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「藤原組~Over~」

4年生特集企画 第2回 春山悠太×吉原太朗

投稿日時:2012/07/20(金) 15:04

第2回のテーマは「12-13の絆」。昨年から不動のCTBコンビとして活躍している二人にインタビューを行った。



―お二人ともCTBというポジションですが、いつからされているんですか
吉原「小学1年の時からラグビーをしているんですけどその頃からずっとですね。高校の時ちょくちょくSOもやったりしたんですけど、基本はCTBです」
春山「僕は中学1年からラグビーを始めたんですが、始めは素人やったからかWTBやったんですけど何カ月かしてCTBになって。僕も(吉原)太朗と一緒でSO、WTBをちょっとやったこともあるんですけど、9割CTBでしたね」
 
―CTBはどういったところ面白いですか
吉原「僕が思うのは体が当てられるところです。ラグビーはどこでも当てられるっちゃ当てられますけど…」
春山「僕は体を当てるのもそうなんですけど、パスでWTBを生かしたり自分で前へ出たりいろんなプレーができるところです。BKの中で一番貢献できるんじゃないかと思っています」
 
―得意なプレーはありますか
吉原「一番はタックルです」
春山「僕はオフロードパスです。相手とのコンタクトの前のパスじゃなくてコンタクトした後に裏に放るパスなんですけど、太朗とやっている時よく決まりますね」
 
―CTBの見せ場はどんなところですか
春山「どこやろ?ちゃうよなー俺ら」
吉原「ちゃうねー」
春山「12と13で全然ちゃいますね。太朗は?」
吉原「僕は13で2センなんですけど、地味な言い方になるかもなんですけど1センがつないだボールをどれだけ前に持って行けるかってところだと思います」
春山「僕は太朗を生かした時ですね。そういうプレーはしたいと思っているので見せ場になればなと。僕も行ける時は行くんですけど繋ぐ方が多いです」
 


―参考にしている選手がいたら教えて下さい
吉原「僕が1年の時に4年生だった田中健太(商卒)さんです。今まで見た人の中で一番前に行く精神を持っている方で、僕自身も常に頭に置いてやっています。今はクボタでラグビーをされているんですけど目標です」
春山「僕はロム―ですね。元オールブラックスのWTBです。髪型が格好良くて…(笑)」
吉原「(笑)」
春山「プレーも世界一やと思います!」
 
―ラグビーを始めたきっかけを教えて下さい
吉原「親の勧めです。親の友人の子どもがラグビーをしていて、『お前んとこもやらんか』って」
春山「僕は仲がいい友達が中学のラグビー部に入ったからです」
 
―お二人とも高校は強豪校と呼ばれるところだと思うのですが、高校時代の競技面での成績は
春山「1、2年の時花園に出ました。1年の時は一回戦敗退。2年の時はリザーブでちょいちょい出してもらってベスト8でした。3年の時は出られませんでした」
吉原「1、2年の時は花園ベスト4でした。3年の時はあんまり強くなくてベスト16に終わりました」
 
―高校時代の思い出を一つ
春山「天理はめちゃめちゃ走るところやったんです。奈良の吉野の方ですごい山道で走り込み合宿をやったり。思い出というか…印象深いですね」
吉原「高校のチームのことじゃないんですけど高校2年の時に国体選手に選ばれて、優勝したんですけど試合には出られなくて。全くうれしくなかったです。それまでで一番悔しかったです」
 
―大学での印象深い試合を教えて下さい
吉原「昨年の初戦の立命大戦ですね。正直、僕単体やったら村本さん(聡一郎=文卒)の方が力も上で全然歯が立たなくて、他の人から見てもそうだったと思うんです。悠太が12番だったのでお互いのことをよく知っていたので、12、13のつながりの面で13番を取れたんだと思います。この試合、結果は負けてしまったんですけど、最初悠太からオフロードパスをもらってトライをすることができて。これで周囲に示すことができたかなって思って印象に残っています」
春山「昨年の明大戦が印象に残っていますね。僕らの代はやんちゃで迷惑をかけ続けてきて、そんな僕らが試合に出ても見捨てずに応援してくれて。この試合で4年生は引退されたんですけど、この代で結果を出せなかったことが悔しかったです」
 
―では大学ラグビーでうれしかったこと、悔しかったことをそれぞれ一つ挙げて下さい
春山「うれしかったことは昨年二人で試合に出続けることができたことです。村本さんっていうレベルが違う人がいる中で、監督、コーチ陣が使ってくれたことがうれしかったです。これまで期待されてきて春とかは試合に出ていたけど、全然シーズンでは結果を残すことができていない二人で。普段から仲のいい二人で、同じ悔しい思いをしてきた二人で出られてよかったです。悔しかったことは1、2年の時に試合に出られなかったことです。今思えば甘かったしできていないこともあって自分に問題があったんやって分かるんですけど、その時はU―20にも選ばれたりして一番自信があった頃だったんで、当時は悔しかったですね」
吉原「悔しかったのは2年の時に初めて出た近大戦で確か12番をスタメンでもらったんですけど、あまりにも緊張しすぎてノックオンしたり抜かれてトライを奪われたことです。生意気かもしれないですけど僕のせいで負けたと思っていて、この試合では悔しさ、恥ずかしさ、情けなさ、全ての感情をもらいました」
 


―入学時と今を比べてみて、変わったなと思うところは
春山「CTBとしてコンタクトができるようになったっていうのと、体の大きさも筋力もついたところです」
吉原「4年生になってラグビーに対する思いが強くなりましたね。社会人ではラグビーをしないので、本当に今年は最後だと思ってやっています」
 
―春シーズンを個人的に振り返っていかがですか
春山「僕は春すごく悩みましたね。ずっと試合には出させてもらっていて、良かったよってことも言われたりしたんですけど、全然満足できていないです。本気でラグビーをしているから自分の目指すところが高いんだと思います」
吉原「4年だからって気負いすぎて、全て自分でプレーをしていい方向に持っていかないとダメだと思ってしまって。それこそ持ったらトライくらいの思いで自分のプレーを見失ってしまいました。春は調子が悪い…って言ったら逃げになるんですけど、うまいこといかなかったですね。最後の方でメンバーも落ちてしまったし。全てを完璧にしたいと思いすぎて純粋に自分がしたいことが分からなくなっていました。でも最終戦の同大戦で悠太からパスをもらってトライができて、こういうことをしたらいいんやって思えて。最後にもう一回見つけることができて良かったです」
春山「あれは久しぶりに良かったプレーやったな。俺らの形で。いい時の感じをほんまに思い出せました」
吉原「立命大戦もあんなんやったしな。お互いができることをやればああいう形にできる、自分の役割をやれば結果に繋がるんやなって思いました」
春山「シンプルでええねんな。ごちゃごちゃ考えるからダメやねん」
吉原「それはありますね…」
 
―アンドリュー・マコーミックHCのラグビーは浸透しつつありますか
春山「昨年はアタック中心にやってきたんでもともとディフェンスをやろうって言ってて。僕らの考えとアンガスさんの考えが一緒で、僕らがやろうとしていたことに協力してくれている感じですね。1、2、3年の頃は抜かれる気しかしなかったですけど、最近は抜かれる気がしないですね。めっちゃ抜かれてラインブレイクされてトライってなっても、なんで抜かれてトライを取られたかっていうのが明確です」
 
―では最後にラストイヤーにかける意気込みをお願いします
春山「とにかく最後なんで後悔せんように自分の100%を出してやりきりたいです。そうじゃないと日本一になれないと思うので!」
吉原「ラグビー人生最後の集大成なんで後悔なくやって、その上に日本一という結果がついてこればいいなとい思います。」
 


(左から)
■春山悠太(はるやま・ゆうた)/天理高/文4/178㌢・84㌔/バーガー作り
■吉原太朗(よしはら・たろう)/桐蔭学園高/人4/176㌢・88㌔/春山けなし