「緑川組~MOVE~」
『山本有輝のROOKIESな日々』vol.2
投稿日時:2010/04/25(日) 00:12
明日に迫ったデビュー戦。直前に見えた、ルーキーズたちの変化とは・・・

【第2回】
4月下旬になりながらも日が落ちたグラウンドでは寒風が吹きすさぶ。それでも熱気はむんむん。ラガーマンたちは声を張り上げる。グラウンドの端の方では別メニューに取り組む1回生たちの姿が。そしてもう一人。そこには総監督がいる。
猛練習に励むルーキーズたちにげきを飛ばす。ときに手を叩き、ときに声を出す。その一挙一動に熱がこもる。
練習の一間。山本が嬉しそうに話した。
▲手をたたき、鼓舞する
「言うたら、言うただけやりよる!」
指導者冥利につきるか。1回生たちの吸収力に喜びの声をあげる。
週初めのことだ。山本と片岡(BK担当)は新入部員たちを観察していた。そして一喝したという。
「高校生が抜けきってない。だらだらして、しゃべってばっかで。(片岡と)泳がして見てたら『あぁ~やらへんなぁ』って」
打って変わってキビキビとした動きを見せていたこの日。先輩たちの叱咤に、ルーキーズたちが理解をしめした証だ。
「あおって、本気にさせるだけよ。オレが一番声が出てるのも、それが一番響くやろうしって」
〝気持ち〟の男は全開そのものだ。そして山本の視線は明日に迫ったデビュー戦に向けられている。
「どんだけ楽しみか!勝って欲しいな」
試合ではインカムを装着し指揮も執るという。ますます存在感を増してきた(?)総監督率いるチームが出陣のときをむかえる。
「こてんぱにしたるよ!」
見込み十分と期待を寄せる新生チームを見つめながら、練習中にぽろりとこぼした言葉が何よりも頼もしい。(続く)
▲身振り手振りで指導に当たる
<不定期連載>