「緑川組~MOVE~」
『山本有輝のROOKIESな日々』番外編
投稿日時:2010/05/19(水) 11:36

4月29日、神鋼灘浜グラウンド。合同練習で激しくぶるかりあう関学と法政大。実戦形式の練習メニューでホイッスルが響く。その笛を鳴らしていたのは、引退したばかりの玉泉啓太だ。山本同様、彼も立場を変え、フィールドに帰ってきたのだ。
レフェリーの資格を取ったのは4年生次。部内マッチなどを行なう際に審判がいないという不便さを解消するために自ら名乗り出た。「(資格を)取ったらチームのためになるかな」。学生レフェリーが誕生したことでチーム内の実戦は激増。100人超の選手を振り分ける選考もやりやすくなり、部内マッチの質も上がった。そして何よりもコスト削減につながった。
この日の合同練習へは現役部員から突然の要請があったという。それがいきなりの法政大とのマッチアップ。驚きながらも、そつなくこなした。「難しいよ、やっぱり(笑)。毎年ルールが細かいとこが変わってるし」。現役時代からラグビーを誰よりもよく知っている存在でならしていた玉泉。審判のポジションはやはり似合いそうだ。
「今日に関して言えば、通用する部分も。BKも、それは自信に。FWはプレッシャーかかってるから、後手に回ることはあったかな。でも今年やろうとしてることは意識してるな」。笛を鳴らしながらも、後輩たちを冷静に見つめていた玉泉。「次も?そっち(レフェリー)で。何回か呼ばれると思う」と今後も後輩の頼みとあらば引き受ける。緑川組に頼りになる存在が加わった!■
■玉泉啓太(たまいずみ けいた)/芦屋高校/SH、現役時代は分析スタッフ
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【スピンオフ 『篠田春香のルーキーズな献身』】
ルーキーズにとってデビュー戦となった25日。この日、ある1人の裏方もデビューした。フィジカルトレーナー、篠田春香(総2)である。
関学ラグビー部でむかえた2年目。山本総監督と辰見コーチとともにシーズン開始から1回生の面倒を任された。今年からフィジカルトレーナーに就いたこともあり、フィットネスの面を担当。練習メニューを考えるのも始めてで、先輩たちに倣ったという。「(メニューの案が)ぱっと出てこなかった」と悩みつつも1ヶ月もの間、仕事に励んだ。
彼女にとってもデビュー戦となった摂南大戦。前日には、試合当日のアップの予行演習を練習時に行なった。そのときからすでに緊張気味に。周囲から「もっとリラックスしてやれよ」と励まされた。むかえた当日もガチガチだったが「やるしかない!」と引き締めてグラウンドへ。メンバー交代のタイミングを読み、リザーブのメンバーたちにアップの指示出しなどを行なった。
かつては自分もプレーヤーとしてソフトボールをしていた。高校3年生次に関学ラグビー部出身の教師に連れられて試合観戦へ。2年前の選手権2回戦(関学対法政/瑞穂)を見て朱紺のジャージに惹かれた。入部後はマネージャーとして選手たちを支える立場になった。「今までプレーヤーのときは自分のことだけ考えて、自分が良ければ良かった。けど今は自分が出来ても、選手が出来てないと意味がない」。裏方業の難しさを実感している。
そんな彼女はスタッフのなかでも、唯一の女性フィジカルトレーナー。大崎怜(商4)、岩尾佳明(経3)ら先輩トレーナーの背中を目指しストイックな一面をのぞかせている。「これから入ってきた子がフィジカルトレーナになりたいなと思えるような、そんな仕事ぶりを見せたいと思います!」■
■篠田春香(しのだ はるか)/総合政策学部2回生/啓明学院高校/フィジカルトレーナー(女性部員初)