「小原組~ALL OUT~」
主将・小原 vs 副将・片岡
投稿日時:2009/02/24(火) 12:21
あの感動から数ヶ月。2008年度納会を終え、関学ラグビー部は新たなる船出を迎えた。
主将・小原正、副将・片岡将
新体制となったいま、チームを牽引するこの2人にそれぞれの胸中にある思いを聞いていこうと思う。
―就任までの経緯は?
小原(以下O)「1月の半ばくらいから話し合った」
片岡(以下K)「監督、コーチ陣の新就任の時期もあって例年よりはずれこんだ」
K「バラちゃん(小原の愛称)が主将になるのはストレートに決まってた」
O「副将や現役幹部については3回生同士で話し合って」
―先日の納会での新幹部の発表は?
O「風邪で休んでて…」
K「直前にバラちゃんからメールが来て。当日に小野さん(社4)が『新主将は情熱がありすぎて熱でたって挨拶しよ』なんて言ってきたけど、僕やったら絶対すべるから(笑)」
―(小原へ)どういった主将になりたい?
O「室屋さん(社4)が体張ってた人で、そのまま真似はできないけどコミュニケーションの面で超えられるように。積極的にとるようにしてる。(そういう雰囲気がないと)言いたい事も言えん気がして。それを無くしてどんどん言いたい事を言い合えるように。それが関学の良さでもあるから」
―このオフの過ごし方とは?
K「1月いっぱいテストがあって、しっかり休みをとる。ラグビー部全体は2月からで。それでも個人的にウエイトをやってる子は多いみたい。意識は上がってる」
O「考え方が変わってきている。意識が高くなって、この状態が続いていけば常勝軍団になれると」
―個人的にはオフに何を?
O「筋トレと体重を増やしつつ。体重を増やしていくのが、ぼくらが考えたことやから。目標は3月までに107㌔、いまは106㌔ぐらい。」
K「1ヶ月休んでくれ、って上から言われてて、、、ご飯食べて、ゆっくり休んで。1ヶ月リフレッシュさせてもらった。体重設定もクリアしたし」
―体重設定というのは?
K「トレーナーの辰見さんが個人個人に決めてくれて」
O「それをクリアしないと試合にも、ましてや練習にすら出れない。勝っていくうえでの必要なもの」
―昨シーズンは自身にとってどんなものだった?
O「勉強になった1年。4回生がやってきたものを見れた。ああいう4回生だと下の代もついてきてくれる」
K「コーチの萩井さんから言わせれば自分のおごりだったんだけど、春から調子出ずに、苦しいシーズンだった。リーグの同大戦でトライ決めて、それでも怪我して、そこから復帰して。怪我するたびに、ラグビー好きやなって。成長を実感したし、人間的に成長できた。」
―チームの成長、新監督の就任など取り囲む状況の変化に戸惑いは?
K「去年は4回生が基本的にまとめてやってくれてたし。まぁ今年はバラちゃんがキャプテンなんで大丈夫かなと」
O「学生主体に変わりはない。そんなにないです」
―関西制覇を実感した瞬間はありましたか?
K「実感っていうのが、あんまり無くて。あとからいろんな人に言われて『あ、そうか、優勝したんや』って。嬉しかったけど、同大に勝った方が嬉しかったかな」
O「編集部の『関学スポーツ』に載ったことかな(笑)」
―いま考えている今年のテーマは?
O「去年の形(ディフェンス)を精度上げていく」
K「去年のベースがあれば、関西では抜けられる。国立までには行けるけど、日本一になると運が必要。実際、運も必要やし練習して一日一日真面目にやっていくことが大事かな」
―練習以外の面でやっていきたいこととかある?
K「できればミーティングしていきたい」
O「去年は全員が意見を言えない感じ。もっと下からも意見を出して、気付かん部分を直して。もっと言いやすい環境を作っていきたい」
K「上下の差のないミーティングを。一体感、求めたいよね。」
O「みんなが納得するまでやるっていう」
K「環境の変化にいろんな意見も挙がるしね」
O「あとは清掃活動とかも考えてる」
K「まずは風紀的なものから。注目もされてるし」
―新体制が始まるプレッシャーは?
O「少しは(笑)。けど、面白そうの方が強い」
K「ワクワクするっていう。今年が勝負の1年かなっていう。関学史上一番強いチームを目指すことが嬉しいな。」
―では改めて今年の目標は?
K、O「(口をそろえて)日本一!」
K「春からプランを作っていけば、国立に行けるラグビーは見えてくると思う!(目標も)だいぶ見えてきたかなって。」
O「今年はその伝統を。早稲田だったら『展開ラグビー』、明治だったら『FW戦』。関学はない。それを作っていきたい」
―入学当時はどんな4年目を想像した?
K「(1年生次)ぼくらが一番に練習に来た2人で。運命かなって。そこから始まって、それが4年目になって、こうなった。1年目から練習がキツかった。そのなかで先輩がやってくれて、それが結果につながったんかなって」
O「上に竹内さん(社4)がいて『良いチームやから』って言われて入部した。入って、周りの強豪校の高いレベルの当たり前が体験できて、意識変わった。高い意識を感じられて、特にぼくらの学年は意識高くなった。本当、この代でよかったなと」
―プレーヤーとしてラストイヤーの目標とかあれば
K「今年はBKで一番体を張らないといけない。怪我をせずやれば結果が出る。全試合出て、大学選手権行って、国立。日本一に貢献できる選手になりたい」
O「下仕事的なポジション。ディフェンスも一番大切やけど、もっと積極的なアタックを」
―関学ラグビーの魅力とは
O「いい意味での上下関係ないのと、、、(考え中)」
K「関学っておごらず、真面目で謙虚なやつが多い。部員が多くて、あの人数やと平日練習とか成り立たないかもしれんけど、部員全員がまとまりあるチーム。同回生も、就活の合間に、こうして筋トレに来る奴がいたり、意識高い」
―今年の注目ポイントは
K「あくまで謙虚。チャレンジ精神で戦い続けるところを」
O「去年よりも体デカくなるんで、激しさが増す。その激しいところを見て欲しい」
―そういえば、2人は試合直前で目に涙が浮かぶ場面が見られる。そのわけを…
K「熱くなって。バラちゃんは100パーセント熱くなるタイプやから。ぼくはレギュラーなるまでの苦労を思い出したりで。ジャージ着るん大変やったなって。2回生で初めて着たときも嬉しかったけど、3回生のときは『やってやろう』と」
O「練習とかで試合にに出てない4回生がやってくれる。それを見たら『勝たなあかん』と。こみあげるもんが、、、それが大きいかなって。その人たちのためにやろう!それで涙が出てくる」
―では最後に。自分自身にとってラグビーとは
K「自分の存在価値を高めてくれる。自分にとっても周りにとってもプラスになる。生きがい。ラグビーがないと生活できない。何もしなくてプータローだよ。そう考えたら、ラグビーないのが考えられない。ラグビーを通じて得た仲間って特別だよね。一生の友達になるし。死ぬまで仲間」
O「今はなくてはならないもの、最高のスポーツだと思います」
昨年の大躍進のなかで、関係者が口にした言葉がある。「歴史を変えた。けれども続けていかなければ、本当の意味で歴史は変えたことにならない。」前年度の成績があってこその周囲からの期待は言わずもがな、今年のチームに降りかかる。それでも部を引っ張る彼らの言葉からは、チャレンジャーとしての自信がはっきりと見て取れた。そこにあるのは”挑戦者”の看板を背負った新たなる関学ラグビー部の姿。さらなる次元へ挑む朱紺の闘士たちの熱きシーズンがまもなく始まる。
(取材:2月10日/ラグビー部部室にて)