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「新里組~Challenge~」

『スピリッツ』vol.43

投稿日時:2011/05/12(木) 22:50

 関学ファミリーが一堂に集う、関学ラグビーカーニバル。大勢のファンが見守る中、天理大との一戦が行われた。結果は17―38で敗北するも、終盤、WTB松延(商3)がトライを取り切り、昨リーグ戦からの進化を見せた。新里組はさらなる高みを目指し、まだまだ成長する。



【死闘の末】 
 昨リーグ戦、最終戦。天理大との頂上決戦。43―14で迎えた後半ロスタイム。逆転できる点差ではなかったが、関学フィフティーンは諦めることなく、パスを回し続けた。だが天理大にターンオーバーを許し、そのまま自陣に駆け込まれた。7分にも及んだロスタイム。天理大のダメ押しトライで試合は幕を閉じた。優勝を目前に50―14で敗北した関学。天理大の強いタックルと固い守りに圧倒され、自分たちのプレーができずに涙をのんだ。

【成長の証】 
 あれから4カ月。大勢の関学ファンが見守る中、天理大と一戦を交えた。新里組として新たな気持ち、新たなスタイルで挑んだ。序盤、天理大のコンタクトの強さに苦戦し、焦りからかミスも重なる。果敢にタックルを狙うもディフェンスの間を抜かれ、12―38と天理大が優位に立つ。
 試合終了間際、攻撃権を握っているのは関学だった。昨リーグ戦と同じシチュエーション―。パスを回し、積極的に陣地を奪っていく。そしてWTB・松延(商3)が相手ディフェンスを交わし、ゴールラインまで一気に加速。関学は執念のトライを挙げた。昨年は同じ状況で取り切れなかったトライ。だが今回は、最後にトライを取りきることができた。それは春からやってきたことが形になりつつある、成長の証だった。

【成長過程】
  「どんな相手にも最後まで自分たちのスタイルを貫くこと」。徐々に表れてきている新里組のラグビー。「できてきている部分も。最後、トライを取り切れたことは収穫。でも課題はまだ山ほどある。もう一度初心に返って練習していきたい」と主将・新里(社4)。「BKが変わることが、チームをより強くする第一歩。これからもチャレンジし続けて、しっかり成長していけたら」。そう萩井HCは語った。まだまだ新里組は成長過程にある。さらなる高みを目指し、チャレンジは続く。
(文=篠原沙耶)