「小原組~ALL OUT~」
『朱紺スポーツ』vol.12
投稿日時:2009/07/06(月) 16:12
【WTB長野 100メートル駆け抜けトライ!】
この男がキタ―ッ!上半期を締めくくる大体大戦でWTB長野(社3)がチーム復帰後、初トライを決める。続く2本目は、驚愕の100メートルを駆け抜けてのトライで衝撃を与える。鮮烈カムバックを果たした。
[衝撃の激走]
無我夢中だった。敵に攻め込まれ、自陣が落とされるのも時間の問題。もはや―のところで味方がボールを奪取。パスが行き渡り、長野のもとへボールがきた。すぐさま視線を前に向け、駆け出し始める。「FWがディフェンスで頑張ってくれた。つかまってしまっては」。〝絶対防ぐ〟という味方の踏ん張りから繋がれた楕円球を手に、相手ディフェンダーが何枚つこうとも関係なかった。「勝負しようと思っていた」。必死で走る長野の姿がそこにあった。
相手の猛追を振り切り、加速する豪脚。その超絶スピードに見るもの全てがざわめく。関学サイドからは驚きと期待感の混じった声援が、対する大体大サイドからは悲鳴もやがて感嘆の声が上がる。そうしてついに敵ゴールラインに到達し、驚愕の100メートルトライが完成。フィールドは興奮のるつぼと化した。
[自身の開幕]
チームに合流してまもない。ましてや関学としての試合自体も今季は3試合目だった。「Aで使ってもらうことに、期待されているのを感じた」。トライ取ることを絶対、と心にとめてプレーに励んだ。後半に決めたチーム復帰後初トライは今季初でもあった。
昨年の関西リーグ最終戦から実に217日ぶりに果たした自分のフィニッシャーとしての役目。「思い切って走れ」という周りの応援に応え、トライの味をかみ締めた。「いいスタートが切れたのでは」と長野は笑顔で話す。上半期はこの日が最終戦。しかし『長野の開幕』の号砲はこの日、打ち上げられた。
【『朱紺スポーツ』vol.12】