「緑川組~MOVE~」
『スピリッツ』vol.8
投稿日時:2010/06/01(火) 04:00
『アタックNo.8』だ!今シーズン、攻撃の核を担う小原渉(人3)が終了間際に意地の1トライをお見舞いした。その闘姿に、彼自身があこがれる偉大な先輩の姿が重なって見えた!
【突破力】
試合は決していた。それでも80分間の最後まで攻め上がった。FW陣が奮起し敵ゴールライン直前、ペナルティで笛が鳴ってから、すぐさま男は動いた。残り5メートル、相手ディフェンダーの合間を縫うようにインゴールへ。「いくしかない状況。いっちゃいました」。ナンバー8小原が突破力を発揮し、一矢むくいる一撃をお見舞いした。
その1トライは、かつての偉大な先輩プレーヤーのそれを彷彿とさせた。その選手とは昨年までの4年間、最も攻撃的なトライゲッターとして関学ラグビー部に君臨した西川征克(文卒=現サントリー=)だ。その存在に「自分が1年の頃からすごくデカくて」と、小原はあこがれを抱いている。ポジション柄、求められるプレーは同じ。偉大なる先輩のイメージを頭にいれ、インゴールへむかって〝前に〟ムーヴしている。
【不可欠】
昨シーズンはAチーム入りを果たし、西川や兄の正(社卒)らと強力FW陣としてともに戦った。「リザーブだけど試合にも出れて。いい経験させてもらったんで、今年は自分がFWを引っ張っていけるように」。大幅な世代交代となった今季のFW陣を、関西2連覇を肌で知る小原がプレーで牽引する。
「マサカツさんがいなかったら、っていうぐらいの存在だった。ぼくも、そうなりたい」。関西3連覇そして日本一の目標が達成されたあかつきには、「小原渉」というアタッカーが必要不可欠な存在として君臨している。
◇連携面で苦戦 進化誓う
アタッカーとして何度も敵陣突破を図った。「イケた部分もあるし、一発で止められたのもある。まだまだ」。意地の1トライを上げても、さらなる向上心をうかがわせた。
一方でディフェンス面ではFWとBK間のコミュニケーション不足を実感。この試合の失点要因に挙げ、「つなぎの面をしっかりやれば相手との差は埋まるかな」と次をにらんだ。
「モール組まれたら…違いますね」。関西2連覇を象徴した強力FW陣から一転、今季の戦力ダウンを実感しているが「変えていかないと」と自身がFW陣を引っ張る覚悟で臨む。
(記事/写真=朱紺番 坂口功将)※本紙<切り込み写真>は提供「関学スポーツ」