大きくする 標準 小さくする

「新里組~Challenge~」

夏シーズン特別企画『4年目の夏』 第6回  

投稿日時:2011/08/04(木) 12:35

 第6回は、テクニカルリーダーのお二人にお話を伺いました。4年生としてチームの中心に立つ熱意、そしてチームを勝利へと導く鍵とは―。
 
―ラグビーを始めたきっかけは
芦田「中1の時、先輩の試合を見に行ったことがきっかけです。それまでは小学校6年間野球をしていました。最初はルールが難しかったんですけど、わかり始めると楽しくなっていきました」
下條「小2の時、友達のおばちゃんがラグビー教室を薦めてくれて。教室を見に行った次の日、いきなり試合に出ることになったんですよ(笑)。まあ、小学生にしたら体も大きい方だったんで、いいかなと思って始めました」

―では関学を選らんだ理由は
芦田「早くに声をかけてもらって。大学としてもいい学校って思ってて。入る前はそんなに本気でやるつもりではなかったんですけど、いざ入ってみると、強い先輩たちがたくさんいて、高校とは全然違うなって思いました。一人一人がコンタクト強くて。でも入学当時、BKを見ている感じでは、僕らも勝負はできるかなって思いました」
下條「僕の入学前、関学は発展途上って感じでした。出身は福岡なんですけど、大学は境遇が違うところにいって、雰囲気が変わるのを味わいたいと思ってて。発展途上にある分、成長して勝った時の喜びを味わうのにはいいかなと思いました」

―実際入ってみてどうですか
下條「自由で楽しくできるってイメージなんですけど、大学でやるなら楽しくって思ってて。でもいざ入部してみると、みんな結構1人1人考えてやっています」

―大学に入ってからの試合で、印象に残っている試合は
芦田「1年生のリーグ初戦の同大です。それまであんなに勝って嬉しかったことはないですね(笑)。当時の1年生は涼(新里=社4)と樹(小樋山­­=人4)も一緒に出ていたので、そんなには緊張しなかったですけど、先輩たちもみんなすごく気持ち入っててちょっとだけ緊張しましたね」
下條「同大に逆転勝ちして、優勝したことですね。僕らが1年生の時で、初めてのリーグ戦で。僕はメンバーに絡むことができず、正直応援の気持ちも薄かったです。でも、勝った瞬間、泣きながら本気で喜ぶ先輩たちの姿見て、考え方がすごく変わりました」

―4年生になって気持ちの変化はありますか
芦田「やっぱり春から、やらなあかんって気持ちになりましたね。4年生になって、先輩たちの大変さがわかりました」
下條「4年になるまでは納得いかんことも多々あったけど、今になって先輩たちも考えてやってきたんやなって思うようになって、改めて先輩たちの気持ちを実感できました。チームを動かすのはやっぱり難しいし、生半可な気持ちじゃ絶対にできないなって。今年は下級生もいろいろ言ってくれるのでやりやすいんですけど、聞きっぱなしにならずに、4年生からも言って交互に意見交換できたらなって思います」



―テクニカルリーダーの就任のきっかけは
芦田「みんなに薦められてです。自分でもやってもいいかなって思って」
下條「僕はなんかやらな中途半端になるかなって思って、挑戦しました。普通の4年生ではなく専門的なことも勉強して、チームの先頭に立って考えていけたら、チームのためにもなるかなって思いました」

―テクニカルリーダーの具体的な仕事とは
芦田「戦術を中心になって考えること。コーチ陣と合わせて考えることもあります。練習メニューは4年生みんなで考えるんですけど、それを練習の時に説明したり教えたりって感じですね。戦術が変われば練習メニューも変わるし。春は攻撃中心の練習をたくさんしたので、秋に向けてディフェンスもやらないとって思っています」

―テクニカルリーダーで重要なことは
下條「持っている知識を反映させることは大前提ですけど、その考えとかを押しつけるんではなく、後輩やコーチの意見も踏まえて、組み込んでいくことが大切だと思います。3年生まではあまりチームがまとまっていなくて、ちゃんとした練習ができず、僕自身文句言ってたこと多かったです。だから今年は、コーチや監督のつなぎになれたらなと思います。チームを変えられるチャンスかなって思いますね」

―春シーズンを終えて、印象に残っている試合は
下條「僕は慶應戦です。客観的に考えたら、慶應大の方が強いって思っていたお客さんも多かったと思うんですよ。そういう場で勝てたことは収穫だと思うし、自信もついたと思います。でもそこから関大、同大に負けてしまって。関学のレベルはあがってきてるけど、他校のレベルも上がってきている。ひたむきさ、泥臭さが違うのかなって感じるところはありましたね」
芦田「最後の同志社戦です。慶應大や関東学院大にはいい形で勝てて、慢心じゃないけどなんか気持ちに緩みがあったのかなって。それから悪い方向になってしまって、最終戦の同大に60点取られて負けて…。でもその分秋にやりがいあるかなって思いますね。秋には絶対ひっくり返すつもりで挑みます」



―夏、チームですべきことは
芦田「まずはチームがひとつになること。意思統一が大切だと思います。それと春にはやっていないディフェンスをもっとしないといけないと思います。あとは春にやってきたことの精度をあげることですね」
下條「今やっていることの精度をあげることは重要ですね。状況にあった攻め方をみんなが理解して意思統一することが必要だと思います。これから夏にかけて、秋にディフェンスを発揮するために練習していくと思うので。みんなが意識して練習できるような環境を作っていきたいです」

―個人的に強化したいところは
芦田「ハーフのフィットネスです。今年、だいぶ鍵になってくると思うので。体力も例年よりしっかり付けて、もっとラグビーについても勉強したいです」
下條「HOはFWの中でも専門職になので、セットプレー安定のためにも、スキルあげて経験積んで。試合中も視野を広く持って、1点だけ見るのではなく、落ち着いて全体を把握できるようにしたいですね」

―今年のチームはどんなチームですか
下條「今までと違うのは、今年は後輩たちもしっかり発言してくれることですかね。やりやすくなるし、みんなが言い合っていける自由なチームですね。でも自由だけだと成長しないので、自由の中でも4年生はやるときはちゃんと厳しくなって、尊敬される先輩にならないといけないと思います。後輩に「任せられない」って思われたら終わりなんで。環境も大事になってくるチームだと思います」

―今年のチームの目標を達成する鍵は
芦田「140人全員がしっかりまとまって、同じ方向に向かうこと」
下條「それが一番ですね。それぞれが考えながら動けるようになると変わってくると思うんで。一人一人がリーダーシップ持って、行動できるようになったいいかなと思います」

―それでは最後に個人の目標を教えてください
芦田「チームの目標を達成することは当然のことで。もう今年が最後なんで、やるしかないですね。力全部出し切れるように、1日1日気合入れて練習して、何がなんでもリーグ戦、勝ちにいきます」
下條「僕も前提は同じです。去年まではテスト期間中はオフだったんですけど、今年はやるようになって、これも今年のチームカラーかなと。理不尽なことに後輩も文句言うかもしれないけど、厳しく後輩と接して「今目指しているもの、チームの状況」を理解してもらえたらなって思いますね。秋に勝つためなんで。あと、今年で今までの関学ラグビー部の考え方を変えられたらなって。今やってきていることを、これから先もチームでやっていけたら、今後も成長していけると思います」
 
 
■下條 裕太(しもじょう・ゆうた)/人4/東福岡高/169㌢、90㌔/釣り
■芦田 一顕(あしだ・かずたか)/人4/東海大仰星高/173㌢、78㌔/散歩