゃんとボールを取らないと、流れが悪くなっていくので…」
重田「補足になるんですがラインアウトでも、相手のボールを取って、自分のボールを取られないというところだと思います」
 
―得意なプレーは
古川「僕は突破とまではいかないですけど、トライにつながるオフロードパスです」
重田「僕はボールを持った時の激しいプレーですね」
 
―参考にしている選手は
重田「トップリーグはあまり見ないんですけど2年生の竹村(俊太=人2)は高校の後輩でもあるんですが、監督からも評価されていますし見習う点もたくさんあります。高校で入ってきた時は、かなり細身でした。大学に入ってからも高校にはちょくちょく行ってたんですけど、日に日に成長していったので、すごい選手だと思いました」
古川「見習う選手というとあれなんですが、父ですね。ポジションはナンバー8だったんですが、大学でもしていて影響は大きいです」

―ラグビーを始めたきっかけは
重田「中学1年でラグビー部があったんで入ったのですが、兄がもともとラグビーを始めていて、小学校から身長が高く、で兄の友人からも誘われたので始めました」
古川「僕は小学3年からです。父もそうなんですが、兄もラグビーをしていて、ラグビースクールに通ってみないか、ということで始めました。ほんとは野球のほうが好きだったんですけどね。野球はチームに入ったわけではなかったですがクラスの子たちとラグビーよりやってました(笑)」
 


―お二人とも大阪出身ということですが、いつから面識があるのですか
古川「中学3年の時…?」
重田「中学3年やな。選抜の一次選考の時くらいからは知ってましたね」
古川「僕はあまり周りの人としゃべらなかったんで…」
重田「僕その時は選抜のキャプテンやらせてもらってて、一応全員の名前を覚えていました。当時僕は身長は高かったのですが体は細くて、じょーじ(古川)はその時から体もでかかったのでインパクトはありました」
古川「選抜の時僕は出れたんですが重田がけがをしてしまって…」
重田「中学の時僕は結構積極的に話しかけてて知ってましたし、東海大仰星の時も目を合わせようと見てても全然こっち向いてくれなかったり…。ほんま気まずかったですね」
古川「僕はどっちから話しかけるのかなと…」
重田「でも目も合わせてくれなかったら話しかけれんよ」
古川「どうしていいか分からんかったけど意識はしてたよ」
重田「絶対意識してなかったやろ(笑)」
 
―高校時代の対戦は
重田「2年の春の近畿大会でやらしてもらって。出てたやんな?」
古川「出てたよ」
重田「その時は勝たせてもらいました(笑)」
 
―高校時代印象に残っている試合は
古川「東海大仰星に負けた時です」
重田「花園の時のやつやんな?あの時僕らは春で負けちゃってて、どこか強いところとやらないかん時で、僕はけがで出れなかったんですけど」
古川「その時ですね。それで負けて、最後の試合になったので」
重田「そこで引退?」
古川「引退ですね」
重田「出てはいなかった僕もその試合は印象的でしたね。スタンドで応援だったんですけど、ほんまに気持ちでは絶対勝つって思ってて、最後まで競った試合で、ディフェンスで最後防ぎきって勝った時、選手のみんなが走って来てくれたのが印象的でした」
 
―仰星の選手が今の関学には多いですが
重田「松延(泰樹=商4)とは選抜も一緒で、小学校から知ってるんですよ」
古川「僕はあんまり記憶にないですね」
重田「東海大仰星だけじゃなく、高校の時に試合で会ってたやつが関学に集まってるので地元って感じはしますね」
 
―大学はどうして関学に
重田「東海大に行こうかとも思ったんですが、関西でやりたいなって思いもあったので第二希望を関学にしてて。その時緑川さん(昌樹=商卒)が東海大仰星卒で関学でやってたのでいろんな話を聞いたりして。強くなってくると聞いていたのでその中でやりたいと思いました」
古川「監督には関東の大学に行けと言われていたんですが、関東は強いって分かりきっていたので、関西の強いチームに残って、関東の強豪を倒したい。と監督に相談した結果、前のキャプテンの新里さん(涼=社卒)もいらしたので、関学に決めました」
 
―入る前と後で関学のイメージは
古川「入る前は結構自主性と言われていて、入った時はそんなしんどくなかったんですけど、最近は年を増すごとに厳しくなっています」
重田「僕は思ってた感じだったんですけど、やってる中でもっと強くなれるのにという思いがあって変えていきたいなって思ってました。最近は僕らが1年生で入った時よりは充実してるんじゃないですかね」
 


―大学で印象に残っている試合は
古川「僕は2年生の時の春シーズンの同大戦です。Aチームで試合に出してもらってたんですけど、前十字靭帯を切って挫折を味わいました。復帰までに半年くらいだったんですけど、体重を増やしすぎて…。足をけがした状態で体重を増やしすぎたので、また肉離れして復帰の時期がかなり遅れてしまいました」
重田「僕は3年の春の花園でやった慶大戦です。高校は強豪校だったんですけど、花園の第一グラウンドで試合をしたことなくて。初めてそこでやったんですけど、ファーストジャージーを着て、すごくいい芝で、歓声もすごくて、80分が全然しんどいと思わなくて、ほんとに印象的な試合でした。結果としても勝てたし、タックルもうまく決まったですしね」
古川「僕は一年前の慶大戦です。慶応までいって、初めてファーストジャージーを着て試合して。そこで悪いプレーをして緑川さんに怒られたりしたんですけど、いいプレーもして褒めてもらえましたし、いい意味でも悪い意味でも印象に残っています」
 
―この春シーズンを振り返ってどうですか
重田「しんどかったですね(笑)。しんどい中でも周りがみんな頑張っているので、自分も頑張らないとと思って、なんとかやってこれましたね」
古川「この春ウエイトリーダーになって、今までは(ウエイトトレーニングに)行っていればいいやと思ってたんですけど150人近い部員を束ねて、ウエイトの管理をするっていうのは、口で言うよりもずっと難しくて大変でした。でも言ったらやってくれる人はいっぱいいるんでそこはよかったです。少人数ですが何度言ってもやらない奴もいるんで、こっぴどく言う覚悟はしましたね。そのためにも自分もかなりやりました。数値が上がらないと何も言えないですし、そう言った面でのプレッシャーはありました。今は強制的にやらせているんですが、自由にやらせてほしいという意見もあって、そうしたいのは山々なんですけど、ちゃんとやらんやつもおって…。そういうのを自由にやれたらいいですね。縛られずにしっかりみんながやるっていう意識付けをしていきたいですね」
 
―ちなみに今ベンチプレスの数値は
古川「今は140㌔くらいです」
 
―4年目を迎えて気持ちの変化は
重田「まあしんどくなるっていうのは知ってたから、4年生がしんどいとか顔に出さないとかは覚悟していました。春シーズン終わってできてたかな、できてなかったかなという思いはあるんですが、覚悟はしてました」
古川「1、2、3年生では上がいるからと甘えがかなりあったと思うんですけど、やっぱり4年生になったら、関学の顔、体育会の顔になるから、自分から率先して何事もやらなきゃならない。まあ…覚悟ですかね」
 
―個人的な今年の目標はありますか
重田「昨年も僕はリーグ戦とかでも出させてもらったんですけど、今年は竹村とか徳永(祥尭=商2)とかジャパンに選ばれているすごい選手いますし、その中でレギュラーになるということは昨年より絶対に難しいと思います。でもその中でスターティングメンバーに入って出るということは達成したいです」
古川「去年も僕はリザーブで出ていたんですけど、今の段階からしても自分が段々(下の)チームに落ちていってしまっているので、そこを粘り強く残りたいですね。竹村も重田もいると思うんですけど、抜いていかないといい試合には出られないと思うのでそこは頑張っていきたいです」
 
―最後にラストイヤーにかける意気込みをお願いします
重田「最初にFWリーダーという役職をもらっているんですが藤原や安田に頼っている部分があって、特にFWリーダーらしいことはできてないですけど、やっぱり試合に出てチームを勝利に導くことがなによりだと思っているので、リーグ戦であったり、ジャージーを着て試合に出るときは、チームのために、後輩のために戦って最後は大学選手権で優勝したいです」
古川「ほんまにやってきた4年間で最後になるので、国立に出ることは最終目標ではないですけど、それに向かって全力で戦っていきたいです」
 
 


■重田翔大(しげた・しょうた)/東海大仰星高/人4/180㌢・90㌔/釣り
■古川昌伸(ふるかわ・まさのぶ)/常翔学園高/社4/180㌢・98㌔/ボーリング