「緑川組~MOVE~」
『スピリッツ』vol.9
投稿日時:2010/06/07(月) 20:06
「少ないチャンスをものに出来たか出来なかったか」―。試合後の主将・緑川(商4)の言葉がすべてを物語っていた。リーグ初戦を占う立命大との練習試合。関学は要所を締めることができず敗北した。
【試練】
前半を5―28で折り返す。ここまで大きなビハインドとなったのは「全部自分たちのミスのせい」だと緑川(商4)は振り返る。また、勝負所でのセットプレーを取りきれずトライまで結び付けられなかったのも今後の課題だ。それでも、WTB・安部(経2)がボールをつないで右スミに2トライ決めたほか、モールから意地の1トライをねじ込んだ。が、前半の大差が響き、22―42で敗北を喫した。これで5連敗のAチーム。もう一ヶ月近く勝利から遠ざかっている。さらに、今試合中に左足首をけがした緑川の調子も気になるところだ。まさかここまで厳しい春になるとは。これは、日本一に挑戦するチームすべてが一度は直面する試練のひとつなのかもしれない。
【初心】
立命大は苦手なチームだが、そうも言ってはいられない。次に両校が相見えるのは10月10日の近鉄花園ラグビー場。関西リーグの初戦だ。すでに18週間後に控えている決戦で、今日のような試合は絶対にできない。
試合後のミーティングで緑川は「自分たちはまだまだ強くない」ということを部員たちに告げた。そう、彼らの原点は「挑戦者」の気持ち。決して慢心しないハングリー精神こそが関学の強みであった。相手を下に見ているわけではない。だが、今一度選手たちに問いたい。「毎試合“ALL―OUT”は出来ているか?」。
◇エースSH 芦田復活!!
関学が誇るエースSHが、一ヶ月半ぶりにフィールドに帰ってきた!1年生次より主戦力としてチームの勝利に貢献してきた芦田一顕(人3)だ。代表合宿で指をけがして以来、長らく戦線を離れていたが、今回の立命大戦で晴れて復帰。だが「あんまり走れんかった。試合勘とかハーフの感覚が戻ってない」と、なかなか苦い復帰戦となった。今年は「昨年よりサイズダウンした分、SHの力量が試される」と闘志を燃やす。FW、BK両方の要として選手たちをコントロールし、勝利へと導く。
(記事=山本大輔 写真=朱紺番 坂口功将)