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「小原組~ALL OUT~」

試合詳報:大体大戦

投稿日時:2009/10/05(月) 03:53

【大体大戦 試合詳報&観戦記】


▲立て続けに3トライ目を許した直後のワンシーン。


 開幕戦で見せた攻撃力もそのままに、この日もFW陣が猛攻をしかける。モールプレーを中心に、試合を作っていく。HO緑川(商3)の2試合連続トライで先制点を挙げると、そこから点を重ねる。今試合からスタメンに復帰したナンバー8大滝(社4)も、一瞬の判断力を生かした突破を幾度となく図りインゴールを割る。前半終わって24-0と、快勝ムードが漂った。


 後半開始早々はWTB松野尾(社3)がSO渕本(社3)とのアイコンタクトから、ライン際でパスを受けトライを決める。「BKで点取りたかった」と開幕戦0得点のBK陣の悔しさを晴らす活躍を見せた。「点差空くまではBKはがまんして、FWが頑張る」と主将・小原(社4)が語るようにそれでも狙いはFWを軸に置いていたが、チームは攻撃力を発揮させ、後半14分には45-0としていた。


 そこからリザーブを投入するプランどおりの展開で一気にけりをつけるそれが描いた青写真だったが、ここから状況は一転。大体大が流れを引き寄せ、立て続けに自陣を落とされる。「気のゆるみ」と誰もが口を揃える。最後の最後にWTB長野(社3)が今季初トライを決めスタンドを沸かせるも、ノーサイドの瞬間、グラウンドには重苦しい雰囲気が流れていた。


 50-21で開幕2連勝。スコアを見れば、『快勝』と言いたいところだが実際の内容は異なる。勝ち星とは別に、課題は山積だ。この1週間確認してきたスローインなどのセットプレーも「研究されてる」と大幅な見直しが必要。BK陣の攻撃参加が見られたオフェンス面でも、「まだまだ」と主将の口は辛い。


 この日の大体大戦直前のカードで、強豪・同大が摂南大に敗れる番狂わせが生じた関西大学リーグ。この先、どのような様相を呈するのか予想はつかない。その混迷の戦国絵巻のなかでも小原組が為すべきことはただひとつだ。「目の前の試合にどれだけやれるか。それが関学。そこをシビアにしていきたい」。プレー面と精神面の両方でチームを修正ラインに乗せる。そうすれば、内容の伴った白星は自ずとついてくるはずだ。